• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

学力向上を目指すために、あなたはどのような指導を心がけていますか?

2019/11/16

学級経営・特別活動を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、教育現場で見て気になったことについて、ズバリと切り込みます。今回はジグソー学習について考えてみます。

文/元埼玉県公立小学校校長・稲垣孝章

学力アップのイメージ

まずは指導法の見直しから

「計算ドリルに漢字ドリルの繰り返し学習に力を入れて基礎基本の定着を図っています」標題の質問に対して、ある研修会で若手の教員が答えた言葉です。

この回答は、決して間違っているわけではありません。漢字などの繰り返しの学習は、当然、必要な学力のベースとなるものです。しかし、あくまでもこれは学力の一部ととらえることが大切です。

OECDの調査から「学級の雰囲気がよいほど、学級のモラールが高いほど学びの数値は高くなる」とされています。学力向上を目指すために、まず教師側の指導法について見直し、改善していくことが求められます。

「ジグソー学習」とは

ジグソー(jigsaw)学習は、アロンソンら(Aronson et al.1975)の考案した学習法を蘭千寿氏(1980)が紹介したものです。この学習法を用いて、蘭氏は小学校4~6年生を対象に、国語と社会の授業で 1週間6~7時間のジグソー学習を6~12週間実施し、学業成績の低い児童にも好ましい効果が6週間で見られると報告しました。またメンバーを交替すると さらによい影響を与えると報告しています。

「ジグソー学習」から学ぶこと

ジグソー学習の効果は、どの子も自分なりの役割を担い、学びを通して他の子の学習の役に立ち、効力感が高まるということに起因するものと思われます。

ジグソー法説明図

具体的な学習方法としては、まず原グループの「グループ1」に所属する「a1」が、「教材①」のグループで、各グループから来た「a」の仲間とグループ学習を行います。その後、「教材①」で学んだ内容について、原グループに戻ってグループの仲間に伝え合うという学習形態です。同様に「グループ1」に所属する「b1」が、「教材②」のグループで、というように五つの原グループのメンバーが、六つの教材のグループに分かれて学習した後、原グループに戻って学んできたことを伝え合うという学習法です。

ただし、この学習方法は、じっくりと思考する時間を設定するため、1単位時間で実践するには移動時間などを考えると時間的な制約があること、自分で 学ぶ教材以外の他の教材について十分な学習ができないという課題も考えられます。したがって、単元全体を見通して、このような課題に対処する視点を考慮し て活用すると効果的です。ジグソー学習で構想される“どの子にも活躍する場がある”という学習方法は、授業の基盤となるものです。

学級内にあって、人(子ども)が幸せを感じる視点は、四つあると言われます。
①「人(担任・級友)から愛されること」
②「人(担任・級友)からほめられること」 
③「人(担任・級友)から必要とされること」
④「人(担任・級友)の役に立つこと」

様々な学習方法は、あくまでも手法のひとつです。学級集団としての実態、個々の子どもたちの実態を踏まえ、子どもたちに即した学習形態を構想していくことが、今、まさに求められているのです。


『小一~小六教育技術』2014年4月号~2016年2/3月号連載「正襟危座--伝えたい--耳に痛いかもしれないけれど、教室で大切な基礎基本」より

★小学館『みんなの教育技術』Webサイトでは小学校の先生に役立つ情報を毎日発信中★ぜひお気に入り登録して最新記事をチェックしてください!
↓↓↓
『みんなの教育技術』トップへ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

関連する記事

『授業の工夫』の記事一覧

どの子も必ず跳べる! 楽しめる!「なわとび指導」ココがポイント!

寒さで教室に閉じこもりがちな冬こそ、積極的に外に出て体を動かし、体力アップを図りたいもの。二重跳びが跳べるようになるための指導のポイントや、クラスみんなでなわと…

三角定規で算数の問題を解く子ども
算数で小学生を惹きつける&自信を持たせる技20【♯三行教育技術】

「みんなの教育技術」をご覧いただいている先生方からTwitterで募集している♯三行教育技術(Twitterで【技の名前+3行程度の箇条書き説明】に ♯三行教育…

体育が苦手な子も楽しく!運動量も確保する技21【#三行教育技術】

「みんなの教育技術」をご覧いただいている先生方からTwitterで募集している♯三行教育技術(Twitterで【技の名前+3行程度の箇条書き説明】に ♯三行教育…

【教育技術小五小六2月号購入者特典】「外国語の授業レポート」動画(PR)

『教育技術 小五小六』2020年2月号本誌に掲載されている「外国語の授業レポート」特集と合わせて視聴するための授業動画です。本誌記事中に掲載されているパスワード…

作文、漢字、音読…うまい先生の国語技、23連発!【♯三行教育技術】

「みんなの教育技術」をご覧いただいている先生方からTwitterで募集している♯三行教育技術(【技の名前+3行程度の箇条書き説明】に ♯三行教育技術 のハッシュ…

今年度のうちに解決!小一担任の【勉強編】悩み解決室
小一担任の9つのモヤモヤにベテラン教師がスカッとお答え!【授業編】

「丁寧に」とはどの程度を目指すべきなのか? 授業中のトイレ問題への対応に正解はあるのか? 今年度のモヤモヤは今年度のうちにスカッと解決しちゃいましょう! 小学一…

2020/1/14

小学校 外国語
外国語の授業:担任が知っておきたい技12【♯三行教育技術】

「みんなの教育技術」をご覧いただいている先生方からTwitterで募集している♯三行教育技術(Twitterで【技の名前+3行程度の箇条書き説明】に ♯三行教育…

3年体育|表現運動「夢の世界へLet’s go!」【指導計画】

表現運動は、自己の心身を解き放して、イメージの世界に没入してなりきって踊ることが楽しい運動です。また、互いのよさを生かして友達と交流して踊る楽しさや喜びに触れる…

2020/1/12

先生方の疑問にお答え!小学3・4年『外国語活動』Q&A

2020年度からいよいよ学習指導要領が全面実施され、小三小四の外国語活動が週1コマ導入されます。外国語活動の授業づくりについて現場の先生方から出たさまざまな疑問…

小1体育|走の運動遊び【指導計画】

小学校1年生の1月の体育、走の運動遊びを紹介。走の運動遊びには、方向や距離などを変えたいろいろなコースを走る「かけっこ遊び」と、コースに段ボールや輪などを置いて…

2020/1/10

もっと見る