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あなたのクラスの学級目標、大丈夫ですか?

2019/3/25

学級経営・特別活動を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、教育現場で見て気になったことについて、ズバリと切り込みます。

文・稲垣孝章(元・埼玉県東松山市立公立小学校校長)

黒板のイメージ
イラスト/熊アート

学級目標は、合い言葉ではありません

ある小学校を訪問した時、次のような学級目標を見て、愕然としたことを思い出します。

『チャーハン、虹色、あんまんクラス』

全く意味がわからないので、担任の先生にどのような意味なのかを聞いてみました。

すると、「チャーハン」は、様々な具材が入っているので一人ひとりの個性を生かすことを表し、「虹色」は、様々な色が光り輝くので、誰もが活躍できることを示し、「あんまん」は、甘くて温かいことから優しさを表しているとのことでした。

確かに、その意味合いからすれば、子どもたち一人ひとりを大切にしたいという思いが詰まっている言葉であることは否めません。しかも、この言葉は学級会で集団決定したということなので、子どもたちはこの言葉に愛着をもっていることと思います。

また、ある中学校では、『One for All, All for One.』(ひとりはみんなのために みんなはひとりのために)との定番の言葉が学級目標とされていました。
どちらも思いは詰まっています。しかし、学級目標と学級の合言葉は違うのです。

学級目標とは、学校教育目標を受けて、知育、徳育、体育の視点で「教師の指導方針・子ども達の理想の学級への思い・保護者の学級への願い」を盛り込んで、学級活動(2)で扱うのが基本となっていることを踏まえたいものです。

児童の個人目標が、単なる壁面飾りになってませんか?

適切な手順で学級目標を設定しても、その実現に向けた個人目標がどのように設定されているかということが学級経営上、とても大切な視点になってきます。

ある小学校の六年生A子さんの個人目標は次のようになっていました。

(知)「算数をがんばる」
(徳)「友達と仲良くする」
(体)「マラソンをがんばる」

六年生になってもこの目標なのかと、寂しい気持ちになりました。また、それを指導せずに平然と掲示している担任の先生の指導力に疑問を抱きました。このような個人目標を立てた場合には、その多くが夏休みまでこのまま教室の飾りとして掲示されているのだと思います。

行動目標としての具体的な目標設定が何よりも大切になります。「算数の計算問題を一日5題ずつ毎日復習する」など、できたかどうかが明確になる目標とし、少なくても一か月ごとに自己評価を行い、目標を再検討していくことが求められるのだと思います。

「楽しくて明るい教室掲示」の弊害とは?

ある小学校三年生の教室に入った時、黒板の上下左右に色とりどりの掲示物が貼られていました。「楽しくて明るい」と言えばそのとおりですが、学習するには何とも落ち着かない教室だと感じました。

ここで質問です。

(問)教室全体の掲示の仕方、色づかいはどのようにすることがよいのでしょうか。

明るい掲示は大切ですが、どこに何を掲示するか、またどのような色合いの掲示にするかという視点をもつことが必要です。黒板の周囲となる教室前面の掲示は、できるだけ少なくすることが基本です。特に通常学級にも数人いるとされる発達障害のある子どもの中には、掲示物で集中を妨げられる子もいます。また、台紙となる色画用紙の色合いについては、学年によっても異なりますが、一般的には落ち着いたグリーンやクリーム、ベージュなどを用いるとよいでしょう。


『小一~小六教育技術』2014年4月号~2016年2/3月号連載「正襟危座--伝えたい--耳に痛いかもしれないけれど、教室で大切な基礎基本」より

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