9月の学級通信:ワクワクを学びに変える中学年の感性を育む
夏休みが終わり、いよいよ2学期のスタートです。長い休み明けとあって、学習への取り組みに重点を置きがちですが、急なスタートダッシュは子供たちの豊かな感性の芽を摘みとってしまいかねません。好奇心を学びへと変えていく中学年ならではの感性を大切に育み、子供たちが成長する日々の様子を保護者の方と共有していきたいと思っています。
目次
学ぶことへの前向きな気持ちをピックアップする
長かった夏休みが終わり、2学期が始まりました。日々の授業も再スタートです。好きなことを好きなようにできた夏休みから一転し、学習に取り組まなければいけない時間が続くようになります。子供たちから、めんどうくさい、やりたくないと言った声が聞こえてくることがあるかもしれません。
しかし、ここで、ただ懸命に取り組むことを求めようとすると「学ぶこと=頑張ること」という認識を与えてしまう可能性があります。それでは学びのもつ面白さや奥深さを感じることができなくなってしまいます。
豊かな感性をもつ中学年の子供たちは、日々の授業の中からたくさんのことを感じとります。興味をもったこと、疑問に思ったこと、楽しかったこと……そんな気持ちを学級全体で共有し、学ぶことへの前向きな気持ちを育んでいきたいと思っています。
▼学級通信「つながりNo.78」
【子供の日記】
今日4時間目に理科の授業でダンゴムシのことと、メダカ池にいるメダカのことを書きました。どっちも動きが速くて書くのが大変でした。ダンゴムシの足の数は子どもの時は12本、大人になると14本になるそうです。家でお母さんと調べました。足がふえるなんて、びっくりしました。【Aさん】
今日体育でリレーをしました。フープ、紙、新聞、ボール、ミニコーンをバトンにしました。最後の試合でフープ、ボール、ミニコーンをすべてもって走りました。私はそのさいごのが一番楽しくて、もういっかいやりたいねと話していました。 【Bさん】
【教師のコメント】
ダンゴムシの足がふえるなんて知りませんでした。おどろきです。みんなが「気になるな」「調べたいな」「またやりたいな」と思ってくれるのが、とてもうれしいです。
9月28日 学級通信「つながり」No.78
足元を歩いていたダンゴムシが気になり、よく見てみたら足がたくさん生えていることに気付いた。気になったから調べてみたら12本もあった。しかもなんと大人になると足が増えることが分かった。こんな体験ができるのも、この年代ならではのことだと思います。
もちろん一生懸命学習に取り組むことはとても大切なことです。これから先、頑張りや努力が必要になることもあるでしょう。
しかし、あふれ出る興味や関心を学びに変えていくことができるのが中学年の醍醐味です。授業を通して、子供たちがワクワクしながら学びの世界の入り口に立つことができるよう、子供たちの前向きな気持ちを育んでいきたいと思っています。
佐橋慶彦(さはしよしひこ)●1989年、愛知県生まれ。『第57回 実践!わたしの教育記録』特別賞受賞。教育実践研究サークル「群青」主宰。日本学級経営学会所属。子どもがつながる学級を目指して日々実践に取り組んでいる。