帰りの号令3ステップ【音声つき】

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古舘良純の「つぶやききれなかったこと」
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岩手県公立小学校教諭

古舘良純

若手教師から絶大な支持を得ている古舘良純先生が、Twitterではつぶやききれなかった思いを語る音声つき連載! 今回は、明日へのエネルギーを生み出す「帰りの号令3ステップ」についてです。

執筆/岩手県公立小学校教諭・古舘良純

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つぶやききれなかったポイント3つ

今回のツイートにも、つぶやききれなかったポイントが3つあります。

「勢い」と「一体感」をつくる

極端に考えると、今の学級との「お別れ」は必ず来ます。学級が解散する場合もあるでしょう。先生が異動になるケースも考えられます。また、卒業は小学校を巣立つ瞬間でもあります。

私は、いつも「最終日にどんなお別れがしたいか」を考えています。

もちろん、日々「声が小さいなあ」とか「元気がないなあ」と思うことはありますが、それも少しずつ成長させていきながら、最終日にどんなあいさつで子供たちを教室から見送りたいかを考えているのです。

しかし、たった数文字、数秒の「さようなら」のために多くの時間をかけるわけにもいきません。子供たちはもう帰る気満々なのですから。

だから「3ステップ」なのです。一発勝負の「さようなら」では難しいことも、助走をつけてから言えば勢いが出ます。そして、その勢いが教室の「一体感」を生み出します。

教室において、「スピード感」や「声」は学級の成長を見極めるポイントになると考えます。より成長させた状態で、最終日を迎えたいと考えているのです。

「自分らしさ」を発揮する

この3ステップの醍醐味は、「さようなら」の前に言う、1つ目、2つ目の「助走部分」の選択肢です。

選択肢は8種類。最後の選択肢は、オリジナル!

自分なりに選んで号令をかけることができます。また、オリジナルの言葉を考えて言うのも魅力的です。

子供たちは「ゲームはほどほどにしましょう!」や「帰ったらすぐに宿題をしましょう!」など、思わずクスッとなるようなせりふを言うようになります。教師が言えば説教くさくなるのに、クラスメイトの言葉になると、子供たちは不思議と受け入れてくれます。

教室では、「自分らしさ」が出せるようになるといいなと考えています。その子が何を考えていて、どんなことを教室に発信したいのか。この子がみんなに伝えたいことは何かを、子供たちに考えさせたいのです。

そして、周りの子も「そうだね」「確かにね」という共感の意味を込めて「はい!」と返事するのです。

このやりとりによって、教室内の関係性も豊かになっていきます。

「さようなら」は「また明日」

子供たちを下校させた後、いつも思います。「心にトゲが刺さったまま帰った子はいなかったかな」「家に帰って不満をもらすようなことはなかったかな」。

同時に、「明日また来たい!」「早く学校に行きたい!」と思える教室だったかなとも振り返ります。

下校のあいさつは、「その日の終わり」であると同時に「明日へのエネルギー」にもなると考えています。

多少嫌なことがあっても、納得できないことがあっても、教室の一体感や勢い、思わずクスッとなるせりふがあれば、吹き飛ばせることだってあると思うのです。そして、1日経ったら「まあいっか」と時間が解決してくれることもあります。

いかに「終わりを始まり」にできるかを考えて下校させているのです。


私が大切にしている言葉に、「出船の精神」というものがあります。いつでも靴のつま先は外に向けているということです。

「出船」というのは、かかとを室内に向け、つま先は屋外に向け直すことを言います。「外に出る際、靴を履きやすくしておく」と言えばわかりやすいでしょうか。

逆に「入船」とは、室内に入る際、靴のつま先を室内に向けたまま脱ぐことを言います。

つまり、「出船の精神」とは、「子供たちのつま先が学校に向いている」「子供たちが学校に来やすくなる」ということです。この出船の状況を帰りの挨拶で生み出したいのです。

「帰りの号令3ステップ」は、単にあいさつを元気にしようという表向きな理由が強く出ていますが、実は私にとっては子供たちの心を「出船の精神」にしていくための下校の挨拶なのです。

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古舘良純先生寄り
古舘良純先生

古舘良純(ふるだて・よしずみ)
岩手県久慈市出身、北海道教育大学函館校出身、菊池道場岩手支部代表、バラスーシ研究会所属、共著『授業の腕をあげるちょこっとスキル』(明治図書出版)、平成29年度千葉県教育弘済会教育実践研究論文にて最優秀賞を受賞

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