【相談募集中】「赤ちゃんってどうやってつくるの?」と聞かれたらどう答える?

子供に「赤ちゃんってどうやってつくるの?」と聞かれたら、どう答えたらいいのでしょうか。みん教相談室に寄せられた相談に、元公立小学校校長で学校法人八王子学園なかよし幼稚園園長・創価大学教育学部非常勤講師の清水弘美先生が答えてくれました。

目次
Q.赤ちゃんってどうやってつくるのと聞かれたら、どう答えたらいいのでしょうか。
子供に「赤ちゃんってどうやってつくるの?」と、聞かれました。どう答えたらいいのでしょうか。
(やまもっちゃん先生・30代女性)
A.性交の部分だけに注目せず、自分の体を知り大事にすること、他者を大切に扱うことなどをていねいに伝えましょう
命について伝えるのは、その子が何才かによって異なります。
日本は性教育に対して後ろ向きなので、正しい情報を学ぶことなく、友達や年長者から話を聞いたり、商業化している情報に触れたりして、いわゆる「エロ」から入るということがほとんどです。
これはとてもよくない状況です。
性は命の問題ですから、性交の部分だけに注目せずに、自分の体を知り大事にすること、他者の存在を大切に扱うことなどを、ていねいに扱わなければなりません。
きちんと「包括的な性教育」を学校で取り扱うことを進めます。
とはいえ、子供たちは5歳までに、生命の誕生について関心を持ち尋ねてきます。性交の仕方を知りたいのではなく、純粋に命のはじまりについて不思議に思うのです。
そのときは、こうのとりが連れてきたとか、橋の下から拾ってきたなど、いい加減な情報を伝えてはいけません。
幼児でしたら「お父さんから赤ちゃんの種をもらって、お母さんの赤ちゃんの種と合わせてお母さんのおなかの中で大事に育てたんだよ」と言えばたいていは納得します。
「どうやって、赤ちゃんの種をもらうの?」と聞く3年生もいました。そのときは昆虫や動物の交尾について触れます。小さい子でも交尾については見たり聞いたりしていますから、
「人間も次の命をつくるときは交尾をしてお父さんの種とお母さんの種を合わせるんだよ」
と伝えるのがよいでしょう。小さい子は絵本などからはいるのが良いです。
交尾について取り上げた絵本などを身近に置いておくのも性教育の環境になります。第二次性徴で初潮や精通について習う頃に医学的なことを伝えるのが良いのです。
学校で伝えるときに大切なのは、正しく学ぶ機会としてとらえるということです。
保護者にも性教育は「エロ」ではないことをきちんと説明してから、学校に専門家を呼ぶなど、性教育に取り組んでください。保護者もきちんと教育を受けていないのが普通ですから、一緒に学ぶなどするのもよいですね。
正しい性教育は、子供の幸せにつながっています。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。