5月の先生のお話|「緩み」に効く対話例

連載
学級経営を支える先生のおはなし|小四

愛知県公立小学校教諭

八神進祐

5月は生活・学習規律が緩みがちになります。今一度、4月からの取り組みを見直すとともに、さらなる浸透を目指しましょう。子供たちへの声かけの一例を3つのポイントを挙げて紹介します。

執筆/愛知県公立小学校教諭・八神進祐

学級経営を支える教師の話し言葉~小四・5月~のイメージイラスト

Point1 生活・学習規律を自己評価で確認する

今日から5月ですね。みなさんの4月からの頑張り、すばらしかったです。ここで一つ確認しましょう。係や当番のお仕事、学習の態度を10点満点で自己評価してください。

9点かなぁ。

6点かも…。

10点の人は少ないのではないでしょうか。
「係をいい加減にやってしまったなぁ」
「鉛筆を削ってなかったなぁ」
そんな子も多くいるのではないでしょうか。自己評価をすることによって、自分の身の回りについて、改めて見つめ直すよい機会になります。

Point2 「緩み」に気付かせ、今後の行動目標を考える

みなさんのそれは「緩み」といいます。誰でも緩みはあるものです。みなさんは今、そのことに気付きました。ここからどうするかが大事なのです。
さて、どうしましょう?

同じ係の子と協力して声をかけ合う!

お家に帰ったらまず鉛筆を削ります。

その目標、すばらしいです!

「緩み」には他にも以下のようなものが考えられます。

  • チャイム着席
  • 下敷きの敷き忘れ
  • 手洗い、うがい、ハンカチ、ちり紙
  • 早寝、早起き、朝ごはん

日々のほんのちょっとした緩みですが、この小さな緩みが積み重なり、やがて大きなトラブルを引き起こすことにもなりかねません。新学級がスタートして1か月たった今、子供たちと「緩み」について確認し合いしたいですね。

Point3 学級の仲間と「緩み」を乗り越える意識付けをする

「緩み」は強敵です。先生でも負けちゃいそうになります。でも、この学級には頼もしい仲間が30人もいます。この5月はみんなで「緩み」に勝ちましょう。

4月当初に決めた生活・学習規律が守れなくなってしまうのは、ある意味「自然なこと」です。そこを責めても仕方ありません。できなさや弱さを受け止め、成長への糧としていけたらいいですね。ここで、魔法の言葉を紹介します。それは、「大丈夫ですよ」です。

あっ!黒板係なのに消し忘れちゃった!

大丈夫ですよ!先生が消しておきました。〇〇さんも手伝ってくれました。

ありがとうございます!次は僕が〇〇さんや先生を助けます。

このように、お互いがサポートし合う学級に育っていくでしょう。長い目で、子供たちの成長に寄り添っていきたいものですね。

八神進祐先生
八神進祐先生

八神進祐(やがみしんすけ)●1988年、愛知県生まれ。愛知教育大学卒業。教育サークルMOVE代表。子どもたちの“ありのまま”を大切にした教育実践に取り組んでいる。
著書「今すぐ真似したくなる教室のひみつ道具図鑑」、教育論文入賞多数、第5回・第7回「全国授業の鉄人コンクール」優秀賞、フォレスタネットグランプリ初代MVP。
YouTubeでは小学館「みんなの教育技術」より、授業力アップ動画を、Twitterでは「だいじょーぶ先生」(@teacher16694123)としてアイデア溢れる教育実践を発信中。

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