小3らくらくUnit 3「How many?」②【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】

ゆたかな言語活動を行うためにICTを活用した授業が求められる外国語活動。しかし、様々なツールや教材を切り替えながらでは、手惑う場面もしばしばでしょう。本好利彰先生がこれまでの授業で作成してきたパワーポイント（スライド）教材は、これひとつ、授業の導入から終末までモニターに映すだけで授業を組み立てられる”お助け教材”です。「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」で外国語活動の授業を、らくらくクオリティアップ！
今回は、Let’s Try! 1 Unit 3「How many? 数えてあそぼう」第２時のらくらく授業の進め方です。

執筆／福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修／拓殖大学准教授・居村啓子

スライドは学級の実態にあわせて修正して使いましょう

小学校３年生の「Let’s Try! 1」のUnit 3「How many? 数えてあそぼう」全４時の２時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント（スライド）を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。

パワーポイント（スライド）を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで１時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。

• クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
• デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

【目標】
20までの言い方を知ろう。
外国の数の数え方と日本の数の数え方の違いはあるかな。
〇日本と外国の数の数え方の違いから、多様な考え方があることに気付き、１から20 までの数の言い方や数の尋ね方に慣れ親しむ。（知識及び技能）
〇数について尋ねたり答えたりして伝え合う。（思考力、判断力、表現力等）
〇相手に伝わるように工夫しながら、数を尋ねたり答えたりしようとする。（学びに向かう力、人間性等）
【言語材料】
◎How many (apples)? (Ten) (apples).
〇数（1~20）、身の回りの物（ball, pencil, hat, school bag）、形（circle, triangle, cross, square）

1. 挨拶
2. 歌（セブンステップス、セブンステップス・リバース）
3. めあて
4. 数字の練習
5. 歌ten steps
6. Count to 20 game
7. 数かぞえ
8. デジタル教科書P12
9. ふりかえり

各活動の流れ

①挨拶

②歌（セブンステップス、セブンステップス・リバース）

・１つめ → ３と６の数字で手を叩く
・２つめ → ７から１まで逆に歌うリバース版

2種類のセブン・ステップスを元気に歌いましょう。

③めあて

④数字の練習

スライドを活用して、テンポよく進めるようにしましょう。

⑤歌ten steps

デジタル教科書にも収録されている歌です。20までの数字を覚えさせるにはお勧めの曲です。教師がリズムにのって歌ったり、両手で数を指で数えながら歌ったりすると児童も真似して歌っていました。ポイントは、歌えるところだけ歌ってみようと声をかけることです。回数を重ねるごとに少しずつ歌えるようになればよいと思います。朝の会や今月の歌にも取り入れてみてはいかがでしょうか。

⑥Count to 20 game

20までの言い方を英語で知ったところで、数字を活用したアクティビティーを行ってみましょう。20を言った方が勝ちというゲームです。

【ルール】
・１から順番に数字を言っていく。
・１度に言える数字は、１つか２つか３つ（４つ以上は言えない）。
　（例：A児 1 2 3→Ｂ児 4 5→Ｃ児 6 7 8‥‥）
・分からない数字は日本語でもよい
・20の数字を言った方が勝ち

まずはデモンストレーションをして児童の推察力を十分に働かせてみましょう。児童の思考を働かせ、どんな活動なのか、ルールなのか、まずはお手本を見てルールを確認していくとよいでしょう。

座席を移動させてくり返し行うと、児童同士のペアが毎回新しく替わるのでよいと思います。教師やALTは机間巡視をして個別指導にあたりましょう。

⑦数かぞえ

1時目にも行った活動です。２時目も、図形やアニメーションなどを使っていろいろなものを数える活動を、児童の集中力が持続するように作成してみました。

【△や□の数を数えましょう】
△や□を数えさせてみましょう。How many triangles? How many squares? と聞いて児童とやり取りしながら進めましょう。外枠も四角として捉えられる児童がいると、児童の活躍の場も設けることができます。外枠の中だけ数える児童、外枠の□も入れて数える児童、個別に答えを発表させ、「最後の□もう１つはどこ？」と教師が問うと、たくさんの児童が挙手する姿が見られると思います。他にも隠し絵やアニメーションを見ながら数を数えるスライドを準備してみました。どのスライドも大変盛り上がって取り組んでいました。

⑧デジタル教科書P12

この活動前に、振り返りワークシートをいつも授業の最後に配っている先生は、デジタル教科書を行う前に配っておきましょう。児童の気づきを振り返りに書かせてもよいでしょう。

指導書には……

●日本語を聞かせるときは、「４」「７」「９」の前でいったん止め、言い方を考えさせる。「４」は「し」「よん」、「７」は「しち」「なな」、「９」は「く」「きゅう」などと発音することに触れ、日本語にもさまざまな数え方があることに気付かせたい。

●数の言い方について気付いたことを児童に問う。音声を途中で止めるなどして、中国語や韓国語の「３」の言い方が日本語と似ていることなどに気付かせるとよい。

※指導書より

などが記載されています。このような気づきをしている児童を机間巡視をしながらメモしておき、全体で共有するとよいでしょう。また、数の数え方が国によって違うと気づく児童も多くいたので、そのような児童がいた場合も意図的に指名をしましょう。

⑨ふりかえり

本時の学習の様子を具体的な姿をあげながら称賛しましょう。

居村啓子（いむらけいこ）
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。

本好利彰（もとよしとしあき）
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。

パワーポイント（スライド）ダウンロード

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構成／浅原孝子　イラスト／畠山きょうこ 　アニメーション／鶴岡信治