言葉が好きになる「詩」の指導とは 【小1国語 京女式書くことの指導】8

今回は、「詩」の指導術を紹介します。詩は文章が短くて分かりやすい言葉なので、1年生の子供にとっては、好きな活動の一つです。詩を、声に出したり、書いたり、好きなところに印を入れたり……。言葉を意識することにより、子供が言葉を好きになることにつながります。単行本『はじめてのひらがな、カタカナ 1年生担任の京女式国語の教育技術』(小社)を再編集して、1年生の国語の指導ポイントを分かりやすく紹介するシリーズです。
執筆/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永 幸司
目次
詩を書く
詩を読んだり書いたりすることが、1年生の子供は大好きです。書くことが好きな理由は短くて分かりやすい言葉で表現できることです。それを声に出すと詩の表現や言葉の響きを快く感じるからです。
「書く」ということは、音読の快さを文字に置き換えることなので、子供にとっては、「賢くなっていく自分」が自覚できるようになります。
また、大事なところや心に残ったところに印を入れる活動も大切です。線を引ける、マルが付けられることが、1年生には大事な学習です。
めあてを書かせることによって、何を勉強するかを意識させます。めあては、1年生にこれからの勉強の見通しをもつ力を育てます。
題名と作者(へびいちのすけ)を書かせることにより、「いつもの学習とは違う詩がはじまるのだろう」という期待をもたせます。題名と作者を書くことが、ノート指導の基本になります。

1行ずつ「読む」「書く」を繰り返すと詩のイメージが広がっていきます。書くことを急がせないようにして、ゆっくりと丁寧に書かせることがポイントです。
詩の全体を音読させ、好きな言葉、心に残った言葉、大事な言葉などを発表させ、その後に マルや線で印を入れさせます。そのことで、詩のイメージが確かになります。

「せりふ」の学習もしていきましょう。
2学期には「せりふ」の学習も行います。ノートに書き、せりふの工夫に挑戦してもよいでしょう。

「カギカッコのところが丁寧に書けました」「大事な言葉が見つけられました」「好きな言葉に線が引けました」など、よさを認める助言をします。このことが、不安な気持ちを取り除かせます。上手に書けた、丁寧に書けたことで満足感をもたせます。
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吉永幸司(よしながこうし)
京都女子大学附属小学校特命副校長
滋賀大学学芸学部卒業。滋賀大学教育学部附属小学校教諭(26年間)、同副校長、公立小学校校長、京都女子大学教授・同附属小学校校長。国語指導、道徳指導に長年携わる。国語教育、道徳教育の大家として定評が高く著書も多数。『教育技術ムック 考える子どもを育てる京女式ノート指導術 小学校国語』小社ほか。
構成/浅原孝子
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