体育で新しい単元を始めるとき、意識しておきたい安全指導~単元をスムーズに進める土台作り~【絶対うまくいく! 体育の超マネジメント#7】

体育で、新しい単元の第1時は、かなり慌ただしい時間です。
子どもたちが新しい体験への期待に胸をふくらませる一方で、教師としては
「まずは安全への周知を徹底したい」
「準備や片付けの方法を教えたい」
「説明だけではなく、運動もさせたい」
と、考えることがたくさんあります。
ここで優先したいのは、単元を安定して進めるための土台作りです。そのために必要なのは、安全への意識付けと準備・片付けの指導だと言えます。今回は特に重要な、安全への意識付けについてご紹介していきます。
執筆/環太平洋大学次世代教育学部講師・中安翼
目次
第1時の最重点は「安全指導」、次に「準備・片付け」
第1時では、以下のような展開がおすすめです。
① 準備の仕方の確認
② 本単元の運動の紹介
③ 安全指導
④ 活動(運動)
⑤ 片付け方の確認
⑥ まとめ
新しい単元に入ると、子どもたちは「早く運動したい」という気持ちをもっています。しかし、第1時は準備の仕方や安全に活動するための約束を確認する時間が必要になるため、どうしても運動時間は少なくなりやすくなります。また、子どもたちが「話ばかりでつまらない」と感じてしまうと、話を聞く姿勢が崩れやすくなり、教育効果が上がりません。
そこでまず、いちばん最初に
今日は、運動時間があまりとれないかもしれません。準備の仕方や、安全に活動するための決まりを確認しなければならないからです。でも、今日しっかり聞いて理解できれば、次回以降は安全にたくさん運動できます。集中して話を聞き、テキパキ動けば、今日も後半には運動する時間を残せるかもしれません。
と伝えます。最初に目的を共有しておくと、子どもたちも納得して授業に臨みやすくなります。
第1時で最も重点を置くべきなのは、運動そのものよりも、安全への意識付けと準備・片付けの指導です。なぜなら、これらは今後の授業をスムーズに進めるための土台になるからです。第1時でしっかり確認しておけば、その後の授業で同じことを何度も一から説明しなくてすみます。結果として、単元全体を通して、より安全に、より多くの運動時間を確保しやすくなるのです。第1時でここを丁寧に行うかどうかで、その後の授業の安定感は大きく変わります。
準備や片付けの説明も、体育授業を安定させるうえで重要なファクターですが、以下の記事で詳しくご紹介しているので、今回は安全指導に焦点化してご紹介します。併せてご覧ください。
体育で大事なのは運動の場面だけ?? 授業を驚くほど安定させる、子どもと交わしたい3つの約束とは【絶対うまくいく! 体育の超マネジメント#3】
単元前の「3つの準備」で体育授業をスムーズにマネジメントしよう【絶対うまくいく! 体育の超マネジメント#6】
安全指導は「理由」まで伝えよう
第1時の安全指導は、ぜひ丁寧に行いましょう。特に鉄棒やマット、跳び箱などの器械運動は危険が多く、大きなけがにつながることもあります。だからこそ、第1時の段階で「安全に活動するために何が必要か」を子どもたちとしっかり確認しておくことが欠かせません。
例えば、
・準備運動の仕方
・服装
・教具の使い方
・活動中の約束
などです。
こうしたことは、ただ「守りなさい」と伝えるだけでは十分ではありません。「なぜそれが必要なのか」を子どもたちが納得できるように話すことが大切です。
例えば、準備運動で手首や足首をしっかり動かすことも、帽子のゴムを確認することも、すべては安全に活動するためです。
準備運動の必要性に関しては、例えば跳び箱の単元であれば、
跳び箱の運動では、どこをけがしやすいかな?
と子どもたちに問い、
跳び箱は、手首や足首、首のけがが多い運動です。だから授業の最初に、そこをしっかり動かして、けがを防ぎやすくしておこうね
と伝えるようにしています。
帽子のゴムについては、
ゴムがゆるいままだと、運動しているときに帽子が外れて前が見えにくくなり、思わぬけがにつながることがあります。必ず動かないようにゴムをしめておきましょう。
といったように伝えています。

このように、一つ一つの約束や準備が安全につながっていることを具体的に伝えていくことで、子どもたちの安全への意識は高まりやすくなります。
また、活動中の意識についても最初に確認しておきます。
「よそ見をしない」
「ふざけない」
「話を聞く」
といったことは、その後も繰り返し指導していくことになりますが、第1時で意識づけておくだけでも学級全体の雰囲気は変わります。
このとき大切なのは、「自分がけがをしない」という視点だけでなく、「友達にけがをさせない」という視点ももたせることです。
安全指導は、自分の身を守るためだけでなく、みんなで安心して学ぶための土台になるのです。
