小5国語「手塚治虫」指導アイデア

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教材名:「手塚治虫」東京書籍

指導事項:C [読むこと] カ
言語活動:イ

執筆/福岡県公立小学校教諭・麦田真理
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・城戸祥次

小5国語「手塚治虫」指導アイデアのイメージ画像
写真AC

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

目的に応じて、複数の本や文章などを選んで、比べて読む力を育成します。

②言語活動とその特徴

本単元は、「伝記を読み、自分の生き方を考えて読書感想文を書く」という言語活動を位置付けます。伝記は、実在した人物について書かれてあり、筆者が感動したその人物の生き方を読み手に伝えるために、その人となりが明確に表れている出来事を取り上げて構成されています。

そのため、筆者によって取り上げられる出来事や捉える視点が異なるという特徴があります。そこで、教材文とは異なる人物の伝記はもちろん、同じ人物で筆者の異なる伝記などについても紹介し、1冊の本だけでなく、複数の本を比べながら読むことができるように促します。

また、伝記を読んで読書感想文を書くためには、伝記に取り上げられている出来事から、その人物の生き方を読み取ることや、人物の生き方と自分の考えを比べながら読むことが必要です。

教材文「手塚治虫」から、手塚治虫の生き方を読み取る過程を学び、3つの観点(「出来事とそこから感じる生き方」「人物が感じたことや経験(自分との比較)」「これからの自分に生かしたいこと」)を読んでいくことで、読書感想文を書く際の手がかりとします。

単元の展開(9時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①伝記の読書経験を振り返り、「手塚治虫」や伝記を読むことへの関心を高め、学習課題とこれからの学習の流れをつかむ。

第二次(2~7時)

②「手塚治虫」を音読し、はじめの感想を交流する。

③「小学校時代の出来事」と治虫の考えや思いについて読む。
→アイデア1 主体的な学び

④⑤⑥「中学校時代の出来事」「医学専門部時代の出来事」「漫画家として活躍する時代の出来事」と治虫の考えや思いについて読む。

⑦「手塚治虫」の生き方について考え、短い言葉で表す。
→アイデア2 対話的な学び

第三次(8・9時)

⑧印象に残った伝記について、読書感想文を書く。
→アイデア3 深い学び

⑨書いたものを交流し、本単元の学習を振り返る。

アイデア1 伝記を読み取る過程を学ぶ

主体的な学び

伝記を読むときには、取り上げられた出来事が、その人物の考えや生き方をどのように表しているのかを考えながら読むことが大切です。そこで、次のような過程で伝記を読むようにして、主体的な学びを促します。

①作者が手塚治虫の生き方を表すために、どんな出来事が取り上げられているかを読んで、その文に線を引きます。
→行動・考え・残した言葉・周りの人との関わり・周りに与えた影響・生き方などを中心に。

②治虫にとっては、その出来事がどんな意味をもっていたか、治虫が大事に思っていたことはどんなことだと思うかなどを考え、付箋紙に書きます。

▼まんがなら、だれにも負けない

まんがならだれにも負けない
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の付箋出来事

母は、子ども向けのまんが本を、よく買ってきてくれた。(「まんがなら、だれにも負けない」より

「では、まんが家になりなさい。人間は、好きな道をまっすぐに進むのがよいのです」(「まんが家、手塚治虫の誕生」)より

その際、「小学校時代」の段落からだけで考えるのではなく、文章全体に書かれていることから考えるようにすると、より深く考えるヒントになります。

アイデア2 自分の考えを可視化し、話し合うための思考ツールの活用

対話的な学び

前時までに学んできたことを手がかりにして、手塚治虫の考えや生き方について自分が思ったことや感じたことを、一言で言い表すことを目指します。そのために、ピラミッド型の思考ツールを活用して、①→②→③の順に自分が強く感じたことにぴったり合う一言を導き出していきます。

▼ピラミッド型の思考ツール

ピラミッド型の思考ツール
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思考ツールには次の3つを記述させます。

①影響を与えた出来事や人物
②生き方・考え方
③「〇〇な人 手塚治虫」

それらを基にグループの友達と話し合い、手塚治虫の生き方について自分なりの考えを交流させ、短い言葉で表すことができるようにします。また、人柄や性格など人物を表すための語彙の例などを示しておき、考える際の手助けになるようにします。

▼手塚治虫について感じたこと

手塚治虫について感じたこと
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アイデア3 人物の考えや生き方についてより深く考える

深い学び

前時に話し合って導き出した自分の考えを、読書感想文に盛り込むようにします。その際、文章の構成の例を示し、作文用紙1枚程度の文章量に留めます。それは、教材文の感想だけでなく、最も自分の印象に残る伝記の感想文も書くためです。

①「始め」、②「中」については、これまで読み取ってきたことを盛り込みながらまとめます。③「終わり」については、感想を書くときの文例を提示し、自分と比べたり、これからの自分に生かしていきたいことを考えたりできるようにします。

181ページの「読書感想文を書こう」で取り上げられている3つの観点を確かめることで、感想の深まりがもてるようにします。

▼文章構成の例

①「始め」…「〇〇な人、~」
②「中」……出来事とそこから感じる生き方・人物が感じたことや経験
③「終わり」…自分と比べて・自分に生かしていきたいこと

▼感想を書くときの文例

感想を書くときの文例
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深い学びへ誘うヒント

3つの観点(「出来事とそこから感じる生き方」「人物が感じたことや経験(自分との比較)」「これからの自分に生かしたいこと」)にポイントをしぼって読み、友達と交流することで、読書感想文を書く際の手がかりとします。

『教育技術 小五小六』2019年12月号より

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