個人面談でさりげなくBGMを流すと生まれるメリットとは【音声つき】

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古舘良純の「つぶやききれなかったこと」
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岩手県公立小学校教諭

古舘良純

緊張しがちな場所でさりげなく音楽が流れていると、なんだか気持ちも落ち着きますよね。個人面談においては、静かなBGMは場を和ませることの他にも、さらにメリットを生むとのこと!

若手教師から絶大な支持を得ている古舘良純先生が、Twitterではつぶやききれなかった思いを語る音声つき連載をお届けします。

執筆/岩手県公立小学校教諭・古舘良純

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つぶやききれなかったポイント3つ

今回のツイートにも、つぶやききれなかったポイントが3つあります。

1 学校によってスタイルの違う個人面談

これまでいくつかの学校で働いてきましたが、学校によって面談のスタイルが少し違っているような印象があります。

例えば、初任校では主に、生活の様子をお伝えする機会が多かったように思います。学校として、生徒指導的な共通理解を図るために個人面談が位置付けられていたように感じていました。

また、別の学校では、「学習面」と「生活面」を半々で話すように指導を受けたことがありました。学校から家庭に伝える時間として個人面談が位置付けられ、割と一方的な側面が強かったように思います。

また、現在の学校では、面談の際に通知表を渡します。保護者が評定や所見に目を通し、子どもたちはそれを親が読んだ後で見ることになります。ですから、通知表の内容をお伝えしたり、その説明に時間を費やすことが多いため、保護者の方がどこに注目しているかによって話のウェイトの置き方を考えています。

このように、それぞれの学校によって、話す内容は違ってくると思います。場合によっては、厳しい話に発展する可能性があるかもしれません。だからこそ、どんな話になってもリラックスして話してほしいと考え、BGMを用意して空気を和ませるようにしています。

きっと、思っている以上に保護者の方々は緊張しているはずです。

2 曲のセレクトは毎年変えている

実は、私はオルゴールやピアノ曲のオムニバスアルバムが好きで、毎年1枚ずつ買ってきました。最近では、音楽サイトで試し聴きができ、オンライン決済でダウンロードできるので便利です。さらに、Bluetoothスピーカーに繋げば準備も簡単です(スマホを接続すると、電話や通知で音楽が止まることがあります。iPadなどで再生すると安心です)。

その際、なるべく保護者の方々が知っていそうな曲を選ぶようにしてきました。

私は現在39歳です。小学6年生を担任していますから、同年代の方々かやや上の保護者が多めです。その辺りの世代を意識して音楽を選ぶと、「先生、懐かしい曲を流していますね」と、アイスブレイク的に話し始めてくださる保護者の方もいました。笑顔で面談を始めるきっかけになるのです。

ちなみに、学年のフロア全体で流していた年もあります。その場合は、各学級の終わりの時刻がバラバラになるので、「最後の人が停止を押してくる」という約束でCDデッキを使って流していました。

「古舘先生が音楽を流していた」という事実が、周りの先生方にどう受け取られるかは分かりません。できるなら学年で一緒にやってみてもよいと思います。

3 個人面談を機械的に終わらせたくない

個人面談の一番の課題が「音漏れ」だと感じています。特に、盛り上がった話や内容は筒抜けになっている可能性があります。

基本的に、外で待っている保護者は一人だと考えてよいでしょう。雑談しながら待っているということは考えにくいはずですし、聞く気がなくても聞かせてしまうのは、こちら側の配慮の無さでしかありません。

エアコンがなかった時代の夏の面談は、窓もドアも開けっぱなしでした。聞こえるかもしれないと思いながら話をしていると、思い切った話に踏み込みにくくなり、機械的に成績や学校での様子を伝えるだけで終わることも無くはありませんでした。

もちろん、説明責任が果たせればそれでよいのでしょうが、保護者と話す数少ない機会ですから、一方的に話すだけではなく、保護者の悩みや願いに寄り添って真剣に話がしたいと考えています。

そうなると、どうしても声に力が入ってしまい、つい大きな声で話してしまうこともあるでしょう。だからこそ、BGMの力を借りて思い切り話せるようにしているのです。

また、熱く話し込んでしまうと、つい時間を忘れて話し続けてしまうこともあります。私は、割り切ってデジタル時計を机上に置き、「すみません、◯分くらいまででお願いします」と先に言うようにしていますが、時間配分の意味も込めて音楽の力を借り、2曲程度を目安にして面談を終了するようにしています。

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僕ならこうする『僕なラヂオ』〜先生のお話〜

古舘良純先生寄り
古舘良純先生

古舘良純(ふるだて・よしずみ)
岩手県久慈市出身、北海道教育大学函館校出身、菊池道場岩手支部代表、バラスーシ研究会所属、共著『授業の腕をあげるちょこっとスキル』(明治図書出版)、平成29年度千葉県教育弘済会教育実践研究論文にて最優秀賞を受賞

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