小3国語「人をつつむ形―世界の家めぐり」指導アイデア

教材名:人をつつむ形―世界の家めぐり(東京書籍 三年下)

指導事項:〔知識及び技能〕(2)ア〔思考力、判断力、表現力等〕C(1)オ
言語活動:C(2)ア

執筆/福岡県公立小学校教諭・矢野万理
編集委員/前・文部科学省初等中等教育局教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・城戸祥次

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

筆者の考えと理由や事例との関係に気を付けながら、筆者のものの見方や考え方を捉え、自分の考えに生かす力を育成します。

本単元は、第三学年の説明的文章の最終の単元であり、「考えを広げ、深める」力を身に付ける系統に位置付けられています。これまでに子供は、「文章を読んで感想を伝え合う力」や「中心となる語や文を見付けて要約する力」を身に付けてきました。

本単元では、これらの力を生かしながら、筆者のものの見方や考え方を読み取るための視点を確かめ、それに沿って文章や写真・絵などから読み取ったことを表にまとめて整理していきます。また、この活動は、今後の文章を読むときや、他教科等で調べ学習をする際にも活用できるように意識付けしていきます。

②言語活動とその特徴

本単元には「日本の家のつくりにはどのような工夫があるかを話し合い、考えたことを伝え合う」という言語活動を位置付けます。そのために、教材文「人をつつむ形―世界の家めぐり」を読み、筆者が紹介している世界の家のつくりについて、整理しながら内容を読み取ります。

本教材には、文章に書かれている内容に加えて、子供の関心を引く写真や絵が多数掲載されており、それらから分かる情報も多くあります。筆者のものの見方や考え方に沿って整理し、そこで学んだ視点や紹介のしかたを自分の考えを表現することに生かしていけるようにします。

単元の展開(11時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①教師が作成した「日本の家のつくり紹介ポスター」を提示することで学習の見通しをもつ。
→アイデア1
・「人をつつむ形」(家のつくり)について考え、日本の家のつくりについて紹介する単元を設定し、学習計画を立てる。

【単元】日本の家のつくりについて考えたことを伝えよう。

第二次(2~10時)

②教材文を読み、筆者が紹介している世界の家のつくりについて考える。

③~⑦整理したことを基に、家のつくりの工夫と、その土地の特徴やそこに住む人々の暮らしとの関係について比べながら考える。
→アイデア2

⑧~⑩日本の家のつくりについて考え、まとめる。
→アイデア3

第三次(11時)

⑪日本の家のつくりについてまとめたことを説明し合い、学習をふり返る。

アイデア1 学習に見通しをもち、主体的に読むための教師のモデルの提示

「家のつくり」について考えるというテーマは、三年生の子供にとって、あまり馴染みのないものです。そこで、教材文の例を日本の家に置きかえて、言語活動のゴールをイメージしやすくするための「紹介ポスター」のモデルと出合わせます。

教材文のように、写真や絵を生かし、筆者のものの見方や考え方を読み取るための二つの視点「ざいりょうや家のつくりのくふう」「土地のとくちょうや人々のくらし」に沿って、色分けした付箋を活用します。

この色分けした付箋を、本教材を読み取る活動でも同じように使うことで、読んだことを生かして自分の考えをまとめることができたという実感を高めることにもつながります。

▼教師の「紹介ポスター」モデルの例

教師の「紹介ポスター」モデルの例

アイデア2 読み取ったことが生かせる、と実感できる付箋の活用

付箋を使えば、見付けたものから色分けしながら書き留めることができ、それらの順序は後からじっくり考えることができます。

また、間違えて書いてしまっても、消さずに書きかえればよいので、子供の書くことに対する負担を減らすことができます。最初は個人で付箋に読み取ったことを書き、その後に班や学級全体で意見を交流した際、足らないところを付け足すことも簡単にできます。

視覚的に色分けできるので、その後、日本の家について自分の考えをまとめるときにも、視点がはっきりし、まとめやすくなります。「日本の家のつくり」について自分の考えを書くときにも、より分かりやすく伝えるために順序を工夫したり、不足を補ったりすることが容易にできます。

▼付箋を活用して視覚的に色分けする

イラスト/横井智美

『教育技術 小三小四』2021年1月号より

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