ひらがなの止める・ハラウ・ハネルを疎かにしない【京女式書くことの指導】2

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吉永幸司の京女式「書くことの指導」
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1年生の賢い子を育てる「京女式 書くこと指導」

単行本『はじめてのひらがな、カタカナ 1年生担任の京女式国語の教育技術』(小社)を再編集して、1年生の国語の指導ポイントをわかりやすく紹介するシリーズです。2回目の今回は、はじめて文字を書くときの指導の具体です。

執筆/元京都女子大学教授・同附属小学校校長・吉永 幸司

「丁寧にと美しく」から始めるひらがなの勉強

1年生の教科書は「絵ばなし」から始まります。絵の場面を見ながら、お話をつくっていくという学習活動です。それはそれで楽しいのですが、国語の勉強は、文字を読み、書くことであると子供が思っていますから、「先生、早く勉強しよう」ということを言い出す子もいます。それほど、ひらがなを学習することに対する期待は大きいのです。

子供の言うように、ひらがなの指導は1年生にとって大事な学習内容です。毎日、「丁寧に」と「美しく」を心がけながら文字を書く子に育てるのです。

集中する子の勢いを止めない

ひらがなを勉強することが1年生だと思っているので、初めて鉛筆を持って書くときは、子供は教師の言葉をひとことも聞き逃さないようにしようとしています。子供に勢いを感じるときです。

1年生の担任を数回以上経験していると、文字指導に集中する子の気持ちを知っています。だから、余計なことは言いません。しかし、初めての1年担任、あるいは、あまり経験がないと、余計なことを口にします。それが子供の集中している気持ちを緩くしていることに、気が付かないのです。

「止める・ハラウ・ハネル」を意識させる

最初の段階は、文字の形とともに「止める・ハラウ・ハネル」を意識させるのです。これが難しいのです。それは、鉛筆の持ち方が「止める・ハラウ・ハネル」になじまないからです。鉛筆の持ち方の練習が大事です。

文字が書けると、もう学習の頂点に到達したような気分になるのも1年生です。「書ける」「できた」ということが嬉しいのです。教師はその勢いに押されて「止める・ハラウ・ハネル」の指導が手薄になります。文字の形になっていれば、それで指導の効果があったと思い込むからです。そのまま放っておくと、文字が乱雑になっても平気な子に育ちます。

ひらがなの最初の指導は言葉を添える

ひらがなの最初の指導は、筆順を「いち、にい、さん」と唱え、「まっすぐ横に、止めてハネル」と、言葉を添えて指導をすると効果があります。また、「あさひの、あ」「あめの、あ」と、語句と結びつけると知っている言葉が文字になっていく喜びを体験します。一文字が他の文字とつながると意味を持つことを知りながら語彙を増やしていくことを覚えます。

文字として「あ」「め」です。しかし「あめ」と二つがつながると「雨」「飴」という意味を持つことを覚えていきます。

宿題は、学習習慣を育てることを目的にする

宿題の目的は、学習習慣を育てることです。そして、学力を定着させることです。

最初の段階は、家庭における学習習慣を育てることに目的を置くことが大事です。「なぞる、うつす」のように平易な学習活動になるようなワークシートを作ると評価や点検に手間がかからないうえ、指導がきめ細かくできます。さらに、勉強好きの1年には「宿題ができた」という充実感をもたせることが大事です。

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入学式の頃と違うと思うことが多くなるのが4月の後半から5月にかけてです。
授業中よそ見をする子が出てきます。勝手に立ち歩く、ノートに落書きをする子等。子供にとっては、やさしかった先生が、違う先生に見えるときです。
入学式からしばらくは利口だった子供たちです。それが1年生と思い込んでいたとしたら、「どうして?」と、悩むときでもあります。しかし、それは、子供が変わったのではなく、4月の緊張感から解かれ、本来の姿になっただけのことなのです。
放っておけば、丁寧に書いていたノートの文字はますます乱雑になるでしょうし、授業中、私語を平気でするようになります。本来の自分の姿を表す子たちに、勉強の仕方や言葉の使い方を丁寧に指導する時期なのです。先生もまた、1年生の先生であることを改めて自覚するときでもあります。

〈プロフィール〉
吉永幸司(よしながこうし)
元京都女子大学教授・同附属小学校校長
滋賀大学学芸学部卒業。滋賀大学教育学部附属小学校教諭(26年間)、同副校長、公立小学校校長、国語指導、道徳指導に長年携わる。国語教育、道徳教育の大家として定評が高く著書も多数。『教育技術ムック 考える子どもを育てる京女式ノート指導術 小学校国語』小社ほか。

構成/浅原孝子 イラスト/藤崎知子

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