小6算数「資料の調べ方〜代表値とは?」【動画】

連載
髙橋朋彦の「トモチャンネル」

千葉県公立小学校教諭

髙橋朋彦

【トモ先生の算数チャンネル】第8回

小学校の算数の授業づくりをお手伝いする『トモ先生の算数チャンネル』。今回は、6年生の「資料の調べ方」編です。新教科書で登場した「代表値」「平均値」「中央値」「最頻値」⋯大人でも難しいキーワード満載の単元をどのように教えていけばよいのか、トモ先生がわかりやすく解説します。

このシリーズでは、小学校高学年の算数を専門とする髙橋朋彦先生が、小ネタや道具に頼らずに、基本を大切にした質の高い授業づくりができるアイデアをお届けしていきます。

新しい言葉が増えて難しくなった「資料の調べ方」

6年生の「資料の調べ方」という単元は、教科書が変わる前にもありました。以前は、表に書いてある数字をドットプロットにまとめると棒グラフになる、という学習でした。その時はそれほど難しくなかったのですが、今回の教科書からとても難しくなってしまいました。

その理由が「代表値」です。

「代表値ってなに?」「知らない言葉が出てきた!」という感じです。

代表値だけではなく、中央値、最頻値など、新しい言葉のオンパレードです。難しい言葉がたくさん出てくるので子供だけではなく、大人も理解するのが難しい単元です。

今回は、これらの言葉をおさえながらどのように学習を進めたらいいかを皆さんと共有していきます。

新しい言葉のオンパレード!!

「代表値」ってなに!?

「代表値」が今回の単元のキーポイントになります。

代表値とは、「平均値」「中央値」「最頻値」の総称です。

この代表値という言葉自体を覚えなくても学習は進められますが、言葉として教えることも大切です。

平均値+中央値+最頻値=代表値

「平均値」とは?

次は、代表値の中の「平均値」です。

平均値とは、データの個々の値を合計し、データの個数でわった値です。

平均値は以前も学習しているので、あまり手こずることはありませんが、求めるのが難しいです。

なぜかというと、平均値を求めるには全部を足さなければなりませんが、この足し算が多くて大変なのです。なので、電卓を使ってもよいかな、と考えています。

私の授業では、子供たちの実態をみて電卓を使いながら学習を進めています。

子供たちの実態をみて電卓を使いながら学習を進めている

「最頻値」とは?

続いて中央値、といきたいところですが、これはかなり難しいので、先に「最頻値」の説明をします。

最頻値とは、データの中で最も多く現れている値です。

「最頻」という言葉が難しく感じさせるのですが、一番数の多いものを見つければいい、それだけです。

下の写真左側のグラフ(奇数のドットプロット)を見てみましょう。

2が最頻値

一番多いのはどこかと見た時に、ドットが5つある値『2』が一番多いので、「2が最頻値だ!」とわかります。

「難しく考え過ぎずに、一番多い数を探そうね」と授業を進めていきます。

難関!「中央値」とは?

さあ、ここで一番大変なのが「中央値」です。

中央値とは、データの大きさの順に並べた時の中央の値です。

⋯⋯難しい!!

これは言い換えると、「データの真ん中の値がどこにあるか?」ということです。

データの中央の値がどこにあるか!?ということ

データの数が奇数 or 偶数で難易度が変わる!!

左側のグラフを見てみると、データ(ドット)の数が全部で21(奇数)あります。この場合の真ん中の値というのは、1〜21の真ん中、つまり「11がどこにあるか」ということなのです。

ドットを一つずつ数えていくと11番目は値『3』にあるので、3が中央値になります。

このように、データの数が奇数の時はよいのですが、問題は偶数の時です。

どういうことかというと、右側のグラフのデータ(ドット)の数は20あり、20の半分は10です。では10が中央値かというと⋯⋯違うのです!!

1から数えて10番目は10ですが、20から逆に数えると10番目は11なのです。

実際に数えてみると、10は値『2』に、11は値『3』にあり、「あれ? 2と3の両方ある!!」ということになります。

なので、この場合は、『2』と『3』の間の2.5が中央値ということになります。これを見つけるのが難しいのです!

2と3の間の2.5が中央値

中央値は「両側から指を動かす」と教えよう!

中央値を計算で求めようとすると、奇数の時は半分の時の数字でいい、偶数の時は足して半分のところ⋯など、わけがわからなくなってしまいます。なので、私は指で数える方法をおすすめしています。

データの数が奇数の場合

まず、データの数が奇数の場合でやってみましょう。

小さい方からと、大きい方から、両手を使って同時に数えていきます。

両側から同時に数えていく

両側から一つずつ指を移動させていき、両方の指が重なった場所(この場合は『3』)が中央値です。

両方の指が重なった3が中央値

データの数が偶数の場合

続いて偶数の場合も同様に数えていきます。

すると、偶数では指が重なりません。

なので、両指の間(この場合は『2』と『3』の間=2.5)が中央値、と教えています。

偶数は指が(数字が)重ならない

こうすると、指を動かすという方法1つで中央値を探すことができます。

計算だといろいろなパターンを教えなければならないので、子供は覚えられません。

なので私は、指を動かして数えるのが有効だと感じています。

そして、子供が指を動かす方法に慣れてきたら計算で求める方法を教えても大丈夫かな?と思うところですが、実際には、計算で求める方法はほとんど子供に定着しませんでした。

経験上、「指を動かして中央値を探す方法」が、子供たちに定着しやすくてオススメです!!

指を動かすでけで中央値を探すことができる!

今回もみなさんの授業づくりのお役に立てれば嬉しいです!


6年生の算数は、ハイレベル! 言葉の示すデータの意味を大人もしっかり把握する必要があります。トモ先生の説明で新教科書に出てきた新しい言葉をおさえ、子供たちにわかりやすい授業づくりができるとよいですね。


6年生の算数は難しい! 教えて、トモ先生!!
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●Part2『対話的な学び』編 ⇒ 学習指導要領のポイント②『対話的な学び』のポイントは3つ!
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髙橋朋彦先生
撮影/田中麻衣

髙橋朋彦●1983年千葉県生まれ。第55回わたしの教育記録特別賞を受賞。教育サークル「スイッチオン」「バラスーシ研究会」に所属。共著に『授業の腕をあげるちょこっとスキル』『学級づくりに自信がもてるちょこっとスキル』(共に、明治図書出版)がある。算数と学級経営を中心に研究中。
Twitterアカウントは @tomotomoteacher  https://twitter.com/tomotomoteacher
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