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【臨時休校 緊急寄稿】時短卒業式を準備しながら小六担任として今思うこと

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元・岩手県公立小学校教諭

古舘良純

臨時休校により、卒業式までの残りの日々で行うはずだったこと、用意してきたことが達成できず、辛い思いをしている6年生や先生も少なくないでしょう。そんな中でも、整理できない感情はそのままに、前例のない時短卒業式の準備をしている先生方がいます。今年度6年生を担任している岩手県公立小学校の古舘良純先生からの、緊急寄稿です。

執筆/岩手県公立小学校教諭・古舘良純

卒業式
写真AC

世間の空気と教室のギャップにとまどいながら

私の学校では、卒業式まで残り14日となった日、休校という判断が下されました。

教育委員会や校長会等での決定であり、それに対して何の反論もありません。

6年生を担任する身として、14日間でやりたかったことがあったのは事実です。この3月という期間が、子どもたちにより高い成長を促す期間であったことも事実です。

休校期間の過ごし方がどうなるのか、そもそも休校期間で事態が収束していくのか。卒業式だけではなく、入学式時期は大丈夫だろうか…など、悩みや不安をあげればキリがありません。

そんな中、私の勤務校では本来予定されていた卒業式を延期し、3月下旬に規模を縮小して行うという判断が下されました。主な決定事項は以下のとおりです。

  1. 期日を3月下旬に延期する。なお、それまでは休校とする(卒業生は前日が登校日になることも視野に入れる)。
  2. 卒業式は、学校職員と児童のみで行う。保護者や来賓は参加しない。
  3. 修了式、離任式、卒業式を同日開催とする。
  4. 祝賀会や送別会等は自粛する。(中止を求める)

この事実を子どもたちに伝えると、やはりショックを隠せないようでした。子どもたちにとっては受け入れ難い判断でした。

なぜなら、学級の全員が元気に出席していましたし、学年全体を見ても欠席は数名だったからです。また、インフルエンザも流行っていない学校状況で、コロナウイルスの影響は全くありませんでした。

休校の事実を知った子どもたちは、涙を流して給食を食べました。休みも教室の片隅でシクシク泣いている子がいました。掃除をしていても、帰りの会でも…。
(もちろん、最後だからこそ元気に遊ぼうという子もいました!)

はじめのうちは、「残っている勉強はどうするんですか?」「ドリルがまだ終わっていないんですけど…」「給食費は?」「漢字検定の結果は来ていませんか?」「宿題はありますか?」「卒業式練習はやらないんですか?」などの質問責めでした。

しかし、いよいよ事の深刻さを受け止め始めると、全てを悟ったかのように黙って荷物をまとめました。背中と両手が埋まるほどの大量の荷物でした。

感情は整理できなくても、思考と行動を整理した

そんな中で私が伝えたこと(質問に対しての答えも含めて)は次のようなことでした。

1、学習の課題は、今残っているドリル関係と家庭学習です。でも、先生は見てあげることもチェックしてあげることもできなくなります。この1年間やってきたように、自分で自分の力になるように取り組みなさい。

2、集金したお金や集めたものは、いずれきちんと戻ってくるはずです。PTAの親御さんをはじめ、大人がきちんと対応します。安心して待っていてください。

3、これから、世の中にはいろいろな情報が流れます。信じても信じすぎず、変に情報に踊らされず、まずは自分で自分の健康を管理することに全力を尽くしなさい。そして、延期された卒業式にまたみんなで元気に会えるようにしっかりと準備しておきなさい。

小学校生活1200日の最後がこのような形で閉じられることになるとは思ってもいないことだったでしょう。しかし、これは現実です。子どもたちは心の中で必死に整理して、整理しきれないまま下校しました。

最小限の練習でもできる卒業式の時短案

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