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単元前の「3つの準備」で体育授業をラクラクマネジメントしよう【絶対うまくいく! 体育の超マネジメント#6】

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中安翼
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「授業が始まっても、なかなか動き出せない」
「準備や片付けに時間がかかってしまう」
「毎時間バタバタしてしまう」
体育の授業でこのような悩みを感じたことはありませんか? 実はこうした問題の多くは、授業前の工夫で予防できます。体育は教室とは違い、広い場所で多くの教具を使って行う授業です。そのため、事前の準備ができているかどうかで、授業の流れは大きく変わるのです。

今回は、体育授業をスムーズに進めるために、単元前にしておきたい最低限の3つの準備を紹介します。

執筆/環太平洋大学次世代教育学部講師・中安翼

準備① 活動場所と教具を確認しておこう

事前に少し時間をつくって、体育館や運動場など、実際に活動を行う場所に足を運び、ここでどのように授業を展開するのか、というイメージを具体的にもっておきましょう。
なぜなら体育では、単元によって使う場所や広さが大きく変わるからです。
現場の状況を確認せずに授業に入ると、

  • コートの広さが合わない
  • 教具の数が足りない
  • 思わぬ危険に気づかない

といったことが起こります。
そこで単元前には、次の点を確認しておきましょう。

  • 活動場所はどこからどこまでにするか
  • コートの数など、レイアウトはどうするか
  • 教具の数は足りているか
  • 教具の破損や、ケガにつながるような要因はないか

体育では安全面への配慮は非常に重要です。特に注意深く確認しましょう。
また、例えばボール運動であれば、ボールの数によってグループの人数や活動の形が変わります。事前に確認しておくことで、授業中に慌てることがなくなります。

準備② 基本の集合場所を決めておく

授業の開始時や終了時に集まる「基本の集合場所」を決めておきましょう。目印を設定し、「授業の前と後には、この目印のところに集合します」とあらかじめ子どもたちに伝えておきます。
黒板やホワイトボードといった、板書や掲示ができる教具を目印にすると分かりやすいです。
体育では、黒板やホワイトボードを使わない先生もいますが、板書や掲示物があることで格段に伝わりやすくなります。特に学習内容を共有する場面では有効です。
黒板やホワイトボードがない場合は、壁やフェンスなどを活用して掲示物を一時的に付けることもできます。
板書や掲示物の位置が決まれば、そこを基本の集合場所としましょう。
「どこを見ればよいか」がはっきりすることで、子どもたちの動きが一気にそろいます。

また、基本の集合場所を決めておくと、子どもたちは授業の開始時と終了時には、必ずそこに集まると意識付けることができますから、毎回の授業開始と終了が安定します。

基本の集合場所があいまいだと、授業前に子どもたちが遊具で勝手に遊んだり、授業後に子どもが勝手に教室に帰る、などといったことが起こりやすくなります。

基本の集合場所を決めるポイントは次の3つです。

  • 活動場所に近いこと
  • 安全に集まれる場所であること(十分なスペース、周りに倒れてくるものがないことなど)
  • 日差しの向きや他のクラスの活動など、子どもの視線の先に集中しづらくなる要素がないこと

このようにしておくと、集合が早くなる上に、指導の開始もスムーズになります。

準備③ 準備・片付けの計画を立てておく

最後に行うのが、準備や片付けの進め方をあらかじめ決めておくことです。

体育では毎時間、教具の準備と片付けが必要になります。しかし、これをその場で考えていると、どうしても時間がかかってしまいます。

そこで大切なのが、「誰が・何を・どこまでやるか」を明確にしておくことです。

これを決めておくだけで、準備と片付けのスピードは大きく変わります。

例えば、準備や片付けは次のように役割を分けておきます。

【先生が行う準備・片付け】

  • ラインを引く
  • 基本の集合場所に掲示物を設置する
  • 教具を倉庫から出しておく
  • 教具を倉庫内に片付ける

【子どもが行う準備・片付け】

  • 教具を指定の場所に運ぶ(準備)
  • 体育倉庫の前に種類ごとにまとめて置いておく(片付け)

準備・片付けは、子どもに任せすぎるとかえって時間がかかります。特に体育倉庫内は狭いため、子どもが次々に入ると危険ですし、トラブルが起こりやすくなります。
体育倉庫からの出し入れは教師が行うことを基本とし、必要に応じて体育係の子どもたちなど、数人に手伝ってもらうとよいでしょう。

さらに、子どもが準備しやすいように、

  • コーンを置く位置に目印を打ち込む(運動場)
  • マットを置く位置にテープをはっておく(体育館)

といった工夫をしておくと、「これ、どこに置けばいいですか?」というやりとりが減り、準備がスムーズになります。

運動場で使う目印は、釘の頭に紐を結び付けた「ポイント」を用いると便利です。
私は、10㎝程度の釘に園芸用ロープを巻きつけ、ロープだけが出るようにして地面に打ち込んでいました。


中安翼(なかやす・つばさ)
1983年生まれ。広告会社の営業マンから小学校教員に転職。岡山市公立小学校や岡山大学附属小学校の教諭を経て、2025年より環太平洋大学次世代教育学部講師。小学校教員としては体育専科や体育の教科担任を合計10年間経験。15年間で60学級の体育を年間指導してきた。「第38回東書教育賞」最優秀賞「第23回ちゅうでん教育大賞」教育優秀賞など、体育の実践論文における受賞多数。新著に『はじめての小学校体育専科』(アメージング出版、2026年)がある。


イラスト/坂齊諒一、横井智美

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