小5国語「明日をつくるわたしたち」 指導アイデア

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教材名:「明日をつくるわたしたち」 光村図書

指導事項:A「話すこと・聞くこと」オ  言語活動:ウ
指導事項:B「書くこと」ウ  言語活動:ア

執筆/福岡県公立小学校指導教諭・副島康平
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・城戸祥次

小5国語「考えを明確にして話し合い、提案する文章を書こう」指導アイデアのイメージイラスト
イラストAC

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

収集した情報を関連付けて計画的に話し合う力と、身の回りの問題について調べたことを提案書として書く力を育成します。

②言語活動とその特徴

「それぞれの立場から考えを伝えるなどして話し合う活動」「事象を説明したり意見を述べたりするなど、考えたことや伝えたいことを書く活動」という言語活動を本単元には位置付けます。

提案書を「書く」ために「話し合う」という必然性のある言語活動で、子供の目的意識を明確にさせます。現代社会においては、誰もが日常的に様々な情報に触れています。

そういった情報の中には、子供にとって身近な問題も多く、それらについての興味・関心が高まる時期でもあります。また、この時期の子供は、社会や他者との関わりが広がり、いっそう協働的な活動ができるようになってきます。

他者との関わりや身の回りの問題に対する認識が深まるこの時期において、本教材は、子供が興味をもって話し合ったり書いたりすることが期待できます。

したがって、本単元で育成を図る資質・能力「収集した情報を関連付けて計画的に話し合う力」(A話すこと・聞くこと オ)と、身の回りの問題について調べたことを提案書として書く力」(B書くこと ウ)の育成にふさわしい言語活動であると考えます。

単元の展開(14時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①身の回りにある問題について話し合い、自らの考えを体験やこれまでの学習経験と結んで単元を設定し、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び

【単元】考えを明確にして話し合い、提案する文章を書こう

第二次(2~13時)

②③グループごとに問題に対して情報を収集し、各自がそれに対する考えをまとめる。

④グループで話し合い、提案することを決める。
→アイデア2 対話的な学び

⑤⑥決まった提案に合った資料を集め、提案内容や現状の問題点、解決方法について話し合う。

⑦⑧提案書の書き方を確かめ、構成を考えてメモを作る。必要に応じて再取材する。

⑨⑩⑪提案書として文章にまとめる。
→アイデア3 深い学び

⑫提案書を読み返して推敲する。

⑬清書をして提案書を仕上げる。

第三次(14時)

⑭考えを明確にして話し合ったり、説得力のある提案書を書いたりしたこれまでの学びを振り返って、本単元をまとめる。

アイデア1 価値ある問いを追究する単元の設定

主体的な学び

単元の導入ではまず、子供にとって身近な問題を話し合い、共有する活動を設定します。そして、これまで経験した「書くこと」の学習や、「書く価値」について想起する活動を通して「追究の見通し」をもつことができるようにします。

その際、子供たちから出された「素朴な問い」を吟味したり精選したりする活動を設定し、子供たちにとって、追究する「価値のある問い」を生起させ、「考えを明確にして話し合い、提案する文章を書こう」という単元を設定します。

「書く価値」についての話合い
・読む人がいつでも読める。
・何度も読める。ずっと残る。
・修正しながら活用できる。
・多くの人に同じ内容が伝わる。
・自分の考えがはっきりする。
・言葉をじっくり選んで工夫できる。

「身近な問題」についての話合い
・教室の物がすぐにいたむ。
・給食の残飯が多い。
・忘れ物が減らない。
・ごみがたくさん落ちている。
・外遊び用のボールが少ない。

素朴な問い

追究する問い
・私たちの身近な問題について、私たちはどのようなことができるのだろう。
・グループのみんなが納得できるように決めるには、どのように話し合えばよいのだろう。
・どのように書けば、私たちの伝えたいことが、説得力をもって伝わるのだろう。

【単元】考えを明確にして話し合い、提案する文章を書こう

アイデア2 計画的に話し合うグループでの協議

対話的な学び

ここでの「協議」とは、「話題に沿って考えや意見を出し合い、一つにまとめること」です。そのためには、話し合う目的やそれぞれの立場をはっきりさせ、計画的に話合いを進めることが肝要です。

また、「計画的」な話合いとは、時間を守って発言するだけではなく、話合いを「広げる」のか「まとめる」のかといった、話合いの方向を全員が共通理解しておくことも大切です。

グループで話合いを一つにまとめるためには、「賛成」「部分的に賛成」「(反対するのではなく)質問する」といった、互いの立場を明確にすることも重要です。

意見を伝える際には、なぜそう考えたのかがわかるように、調べてわかった「事実」と、事実を基にどのように考えたのかという、「理由」を併せて伝えるようにすることで、相手に自分の考えがより伝わりやすくなります。

▼グループでの協議図

グループでの協議図

このように計画的なグループでの協議は、「グループのみんなが納得できるように決めるには、どのように話し合えばよいのだろう」という問いの追究につながります。

アイデア3 言葉への見方や考え方を働かせる教師の関わり

深い学び

ここでは、「読む人に理解してもらえるように」「説得力が増すように」書くことができるよう、提案書を自分なりに工夫して書いたり、改善したりする活動を設定します。

書いたり推敲したりする行為は、言葉の意味や対象と言葉、言葉と言葉の関係を捉えたり問い直したりすることになります。そのことで、言葉に対する意識や気付きを高めることができます。

その際、教師は以下の発問や、子供の発言を関係付けることで、子供の気付きや考えの広がりを促し、深い学びへ誘います。

「防災訓練へ、地域の方の参加を呼びかける」ことや「地域の防災訓練へ私たちが参加すること」は、「地域と関わる機会を増やす」こととして、まとめて提案してはいけないのでしょうか。

「地域と関わる機会を増やす」だけでは、提案の内容がどんなことなのかが、わかりにくいです。それを聞いた人が、それぞれ違うことを思い浮かべることがあるからです。

なるほど。それは、相手がはっきりとわかるように形を示すことが大事だということですか。

そうです。提案を具体的にすることで、相手に提案のよさや自分の考えが伝わりやすくなると思います。

それに、くわしく提案されたほうがそのよさがはっきりわかるし、説得力があります。

みなさんが言っているのは、提案は「具体的」にすることで、説得力が増すということですね。みなさんの提案をより具体的に書くにはどうすればよいでしょうか。

深い学びへ誘うヒント

主体的・対話的な学びを通して深い学びを実現する「話すこと・聞くこと」「書くこと」の学習の場合、相手がより納得できるように話し合ったり書いたりするための「こつ」に、子供が気付くようにすることがポイントです。

イラスト/横井智美

『教育技術 小五小六』2019年10月号より

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