小5らくらくUnit 1「Hello, friends.」③【モトヨシ先生のNEWスライドde外国語】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業
【モトヨシ先生のNEWスライドde外国語】タイトル

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のNEWスライドde外国語」。2024年度の教科書改訂に合わせて、パワーポイント教材をリニューアル。

今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 1「Hello, friends! ~自分の好きなもの・ことを伝え合おう」第3時(名前や好きなもの、誕生日についての英語を聞いて、だいたいの内容を理解しよう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ!

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学5年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit 1「Hello, friends. ~自分の好きなもの・ことを伝えよう~」全8時の3時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
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  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

単元目標
自分のことを話したり、友達のことをよく知るために、名前やつづり、好きなものなどについて、基本的な表現を用いて伝え合ったりすることができる。

○単元のゴール
自分の名前や好きなものを書いて名刺を作り、友達とやり取りをして名刺交換しよう。
○本時の目標
名前や好きなもの、誕生日についての英語を聞いて、だいたいの内容を理解しよう。

単元の評価規準(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・How do you spell your name? What sport do you like? とその答え方、関連語句などについて理解している。
〈技能〉
・名前やそのつづり、好きなものなどについてのやり取りを聞いて、話の内容を聞き取ることができる。
●思考・判断・表現
・友達のことをよく知るために、名前やそのつづり、好きなものなどについてのやり取りから、話の内容を聞き取っている。
●主体的に学習に取り組む態度
友達のことをよく知るために、名前やそのつづり、好きなものなどについてのやり取りから、話の内容を聞き取ろうとしている。

【話すこと】(やり取り)
●知識・技能
〈知識〉
・How do you spell your name? What sport do you like? とその答え方、関連語句などについて理解している。
〈技能〉
・名前やそのつづり、好きなものなどについてHow do you spell your name? What sport do you like? とその答え方、関連語句を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合うことができる。
●思考・判断・表現
・自分のことを話したり、友達のことをよく知ったりするために、名前やそのつづり、好きなものなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分のことを話したり、友達のことをよく知ったりするために、名前やそのつづり、好きなものなどについて、簡単な語句や学習した表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。

本時の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. ウォームアップの活動(ゴースト・ゲーム)
  3. 単元のゴール、本時のめあての確認
  4. Let’s Chant ①
  5. Small Talk
  6. インフォメーション・ギャップ(前半)
  7. 中間指導
  8. インフォメーション・ギャップ(後半)
  9. Sounds and Letters
  10. ふり返り

各活動の流れ

①挨拶

元気に明るく挨拶をして、How are you? How’s the weather? など、3、4年生で学習した内容の質問をしてみましょう。

②ウォームアップの活動(ゴースト・ゲーム)

1時、2時でも行ったゴースト・ゲームを行いましょう。活動のしかたは、第1時のスライドで確認してください。

ゴースト・ゲーム
パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

③単元のゴール、本時のめあての確認

本時のめあて
単元の流れ
パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

④Let’s Chant

教科名を英語で楽しく行える活動を紹介します。本時と次時で少しずつステップアップしていけるようにしてあります。教科名だけでなく、他の単元の単語を学習する際にも活用できるので、参考にしてみてください。

Let's Chant
パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

教師が英語で教科名を言ったら、児童は日本語で教科名を言う活動です。手拍子を2回入れると、リズムが生まれて、児童も楽しく発話することができます。

English パチパチ(手拍子2回)

English パチパチ(手拍子2回)

Japanese パチパチ(手拍子2回)

国語 パチパチ(手拍子2回)

このような形で進めていきましょう。

スピードを上げたりすることもできます。児童が難しいと思っている教科を意図的に多く扱うなどして、少しずつ教科名に慣れるようにしていきましょう。

活動の詳しい説明は、前教科書のUnit3-②「What do you want to study?」のこちらで確認してください。

Small Talk

本時の学習では、What ○○ do you like? を活用して友達にインタビュー活動を行うので、ペアでWhat sport do you like?、What subject do you like?What number do you like? などのやり取りをしましょう。

⑥インフォメーション・ギャップ(前半)

インフォメーション・ギャップは、小学校でも中学校でもよく行われる活動なので、すでに行っている先生方も多いかと思います。

1.児童は、カード(ワークシート)の一番左の列の中から、どのキャラクターになりきるかを決める。そのキャラクターに赤で○をする。

インフォメーション・ギャップカード
ワークシートは記事の最後でダウンロードできます

2.ペアになった友達とじゃんけんをする。勝ったほうが1つだけ質問する。
例:What color do you like? と質問して、友達が I like blue. と答えたとします。その場合、友達は Mr. Simon、Baby Simon、Simon Dog のいずれかということになります。

3.友達が何のキャラクターになっているか、Are you ~? を使って質問する。

4.友達がなりきっているキャラクターを当てることができたら、カードを友達からもらう。

5.挨拶をして別れ、別の友達とペアになって2からを繰り返す。

6.カードをたくさん集めた児童の勝ち。

私が行う場合は、じゃんけんで勝った児童のみ質問することができ、質問は1つまでと制限しています。2、3問質問をすると、友達がどのキャラクターになっているかが分かってしまいます。ちょっとしたゲーム性も取り入れて行うことで、楽しみながら活動することができます。

