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小5社会「稲作の盛んな地域」指導アイデア

2020/5/23

執筆/埼玉県公立小学校教諭・堀祥子
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登

小5社会「稲作の盛んな地域」指導アイデア
写真/金川秀人

目標

生産量の変化、生産工程、人々の協力関係、技術の向上、稲作に関わる人々の工夫や努力を調べてまとめ、国民の食料を確保する重要な役割を果たしていることを理解するとともに、消費者や生産者の立場などから多角的に考え、これからの農業の発展について、自分の考えをまとめられるようにします。

学習の流れ(9時間扱い)

問題をつくる(2時間)

○家庭で食べている米の生産地、品種などを調べ、白地図にまとめる。
○米の収穫量や食味ランキングから山形県の庄内平野は、日本有数の米の生産地であることを調べ、学習問題をつくる。

〈学習問題〉
庄内平野で米づくりをしている人たちは、おいしい米をどのように生産し、消費者に届けているのだろう。

追究する(4時間)

○自然条件を生かした、米づくりの様子を調べる。
○米農家の人の工夫や、努力を調べる。
○地域と協力し、共同作業をしていることを調べる。
○生産性や、米の質を高めるための工夫があることを調べる。

まとめる(3時間)

○米づくりが盛んな庄内平野を通して、日本の米づくり農家の人々の工夫や努力を考え、学習問題について話し合う。
○米の生産量と消費量の変化や農業人口のグラフから、農家の抱える問題を読み取り、今後は安定供給ができるのかを考える。
○農家の抱える課題を、克服していこうとする取組を調べる。
○農家の方の話を聞き、生産者と消費者の立場から農業の発展を考える。

導入の工夫

まとめた白地図、米の収穫量ランキングから、山形県庄内平野が日本有数の米の産地であることに気付くようにします。

1時間目 

家庭で食べている米袋から生産地、品種などを調べ、白地図にまとめる。また、家庭でのアンケート結果より、消費者はどのような米を望んでいるのかを調べておく。

2時間目

2つの資料や既習を生かして学習問題をつくり、予想し、調べる計画を立てる。

前回まとめた白地図を見て、わかったことは何でしたか?

全国各地で米がつくられています。その中でも、北海道、新潟県、東北地方で多く生産されていることがわかりました。

平成29年米の収穫量ランキング
クリックすると別ウィンドウで開きます

おいしさを専門家が調べた食味ランキング(※)では、特Aを5年連続受賞しているお米があります。山形県の「つや姫」です。

山形県の米「つや姫」
※一般社団法人日本穀物検定協会調べ 平成30年

山形県が、効率よくたくさん収穫できているね。何か、米がよく育つ条件があるのかな? どのように育てているのか、何かヒミツがありそうだね。

うちの人へのアンケート結果でも、「安全でおいしいお米」が求められていました。

前の「低い土地のくらし」や「あたたかい土地のくらし」の学習から考えると、庄内平野の米づくりも、地形や気候の様子と関係しているのかな?

普段、スーパーマーケットや米屋さんで米を買っているけれど、どのようにして、僕たちのところまで届くのかな?

問題をつくる

2つの資料や既習(自然条件を生かして産業を営んでいること)を生かして学習問題をつくる。(2/9時間)

〈学習問題〉
庄内平野で米づくりをしている人たちは、おいしい米をどのように生産し、消費者に届けているのだろう。

まとめる

埼玉県産の米で、初めて食味ランキングの特A を獲得した「彩のきずな」をつくる農家の方の話を聞き、取組を調べ、生産者と消費者の立場から農業の発展を考えられるようにする。(9/9時間)

発展を考える工夫

生産者と消費者の立場から、学習した資料を使いながら根拠をもって、農業の発展を考えられるようにします。

農家の方の話を聞いた上で、生産者と消費者の両方の立場から、これからの農業について自分の考えを書きましょう。

米の生産者による教育普及活動

生産者
「米についてもっとよく知ってもらい、農業に関わる人や研究してくれる人、関心をもってくれる人が、これからも増えるように教育活動に力を入れていきます。」

最新の機械で米を生産する様子

生産者
「最新の機械を導入し、少ない人数で作業ができる農業を目指していきます。」

米を使った商品

生産者
「米の消費量が上がるように、米を使った商品の開発に協力していきます。」

矢印
米粉パン

消費者
「米の消費量を上げるために、米を使った商品を使うようにしていきます。」

農業体験

消費者
「自分が食べる米がどのようにつくられているのか、体験作業に参加していきます。」

単元づくりのポイント

ここでは、学習したことを基に、生産性や品質を高める工夫を消費者や生産者の立場に立って多角的に考え、これからの農業における食料生産の発展に向けて、自分の考えをまとめることができるように指導することが大切です。例えば、生産者の立場からは、農業法人の設立や低価格だけでなく、高品質なものや付加価値のあるものを生産する、六次産業化など新しい取組を取り上げることが考えられるでしょう。


イラスト/横井智美、栗原清

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