連休明けの再スタート! 5月病を防ぐ学級づくりと教師のセルフケア【学級経営1年間の見通しと毎月のアイデア#12】
ゴールデンウィークの長い休暇で、4月の新生活で張り詰めていた気持ちがゆるみ、無気力になったり、身体の調子が悪くなったりします。これがいわゆる5月病です。この時期は、子どもだけでなく先生も疲れが出やすく、学級が不安定になりがちです。
今回は、安心して連休明けの再スタートを切るためのヒントをお届けします。
先生の心と子どもたちの生活リズムを整えて、実りある学校生活へと舵を切っていきましょう。

執筆/環太平洋大学教授・内田仁志
目次
連休明けこそ、むしろ『ちゃんと休む』ことを考えよう
連休明け、なぜか気力が出なくなった。だるくて動きづらくなった。
そんなことを感じる方は、実はかなり多いです。そして、そこにはれっきとした根拠があります。
4月、新しい環境に慣れるために、心は常にストレスがかかった状態になります。
これによって交感神経が活発になり、そのときにはがんばることができるのですが、身体を休息モードにするための副交感神経の働きが鈍くなってしまうのです。このストレスの蓄積が、心身への影響として5月頃に出てきやすくなるのです。その影響とは、具体的には以下のようなものです。
体の不調
○眠れない ○疲れやすい、だるい ○食欲が出ない
気分の不調
○やる気が出ない(仕事に行きたくない) ○不安な感じがする ○気持ちが沈む ○焦る
もしもこれらの傾向が重く、実際に仕事を休んだり、不眠が続くようであれば、迷うことなく専門医に相談することをおすすめしますが、「私は大丈夫」と思っている皆さんも、ぜひこの機会に一度、ご自身の働き方を見直してみましょう。まだ先は長いのです!
がんばりすぎたからこそ、そろそろブレーキを踏んでみよう
5月はトップギアから1段下げて「中くらいのギア」で。連休明けは少しスピードを下げて周りを見るくらいの余裕がほしいものです。特に若手の先生ほど、がんばりすぎの反動に気づけず、疲れをためこみがちです。まずは自分の力加減に気づくことが大切です。
「ちゃんと休む」ことも大切なスキルです
では、具体的に、どのようにブレーキを踏めばいいのでしょう。
ぜひとも意識的にオンオフを切り替えて、過剰な仕事から自分を守ることを意識してみてください。
若手のみなさんは、いつも「何となく忙しい」という感覚をお持ちではないでしょうか。その感覚から脱却することが、がんばりすぎの反動を防ぐことになります。
①放課後の仕事は「今日、どうしてもしなければならないこと」に絞りましょう。
②仕事は持ち帰らないようにしましょう。
③帰宅後は自分の時間を作りましょう。
少しずつでもいいですから、仕事を仕分けして、優先順位付けを行っていきましょう。
例えば、仕事を持ち帰ることを一切やめます。そして、校門を出たら、仕事のことは一切忘れます。
家に帰ったら、趣味や好きなことをして楽しみます。
その代わり、翌日は少し早く出勤して、静かな朝の時間に仕事をします。
どうでしょうか? ほんの少しの工夫で、生活はガラッと変わるかも。そう思いませんか?
オンオフの切り替えを意識的に行って、「ちゃんと休む」ことも大切なスキルなのです。
「ちゃんと休む」スキルを発動させるために
「ちゃんと休む」スキルを発動させるために、有益な工夫が3つあります。これらもぜひ、意識して実行するようにしてみてください。
①7割できればOKの余裕をもとう
②ひとりで抱え込まないで、同僚先輩に相談しよう(早めの相談で解決も簡単になります)
③楽しい予定をひとつ作ろう

子どもの生活指導で、乱れた生活を『元に戻す』には
連休明けの子どもたちは、ほぼ確実に生活リズムが乱れています。睡眠時間が遅くなったり、朝、起きられなくなったり。ぜひ、以下のようなポイントに気をつけて、気持ちの切り替えをしてあげましょう。
1.子どもは、叱るより肯定するほうが動きやすいです
学校に来ても生気がない、忘れ物をする……。
今までできていたことができなくなると、つい「ちゃんとしなさい!」と言いたくなりますね。
しかし、ここは心を落ち着けて、乱れた生活をゆっくり元に戻す期間と考えましょう。
ポイントは子どもにプレッシャーをかけ過ぎないこと。
朝、子どものテンションが低かったら「朝は眠いよね」、給食の準備が遅くなっても「今日からまた学校のリズムに慣れていこうね」と、子どもの行動を受け止める言葉がけからスタートしましょう。
子どもは、責められるより肯定されるほうが動きやすくなります。
2.朝の導線をもう一度確認しよう
連休明けは4月に整えた朝の導線がどうしてもゆるみがちになります。ここで4月に整えた導線を再確認し、復習しましょう。
朝の流れ
①教室に入ったらロッカーにランドセルを入れよう
②提出物を決まったところに入れよう
③自分の席に着席しよう
④1時間目の準備をしよう
この流れを黒板に板書しておきます。4月にはできていたことですので、提示すれば、子どもたちはすぐに元に戻ります。もしすぐにできなくても焦ってはいけません。1週間くらいの時間をかけて、もとに戻していけばOKです。
3.授業の落ち着きは、約束の再確認で
授業中の約束も、連休中にリセットされがちです。
●席に着いてからもおしゃべりが止まらない
●人の話をよく聞かない
このようなゆるみが見られます。しかし、これらは授業中の約束をもう一度確認するだけで元に戻ります。それをみんなで再認識するためには、先生が時間を守ることが大前提です。特に開始時間は必ず守りましょう。
授業中の約束
①お話しする人の顔を見よう
②手は机の上に置こう
③お話をしっかり聞こう
④お話が終わってから質問しよう
この4つの型をもう一度確認し、「授業中の約束を守ろうね」というようにその都度、声掛けをしていきましょう。
4.休み時間と授業開始の切り替えは一言で
休み時間が終わってもなかなか子どもが教室に戻らない。席に着いても何となく落ち着かない……これ、4月に構築された切り替え習慣のスイッチがオフになっています。
ここでも新しい指導は必要ありません。休み時間になるときにたった一言「次の授業は○時○分から始めます」と言っておきます。そしてできた子をほめます。
この繰り返しで教室の空気が4月の状態に戻ってきます。やるべきことは習慣の再確認です!
