小6社会「江戸幕府と政治の安定」指導アイデア

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執筆/東京都公立小学校主任教諭・杉本季穂
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都公立小学校校長・杉渕尚

小6社会「江戸幕府と政治の安定」指導アイデア
写真AC

目標

江戸幕府の政策について、世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して、地図や年表などの資料で調べてまとめ、江戸幕府の始まり、参勤交代や鎖国などの幕府の政策、身分制を手がかりに、武士による政治が安定したことを理解できるようにする。

学習の流れ(6時間扱い)

問題をつくる(1時間)

○ 江戸図屏風や年表を基に話し合い、学習問題を設定する。

〈学習問題〉
江戸幕府は、どのようにして安定した政治を行ったのだろう。

追究する(4時間)

○ 江戸幕府の始まりについて調べる。
○ 参勤交代や鎖国などの、幕府の政策について調べる。
○ 江戸幕府の身分制について調べる。

まとめる(1時間)

○ 調べたことを基に、学習問題について自分の考えをまとめる。

導入の工夫

家康以後の大名の数や配置と江戸図屏風に描かれた当時の暮らしについて話し合い、幕府の権力や政治について追究する意欲をもてるようにする。

江戸時代、取りつぶされた大名

家康以後、大名が取りつぶされたのはどうしてでしょう。

大名を支配しやすいようにしたから。

幕府の権力が、強大になったから。

三代将軍家光の頃の江戸の暮らしは、戦国の世の中と比べてどのように変化したでしょうか。江戸図屏風と解説を基に考えてみましょう。

江戸図屏風・左隻
※クリックすると別画面で大きく表示します

とても栄えていて、人も多く、建物も大きい。

戦国時代と違って、安定した世の中になった。

朝鮮通信使など、外国とのつながりもあった。

建物や堀の様子から、暮らしやすい世の中になった。

江戸幕府は、家康以後260年間続いていきます。これから調べたいことや疑問に思ったことを出し合って、学習問題をつくりましょう。

問題をつくる

取りつぶされた大名の数と江戸図屏風の様子を見て、徳川家の勢力や戦国時代からの変化について話し合う。 (1/6時間)

学習問題
江戸幕府は、どのようにして安定した政治を行ったのだろう。

まとめる

ピラミッドチャートを活用し、学習問題に対して自分の考えを表現する。(6/6時間)

まとめ方の工夫

思考ツールを用いることで、安定した世の中につながる幕府の政策として、最も重要だと思うものを図で表し、その理由を説明できるようにする。

学習問題を踏まえて、江戸幕府の政治について学んだことをまとめてみましょう。

私は、「鎖国」を行ったことが一番重要な幕府の政策だと思いました。
幕府は外国との関係や大名への支配を強めるために、様々な政策を行いました。しかし、どんな政策をしても、日本が外国に支配されてはだめなので、「鎖国」をすることで、キリスト教を広めるおそれのあった国とは交流しなかったことが、大事なことだと思います。

ぼくは、最初に戦国時代のようにまた争いが起こったのだと予想していましたが、参勤交代のように大名たちを支配したり、見守ったりする方法を行うなど、江戸幕府の政治は世の中の安定につながったのだと思いました。

江戸時代の政策・ピラミッドチャート例

ピラミッドチャートでは、下段から「事実」「まとめ」「自分の考え」を記述させて、どのような事実から自分の考えを導いたのかを説明できるようにし、江戸幕府の政策の意図が表現できるようにします。

単元づくりのポイント

本単元では、武士による政治が安定したことを理解できるようにすることがねらいです。単元の導入では、戦国時代(前単元)との比較を通して、武士による政治体制の変化を捉え、江戸幕府における政策が、世の中に影響を与えたことを想起できるようにします。単元のまとめでは、思考ツールを用いて説明を行うなど工夫することで、江戸幕府の政策の意図や当時の社会の様子について考えることができるようにするとよいでしょう。


イラスト/横井智美、栗原清

『教育技術 小五小六』2019年7/8月号より

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