小1生活「みんな だいすきだよ」指導アイデア

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執筆/神奈川県公立小学校教諭・篠原紘子
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典、神奈川県公立小学校校長・二宮昭夫

写真AC

期待する子供の姿

知識及び技能の基礎

家庭での生活は互いに支え合っていることが分かる。

思考力、判断力、表現力等の基礎

家庭における家族のことや自分でできることなどについて考える。

学びに向かう力、人間性等

自分の役割を積極的に果たしたり、健康に気を付けて規則正しく生活したりしようとする。

子供の意識と指導の流れ (9時間)

こんな声や姿を学習につなげたいですね。

子供1「水が冷たいから手を洗うのがいやだな。 ぞうきんを洗うのも冷たいよね。」子供2「 手をちゃんと洗わないと、風邪をひいてしまうよ。」
先生「寒くなってきて、自分の生活が変わってきたかな。 みんなで学校生活を振り返ってみましょう。」

○学校の生活を振り返ろう(1時間)

●学校での自分の生活や役割を見つめる

一年生になってからできるようになったことはどんなことかな。また、しなくなったことや、やってみたいことはどんなことかな。

あんまり外で遊んでいないね

時間を守れるようになったよ。

目指したい子供の姿・気付き

前よりできるようになったことと、しなくなったことがあるね。

家だったらちゃんとできていることがあるよ。

○ 家での生活を振り返ろう(1時間)

●家庭での自分の生活や役割を見つめる

家ではどんなことをしているかな。してもらっていることはあるかな。

朝、起こしてもらっているよ。

家ではちゃんと手洗い、うがいをしているよ。

学校の準備を手伝ってもらっているよ。

玄関のくつ並べをしているよ。

目指したい子供の姿・気付き

洗濯物たたみは自分でできそうだな。お風呂掃除をしてみたいな。

してもらっていることでも、自分でできることがありそうだよ。

○家での自分の役割を見付けてやってみよう(5時間)

●家庭での自分の役割を見付ける(2時間)

家で自分ができることを見付けて、やってみよう。どんなことができるかな。

自分で早寝早起きができるように頑張るよ。

弟に自転車の乗り方を教えているから、これからも続けるよ。

学校で体育着をたたんでいるから、家でも洗濯物をたたむよ。

●家庭で実践したことを教え合ったり、見付けたりする(3時間)

目指したい子供の姿・気付き

自分で早寝早起きができるようになったよ。家の人も喜んでくれているよ。

お風呂掃除の仕方を友達に教えてもらって、上手にできるようになったよ。

今まで、家の人にいろいろなことをしてもらっていたんだね。

○これからも続けたいことや、やってみたいことを紹介しよう(2時間)

●できるようになったことをカードにまとめる(1時間)

●友達と紹介し合う(1時間)

できるようになったことを紹介し合って、これから続けたいことや、やってみたいことを探そう。

学校で読み聞かせをしてもらっているから、今度は自分で妹に読み聞かせをしたいです。

お風呂を隅まできれいに掃除したら、おじいちゃんに「気持ちいいお風呂だね」って言われてうれしかったから、これからも頑張ります。

目指したい子供の姿・気付き

自分でできることが増えてうれしいな。

自分ができることをすると、家の人が喜んでくれて、うれしかったよ。

これからも、できることを見付けてやってみるよ。

活動のポイント1 
導入を工夫して、学習の見通しをもつ。

子供にとって生活の基盤であり心のよりどころである家庭生活は、あまりに身近であるためにその大切さに思い至らないことが多いものです。そこで、まずは学校での自分の生活や役割を見つめ、その後、 家庭での自分の生活や役割を見つめる活動をすることで見通しがもてます。

そして、自分の生活や役割を板書例のように整理しておくと、子供が取り組みたいことを考える活動で見通しをもつことができます。

自分たちの生活をふりかえる授業の板書例
板書例
クリックすると別ウィンドウで開きます

〇自分の生活や役割を見つめる

子供1「給食を残さなくなったよ。(すごいね!)」子供2「 時間割の準備を自分でやってみようかな。(チャレンジ!)」子供3「 掃除で床を拭くときに、隅まで拭くようにしたい。(チャレンジ!)」

活動のポイント2 
気付きの質を高める

生活科は、身近な環境と直接関わる活動や体験の中で生まれる気付きを大切にします。この単元では、活動の場が家庭になる場面が多く、気付きの質を高めるためには、多様な活動を行ったり、伝え合いや交流する場を工夫するなどの手だてを講じたりすることが大切です。

〇多様な活動を通して気付きを促す

見つける

家庭での自分の役割を見つめる場面

教師の発問

○○さんが下校したときにお母さんが笑顔なのは、どうしてですか。

子どもの反応例

お母さんは、安全に帰ってきてくれたことがうれしいと言っていました。

「ただいま」と自分から言えたから、笑顔だったんだよ。

工夫する

自分のできることを増やす場面

教師の発問

玄関の掃除では、どうして靴を揃えて並べておくとよいのかな。

子どもの反応例

帰ってきたときに、靴が揃っていると気持ちがいいよね。

出かけるときに靴を履きやすいから揃えているんだ。

かかとを揃えるときれいだよ。

見通す

家庭での自分の役割を見付ける場面

教師の発問

食器洗いにチャレンジするのは、どうしてかな。

子どもの反応例

お父さんが、いつもみんなの食器を洗っていて大変そうだから、手伝ったらきっと喜んでくれるよ。

〇伝え合う交流の場を活用して、気付きの質を高める 

交流の場に具体的な物や写真・絵などを用意すると、交流が活発になり、気付きの質が高まります。

子供1「洗濯物の端と端を合わせると、きれいにたためると、おばあちゃんが言ってたよ。」子供2「洗濯物の端と端を合わせると形が揃うから、家の棚に入りやすくなるね。 」
先生「端を揃えると片付けやすいし、取り出しやすいんですね。素敵な工夫です。それぞれのお家にあったやり方をしていて、参考になりますね。」
子供1「毎朝、自分で起きられるようになって、お母さんにほめてもらったよ。」子供2「こうやって明日着る洋服を枕元に置いておくと、朝の支度がとても早くできるよ。」
先生「朝は、家族みんなが忙しいから、自分で起きられると お母さんも助かりますね。自分の洋服を前の日に準備しておくと、朝の時間に余裕が持てるのですね。」

活動のポイント3 
家庭との連携を大切にして学習を進める。

この単元は、家庭での活動が中心となる場合が多くなることが想定されるため、家庭との連携は欠かせません。家庭を取り巻く環境が時代とともに変化し、家族に関する考え方や価値観が多様化、複雑化しています。  

このような中で、子供たちが安心して学習活動に取り組むためにも、家庭の状況を十分に把握しておくこと、一人一人の子どもの実態を踏まえて学習活動を柔軟に展開することが大切です。そして、各家庭に事前に活動のねらいや内容をお知らせしておくことで、学習のねらいにせまる活動を充実させることができます。

〇懇談会
〇学年・学級通信

学級だより例

イラスト/熊アート、横井智美

『教育技術小一小二』2019年12月号より

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