次年度を前向きにする学級じまいの方法とは?【現場教師を悩ますもの】

「教師を支える会」を主宰する『現場教師の作戦参謀』こと諸富祥彦先生による連載です。教育現場の実状とともに、現場教師の悩みやつらさを解決するヒントを、実例に即しつつ語っていただきます。
目次
【今回の悩み】学級じまいにふさわしい学級活動を教えてください
コロナ禍で結局、今年度もいろいろ振り回された1年でした。1年間の振り返りの活動を学級活動でしたいと思うのですが、どのような方法がありますか?
学級じまいにふさわしい、グループワークの方法や活動などがあれば教えてください。来年こそ、楽しくて明るい学校生活になるよう、私も前向きに過ごしたいと思っています。
(小学4年生担任・30代女性、教員歴:15年)
思い出グッズを持ち寄ろう
「〇年生の思い出を語ろう」という活動がおすすめです。小学校3年生なら「3年生の思い出を語ろう」、6年生なら「小学校生活の思い出を語ろう」がいいですね。その時に使える2つの方法があります。構成的グループエンカウンターの手法を応用します。
1つは自分の思い出のグッズを持ってくることです。 今年1年の思い出のグッズでもいいし、先生自身の小学校時代の思い出のグッズがあればそれでもいいのです。教室に持ってきて「今年このクラスを担任して、1番の思い出はこれです」とアイテムを紹介します。子供たちが「あっ! あれだ~」とわきますよね。前もって子供たちにも「思い出グッズ」を持ってきてもらい、語り合うと盛り上がります。
4月に学級という1つの集団が始まり、3月に別れをする。それが1つのサイクルです。よいエンディングを迎えるための「イニシエーション(儀式)」的なイベントがあるのはよいことです。「出会いがあれば別れがある」ということを小さな節目として体験させるのも、人間形成上大きな意味があるからです。