話合い活動をレベルアップ!

二学期になると、多くの場面で話合いをする機会が増えていくことでしょう。二学期は、話合い活動を通じて、合意形成をする経験を増やしていきましょう。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・江原和宏

イラストAC

合意形成の経験を積み重ねる

「話合い」と聞くと、学級全員での学級会をすることを想像してしまうのではないでしょうか。話合いの力を育むためには、単に全員で学級会をくり返せばよいわけではありません。

例えば、子供たちの学校生活を考えると、掃除や係、各教科場面などで何か決めたり、役割分担をするなど、日常生活の中には多くのことを決める機会がたくさんあります。

そう考えると、課題を解決するために意見を交わし、少人数での合意形成をする経験を子供たちは毎日のようにしてきているのです。教師が、朝の会や休憩の時間など、日頃から意識して少人数・短時間で話合いができる時間を確保し、継続することも学級全体の話合いの力につながる取組となります。こうした「ちょこっと相談タイム」を意図的に活用してみましょう。

話合いの工夫 〜+1を試してみよう〜

話合いをするときに少し工夫を入れるだけで、話合いが活性化します。学級の実態に応じて、取り入れてみましょう。

タブレット機器
自分の考えの根拠となる事実を示して話す。

話合いボード
グループに1台のホワイトボードを用意することで、話合いを可視化する。

アンケート調査
クラスの友達にアンケートをとり、集約したデータを基に新たな活動を考える。

他にも、子供たちの話合いをサポートする支援ツールはたくさんあります。これらは、子供たち自身のやる気や活動の質を高めることにつながる、話合い活動に欠かせないものです。

他教科との関連を図った指導でレベルアップ

話合い活動をレベルアップさせるためには、他教科との関連を図ることが大切です。国語科では、三年「はんで意見をまとめよう」や、四年「クラスみんなで決めるには」という単元があります。資質能力ベースでの関連した指導が効果的です。

他にも、体育科ならチームで作戦を考える活動、音楽科なら演奏によるグループ活動もあります。総合的な学習の時間の課題解決の場面でも生かせるでしょう。しかし、話合いの回数を重ねれば、スキルが向上するわけではありません。

教科の特性に応じて、子供たち自身が話し合うことのよさを実感し、自治的に話合いをしようとする態度を育てていくことが大切です。


子供たちの自治的な活動の裏側には、必ず、話合いを通じた温かい人間関係や友達の考えを認める学級風土があります。少人数と学級全体での話合い活動のバランスをとって、自治的な学級をめざしていきましょう。

イラスト/山本郁子

『教育技術 小三小四』2021年8/9月号より

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