小6国語「本は友達」指導アイデア

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教材名:「私と本」「森へ」他 光村図書

指導事項:C読むこと カ

執筆/新潟県公立小学校教諭・井上幸信
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、新潟県公立小学校教諭・井上幸信

小6国語「本は友達」指導アイデア

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

本単元は、いわゆる読書単元です。これまでどのような本を読んできたのか、今現在、自分はどのような本を好んでいるのかを振り返り、自分の読書傾向とは異なるジャンルの本を読むことにチャレンジします。

これまで読んできたものとは異なるジャンルの本を手に取り、読む経験をすることで、より豊かな読書生活を送ることができる基盤を育てます。

②言語活動とその特徴

本単元では、紀行文「森へ」を読みます。内容や巧みな表現の工夫はしっかりと押さえつつも、詳細に読むのではなく、文章の特徴を見いだすことを重視します。物語文のような語り口でありながら、説明文のように説明されるアラスカの雄大な自然の中での動植物の営みを読み取ります。

これまでに国語の学習を通して読んできた文章とは、異なる文種にふれることを皮切りに、様々なジャンルの本を多読し、お気に入りを見つけ、紹介し合う言語活動を通して、読み手としての幅を広げていくことを目指します。

単元の展開(5時間扱い)

主な学習活動

第一次(①時)
①「私と本」を読み、読書生活を振り返る。
・図書カードや図書館のパソコンに残っている貸出データ、読書の思い出などから、自分の読書傾向を探る。
・どのようなときに、どんな本を読んできたかを振り返る。
・これまで多く読んできたジャンルの、どのようなところが好きなのかを考える。
・好きな本を何冊かピックアップし、好きな理由を考える。
・よく読むジャンルとは違うジャンルの本を読み、お気に入りを一冊見つけることに取り組むという活動内容を知る。
→アイデア1

【学習課題】読書生活の幅を広げよう。

第二次(②~③時)
②「森へ」を読み、これまでに国語の授業で読んできた説明文や物語文などとの共通点・相違点を考える。
・説明文と似ていると思うところに『―――』を、物語文と似ていると思うところに『~~~』を引きながら読む。
・線を引いた部分を、ベン図を用いて整理する。
→アイデア2

③文種の多様性について知る。
・「森へ」は、「紀行文」に分類される文章であることを知り、教科書のような説明文、物語文以外の文章に興味をもつ。
・他にどのような文種があるのかを調べたり、司書の先生から教えてもらったりする。

第三次(④~⑤時)
④⑤図書館で、様々な文種の本を読む。
・教科書の説明文や物語文と異なる文種の本を読み、紹介し合う。
→アイデア3

アイデア1

「私と本」を読み、読書生活を振り返る

自分の読書生活を振り返ることで、学習活動に対する主体性をもたせていきます。最近読んだ本を思い出させる他、図書館の貸し出し履歴などを用意しておくと、自分の読書傾向を知る手がかりになります。

物語が好きな子、図解、図鑑などが好きな子、歴史ものが好きな子……、一人ひとりの読書の傾向は、比較的はっきりと見えるはずです。なぜ、そのジャンルが好きなのか、特に好きな本数冊を選んで「好きな理由」を考えさせることで、自分の読書の傾向、好みを自覚させていきます。

その後、好きな本やジャンル、好きな理由を発表し合う時間をとります。自分の読書傾向とは異なるジャンルを好む友達の話を聞くことで、これまであまり読まなかったジャンルの本を読んでみようという意識を高めていきます。

異世界を冒険する物語が好きです。登場人物と一緒に、現実と違う世界を冒険している気分が味わえて、わくわくするからです。

現実とは違う世界で、冒険する物語か。面白そうだな。僕も読んでみようかな。

アイデア2

「森へ」を読み、これまでに国語の授業で読んできた説明文や物語文などとの共通点・相違点を考える

教科書教材「森へ」を読み、説明文か物語文かを問います。物語文だという子が多くなると思いますが、これまでに読んできた物語文との違い、違和感を感じる子供もいるはずです。

そのような子の意見を取り上げ、説明文と似ているところに(―――)、物語文と似ているところに(~~~)の傍線を引いていきます。グループごとに、傍線を引いた表現をベン図に整理するなどして、学級全体の考えをするとよいでしょう。

ベン図

傍線を引いた表現を整理したベン図
クリックすると別ウィンドウで開きます

整理しても、「森へ」は、説明文とも物語文とも言い切れないはずです。そのように考えた子供たちに、文種は多様であることを示し、「森へ」は紀行文に当たること、これまでの授業の中で出合った以外にも、様々な種類の本や文章があることに目を向けさせていきます。

アイデア3

図書館で、様々な文種の本を読む

文種の多様性に興味を抱いた子供たちと、様々な文種の本とを出合わせていきます。分類番号を基に探す活動を展開しても、読書、図書館利用の深まりにつながりますが、読書そのものの時間を確保するために、司書さんや公立図書館の支援を受けてあらかじめ選書しておいてもよいでしょう。

どのようなジャンルの、どのような本を読んだかを紹介し合ったり、読んだ本を交換し合って読み、感想を交流したりする時間をとります。交流では「面白さ」「楽しさ」など、プラス要素を伝え合います。そうすることで、これまでとは異なる本を手にとる、より豊かな読書生活を送ろうという意識を高めます。

さくらももこさんの「もものかんづめ」を読みました。マンガ家さんだからマンガの文章版だと思ったら、さくらさんの実体験を書いたエッセイでした。さくらさんのエッセイをもっと読んでみたいです。

イラスト/畠山きょうこ 横井智美

『教育技術 小五小六』2019年6月号より

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