0の字跳びが跳べるようになったら、どんな楽しみ方があるの? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #46】


長なわ跳びで8の字跳びのかぶり回しとむかえ回しが上手になると、「跳ぶ人数」「なわに入る方向」「出る方向」を変えて、様々な技を楽しむことができます。これまでに、ひょうたん跳び(→ブラッシュアップ体育授業#43参照)ひょうたん跳びダブル(→ブラッシュアップ体育授業#44参照)を紹介してきました。
今回は「跳ぶ人数」にアレンジを加え、既習の知識・技能を生かしながら、友だちと協力して楽しむことができる「0の字人数跳び」を紹介します。これまでに本連載で紹介してきた教材を経験した上で、中学年以降で取り組むと集団的達成感を味わえる教材です。
執筆/学校法人 明星学苑 明星小学校教諭
東京私立初等学校協会 体育研究部主任・風間啓介
監修/筑波大学附属小学校教諭
体育授業研鑽会代表
筑波学校体育研究会理事・平川 譲
目次
1.0の字2人跳びとは?
なわの回し方となわに入る方向は、0の字跳び(→ブラッシュアップ体育授業#14参照)と同じですが、跳ぶ人数が2人になります。正面からなわを追いかけるように入り、なわを跳んで抜けたら、列の最後尾に並ぶという動きを繰り返します。この0の字2人跳びでは、1グループを16人以上とします。16人未満では連続跳びを行う際に、自分の番がすぐに回ってきて間に合わなくなる可能性が高くなるからです。
単元導入時には、最初になわの回し方と跳ぶ人数だけを説明して活動に入ります。運動がなかなか成功しない時間があることで、子どもたちが困り感をもち、運動のポイントを考え始めます。

2.0の字2人跳びのポイント
⑴ なわに入るタイミング
0の字跳びは既習事項なので、運動の方法の理解は容易です。予想されるつまずきは、なわに入るタイミングです。特に一番初めのペアや、連続で入れずに間が空いた後のペアは、これを難しく感じます。活動を進めていくと、「イチ・ニ・の・サーン」などの声が子どもから自然と聞こえてくるようになります。このような姿が見られたら、この工夫を称賛し価値づけていきます。そうすることで、クラス全体に声をかけ合う雰囲気が生まれ、なわに入るタイミングもつかみやすくなります。
⑵ なわを跳ぶ位置
なわを跳ぶ位置は、なわ回しの2人を結んだ直線上です。走りながら跳ぶのではなく、いったん止まって両足で真上に跳んで同じ位置に着地します。自然にできている子をモデルとして、踏み切りと着地の位置に注目させ、跳躍の方法に気づかせます。そうすることで、子どもたちの跳び方が変わっていきます。
<図1>

⑶ 跳んだ後の戻り方
単元導入時、跳んだ後は図2のように左右に大きく分かれたり、図3のように手をつないだまま大回りをしたりします。どちらにしても大回りをしては間に合いません。このような時、運動観察を通して「早く戻るためにはどのように動けばよいか」というポイントを見つけさせます。
運動観察をする場合は、図4のように2つの動きを比べさせます。最短距離で戻る子どもと大きく回る教師の動きを比較させることで、戻り方のポイントを理解させることができます。
<図2>
<図3>
<図4>