小2国語「お手紙」場面の様子を想像して音読げきをしよう指導アイデア

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教材名:「お手紙」(光村図書 二年下)

指導事項:Cウ
言語活動:イ

執筆/茨城大学教育学部附属小学校教諭・菅原慎也
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、茨城県公立小学校校長・橋本浩志

小2国語「音読げきをしよう」指導アイデアのイメージイラスト

単元で付けたい資質・能力

本作品は、二人の登場人物の行動を中心に、場所や時間の移り変わりがはっきり描かれた作品です。物語の展開に沿って、「がまくん」と「かえるくん」の様子に着目して、行動を具体的に想像して、どう変わっていくかを予想したり、お手紙を待つ二つの場面の違いを、挿絵も手掛かりにして捉えたりする力を身に付けていくことができるでしょう。

そこで本単元では、「場面の様子について、登場人物の行動や会話を中心に想像を広げて読み、声の出し方などを工夫して音読劇をすること」を指導事項として位置付けます。

本教材は、7割以上が会話文からなる作品であることから、会話の際の「位置」「距離」「顔の向き」などについても考えることで、場面の様子についてより想像を広げながら読み進めていくことができるでしょう。

言語活動とその特徴

一斉音読することに慣れてくるこの時期に、簡単な動きも付け加えて演じる音読劇を言語活動として取り入れることで、子どもの学習意欲を喚起させる手立てにもなることでしょう。

また、物語の場面を想像し、登場人物の葛藤、喜怒哀楽といった心の動きを思い浮かべることで、音読の工夫をすることができるでしょう。

単元の展開(9時間扱い)

主な学習活動

(1時)

① 音読劇の映像等を見て、学習の見通しをもつ。
→アイデア1 主体的な学び

【学習課題】人物の様子や気持ちを想像し、音読劇をしよう。

(2~5時)

②物語の最初と最後の場面の挿絵からお話を想像する。
→アイデア3 対話的な学び

③④物語の全文を読み、内容を整理する。
・場所の移り変わりに着目して場面を分ける。
・二人の行動と会話について、場面ごとに整理する。

⑤ 場面ごとに整理した行動や会話について、どのように音読するか考える。

(6~9時)

⑥一場面を例に音読劇の練習をする。
→アイデア2 深い学び

⑦音読劇をしたい場面を選択し、練習する。

⑧友達の助言や読み方を聞き、音読の仕方を工夫する。

⑨音読劇を発表する。

アイデア1 音読劇の様子が分かる視覚的教材を提示する

主体的な学び

単元の導入で、学校で閲覧することのできる音読劇や図書館等で借りられる音読劇の映像資料を活用し、子どもたちが「何を学ぶのか」を視覚的に分かるようにします。

子どもたちの「やってみたい」という興味・関心や、「どうやったら劇ができるのだろう」という疑問を引き出すことで、教材を読む視点を明らかにしていきます。

音読劇の映像をみんなで見ます

今からお話を劇にしている映像を見ます。

どうしたら、あんなふうに音読劇ができるのかな。

面白そう。どんなふうに劇をしているのかな。

アイデア2 全文通読の前に挿絵を活用し、物語を想像する

まず、初めと終わりの挿絵を活用し、二つの絵の違うところは何かを考えます。

「右の絵は悲しそうな顔をしている」
「左の絵は笑っているからうれしそう」

といった二つの絵の違いを見付ける子もいるでしょう。また、

「二人とも同じベンチに座っている」
「ポストが近くにある」

いった共通点を見付ける子もいるでしょう。子どもたちの「何があったんだろう」という疑問を大切にし、「同じ場所」であるのに、「表情」や「しぐさ」が違うのはなぜなのか、これから物語を読んでいこうと投げかけることで、作品への関心を高めていきます。

すると、子どもたちの中に、「何がきっかけで二人の気持ちが変化していくのだろう」と問いをもちながら読む姿勢が生まれていくでしょう。

子どもたちが教材と向き合い、対話する姿を大切にし、そこから想像したことから授業の視点をつくり出していくことが大切です。

▼二つの挿絵を活用した板書例

二つの挿絵を活用した板書例
クリックすると別ウィンドウで開きます

右側の絵は、二人ともつまらなそうにしているよ。ポストを見ているようにも見えるよ。

左の絵の二人は笑っているよ。手紙が届いたのかな。

肩を組んでいるようにも見えるよ。仲良しになったのかもしれないよ。

いったい何があったんだろう。

アイデア3 「しかけ文」から違いを見付け、場面の様子を想像する

「しかけ文」から違いを見付け、場面の様子を想像する

かえるくんが、がまくんのためにお手紙を書くシーンを取り上げます。「会話文が多いから、先生が一つにまとめてみたよ」と言い、「しかけ文」を提示しながら読みます。本文と何が違うのか子どもたちは自然と気付くでしょう。

違うとは分かっていても、「どこが違うのか」を具体的に説明できないはずです。教科書と結び付けながら違いを明らかにしていきましょう。短い文がいくつも続いていることに気付いたら、なぜ短い文をつなげているのかを問い、文を区切ることでリズムが生まれていたり、次から次へと物事が進んでいる様子を表していたりすることに気付いていけるようにしましょう。

ここで音読劇の仕方の視点を明確にすることで、その後の練習ポイントとなるようにしましょう。

▼提示した「しかけ文」

全部つながっていると、何をしているかよく分からないな。

一つずつしたことで分かれていると、短くて言いやすくなるね。

一年生の頃にやった「おむすびころりん」みたいだね。

大急ぎで帰っているから、ハアハア息をしながら、あまり休まずに、次の文をどんどん読んでいくといいかな。

それでは、どんなふうに音読したらいいのだろう。動きも付けたいね。

イラスト/やひろきよみ 横井智美

『教育技術 小一小二』2019年10月号より

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