実施する前にALTとデモンストレーションを行い、何度か見せると児童も理解できるでしょう。パワーポイントでも説明できるように作成してあるので、活用してみてください。なお、カードがなくなった場合は、教師やALTからもらうように指示しましょう。

インフォメーション・ギャップカード

【ワークシート】
インフォメーション・ギャップカード1

(記事の最後でダウンロードできます。)
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⑦中間指導

中間指導では、上手に行っている児童同士や、ALTと児童で行ってみましょう。挙手をしてボランティアを募る場合は、実際に当てることができたら、教師の持っているカードを1枚与えるとよいでしょう。たくさんの児童が「やりたい!」と手を挙げてくれると思います。

また、この活動を行うと、単語のみで答える児童が必ず出てきます。あえてよくないデモンストレーションを見せ、児童に何がよくないのか発表させることもできます。その動画もスライドに入れてあるので、参考にしてみてください。同じようにALTとデモンストレーションして、よい例との違いを気付かせる機会にしましょう。

I like kangaroo.と I like kangaroos.の違い
パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

後半の活動に進む前に、ここで児童に I like dog.I like dogs. の違いに気付かせるように指導してみましょう。ほとんどの児童は I like cat.I like dog. と発話しています。そうすると「私は犬の肉を食べることが好きだ」という意味になってしまいます。児童の「気付き」を大切にしたい場面でも、説明的になりすぎないことが重要です。スライドで視覚情報を与えながら、ALTと協力して英語で指導することも可能です。

では、実際どのように指導していくかご紹介します。ALTに I like kangaroo.I like kangaroos. でリアクションをとってもらいます。

I like kangaroos.のリアクション
↑I like kangaroos.のリアクション
I like kangaroo.のリアクション
↑I like kangaroo.のリアクション

この段階では、児童は「え? なんで?」というような表情をしています。教師が2、3回同じように英文を言って、ALTがリアクションを繰り返しましょう。そうすると「ズって言っているよ」と気付く児童が出てきます。しかし、反応している児童がいるからといって、意味を理解しているわけではありません。そこで次は、意味理解を促す指導をパワーポイントのスライドを使って行います。見せるスライドはこちらになります。

I like kangaroos.
I like kangaroo.
パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

このスライドを見せながら教師は I like kangaroos.I like kangaroo. の英文を言うだけです。それだけで児童は意味を捉えます。日本語で「sが付くとね」などと説明する必要はありません。では、意味を理解できたか確かめるために、犬を例にしたスライドを表示します。

I like dogs.
パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

I like dogs. Dogs are very cute. I like dogs very much.

と言いながら、スライドをクリックしていきます。このとき、まず英文が先に表示され、次のクリックで絵が出るようにしています。このように、英文と絵は同時には提示しません。基本原則は、音声→文字→絵とするとよいでしょう。絵と英文を同時に見せてしまうと、絵から意味を捉えてしまうからです。音から入るというステップの積み重ねが大切です。授業では、意識して行っていきましょう。

I like dog. 文字のみ

I like dog. のスライドを見せます。犬のイラストがない状態です。

そしてクリック!

I like dog. 文字と絵
パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

教師が I like dog. と言いながらこのスライドを見せると、多くの児童が「えー」「だめでしょ」などと反応します。意味を理解したときの反応です。このやり方で十分に児童は理解します。使う表現は I like dog.I like dogs. そしてスライドとALTの演技で、日本語での説明的にならずに、簡単に意味を捉えさせることができます。ぜひチャレンジしてみてください。

⑧インフォメーション・ギャップ(後半)

後半の活動では、教師は児童の活動を見取ります。

この授業で言えば、児童が中間指導で気付いたことをアウトプットできているかをチェックしてみましょう。前半の活動と後半の活動で、児童の姿がどのように変容したか、もしくはしなかったか。児童の姿を見て、自己の指導をふり返る機会とすることができます。多くの児童に変容が見られれば、中間指導の効果があったと自分自身を称賛し、1つの成功例としましょう。逆に変容があまりなかった場合は、自己の指導方法の何がよくなかったのかをふり返ればよいのです。そのような真摯な取組の積み重ねで、授業の指導技術は必ず向上していきます。

インフォメーション・ギャップカード
ワークシートは記事の最後でダウンロードできます
インフォメーション・ギャップカード

【ワークシート】
インフォメーション・ギャップカード2

(記事の最後でダウンロードできます。)
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⑨Sounds and Letters(P16)

Sounds and Letters のページのアルファベットを書く練習です。この活動は授業の終わりの2、3分程度で積み重ねて行っていくとよいでしょう。本時はI、J、K、Lの4文字です。

Sounds and Letters
パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

⑩ふり返り

単元のゴールを設定したらCan-Doリストを作成してふり返りを行いましょう。本時の学習の感想を全体で共有しましょう。

CAN-DOふり返りカード

【ワークシート】
CAN-DOふり返りカード

(記事の最後でダウンロードできます。)
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居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。

本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。


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5年Unit1-3パワーポイント(67スライド)、ワークシート(2点)

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イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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