子供たちが習慣を身に付けられる「1週間の画用紙目標」【動画】
「もう何回も同じこと言ってるのに全然伝わらない!」「また同じこと聞くの!?」とお悩みの先生のために、同じことを何度も指導しなくても子供たちに習慣を身につけてもらえる簡単な方法について紹介します。
子供が忘れても、いつでも振り返られるようにしておくことがポイントです。家庭での習慣付けにも使える技を、教育技術本誌でおなじみのトモ先生こと髙橋朋彦先生がシェアします。
目次
なぜ習慣が身につかないの!?
生活している中で、「あ〜、それ、この前も言ったのにできていない!」、「また同じことを聞くの?」と悩んでいる方、いらっしゃいませんか? 私もそのうちの1人です!
今回は、同じことを何回も指導しなくても習慣が身に付くようになる方法を紹介します。
そもそも、なぜ同じことを何度も指導しなくてはいけないのでしょうか? それは、大人も子供も同じく、すぐに忘れてしまうからです。なので、忘れてもいつでも振り返られるようにしたのが「1週間の画用紙目標」です。
「1週間の画用紙目標」の作り方
- 短冊状に切った画用紙を用意する
- 身に付けさせたい習慣を、1枚につき1つ書く
- 黒板の端に貼る(黒板の左端が便利)
このように、習慣化したい目標を書いた短冊画用紙を貼っておくと、子供は意識的にそこを見て行動することができます。
指導する時は、この短冊画用紙を指差しながら、「この目標を意識しよう!」と声をかけます。すると、視覚情報と聴覚情報に訴えられるので、行動に移しやすくなります。
《参考》
トモ先生の視覚情報に訴える方法「新時代の授業術④テロップ効果編」 https://kyoiku.sho.jp/57557/
トモ先生の聴覚情報に訴える方法「新時代の授業術③効果音編」 https://kyoiku.sho.jp/57176/
「1週間の画用紙目標」の実践法
①始めの1週間
月曜日に「画用紙目標」を黒板に貼り、目標を意識しながら生活を始めます。私の経験では、1週間に3つくらいが、多過ぎず、少な過ぎず、ちょうどいいと思います。
この行動ができている子を見付けたら、この短冊画用紙を指しながら、
「お〜、〇〇君、この方法が身に付いているね! 先生、嬉しいな!」
と、ポジティブな声かけをしていくとよいです。
②1週間経過後の振り返り
1週間が経った月曜日に、
「ねぇねぇ、どう? この力、身に付いてきた?」
というように、子供たちと確認します。
身に付いてきたら画用紙を外し、身に付いていなかったら、
「じゃあ、次もこの目標でやっていこうか?」
と、子供たちと協議しながら、新たな1週間の目標を貼っていきます。
③時々、過去の目標を確認する
月曜日の振り返りで外した画用紙は、捨てずにとっておくと効果的です。時々、過去に目標とした習慣を見直し、一度身に付いた習慣ができなくなったら、
「ねぇ、みんな、この習慣ができなくなっているから、もう1回貼るね!」
と、子供たちと確認しながら、再び目標にして貼っていきます。
本物の習慣にしよう!
このようにして習慣が身に付いてきたら、この「1週間の画用紙目標」という実践自体をなくしてよいと思います。この画用紙目標に頼っているうちは、子供たちの力は付いていないことになるので、最終的には「画用紙目標をなくす」ということも、目標にしてもよいかもしれませんね!
いかがでしたか? 何度言っても忘れてしまう「身に付けてほしい習慣」があれば、この画用紙目標を使って、学校でも家庭でも実践してみませんか?
髙橋朋彦●1983年千葉県生まれ。第55回わたしの教育記録特別賞を受賞。教育サークル「スイッチオン」「バラスーシ研究会」に所属。共著に『授業の腕をあげるちょこっとスキル』『学級づくりに自信がもてるちょこっとスキル』(共に、明治図書出版)がある。算数と学級経営を中心に研究中。
Twitterアカウントは @tomotomoteacher https://twitter.com/tomotomoteacher
トモ先生のインスタ https://www.instagram.com/tomotomotea/
トモ先生のnote https://note.com/tomotomo777