小1算数「10までのかず」指導アイデア(8/9時)《きょうしつにあるいろいろなもののかずをしらべよう》
執筆/福岡教育大学附属久留米小学校教諭・廣木伸
編集委員/国立教育政策研究所教育課程調査官・笠井健一、福岡教育大学教授・清水紀宏
目次
本時のねらいと評価規準
(本時の位置 8/9)
本時のねらい
1から10 までの数のまとまりに着目し、身の回りにある数を数えられるようにする。
評価規準
身の回りにあるものを数えることに関心をもち、正確に数えることができる。(関心・意欲・態度、技能)
問題場面
きょうしつに ある いろいろな ものの かずが、いくつ あるのか しらべよう。

10までの数を学習したみんなに質問です。この教室に黒板消しは、いくつありますか。
4つだ、黒板に4つあるもん(みんなで数えて、確認する)。
ほんとだ。みんなは、教室にあるものの数を数えられるようになっていますね。 教室には、他にもいろいろなものがあります。他のものの数も数えることができるかな?
本時の学習のねらい
10 までのかずを、みつけよう。
見通し
・1から数える。
・順番に数える。
・1から10 までの数を使う。
どうすれば数えられるかな?
1から数えていくといいよ。
順番に数えるとわかります。
では、はじめは5までの数を見つけてみましょう。
自力解決の様子
A:つまずいている子
・何を数えるか選べず、数えることにとりかかれない。
・数え間違う。
B:素朴に解いている子
・あるものの数を、正確に数えることができている。
C:ねらい通りに解いている子
・いろいろなものの数を正確に数えたり、いろいろな数のものを探そうとしている。
自力解決と学び合いのポイント
教室の環境によりますが、数える対象が少ない場合は、意図的にいろいろなものを置いておくとよいでしょう。数えるものと数を記録するための用紙を準備し、まずは自由に数えさせましょう。何を数えるか選べない子供には、「ボールは、何個あるかな?」などと、数えるものを指定してもよいでしょう。前出の「自力解決の様子」でのBの子供には、他のものも数えるよう促しましょう。
ある程度数えたところで、何がいくつあったかを発表させ、板書していきます。「私は、違う数になりました」などと結果が一致しないときは、実物と数詞を対応させながら、数え直すことが大切です。

板書例
子供が数えた結果を発表させ、その結果を具体物の絵カードと数詞を並べて板書します。また、数の最後の数に記しを付け、それが個数を表すことを確かめます。
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
いろいろな数を見つけていますね。何がいくつあったか発表してもらい、みんなで数えて確かめてみましょう。
(みんなで具体物を数える)
みんな、いくつあるのかを正しく調べることができましたね。どうすると、正しく数えることができましたか。
1、2、3と順番に数えていくとよいです。
数え忘れないように、気をつけて数えていくとよいです。
(以下、本時のまとめをする)
本時のまとめ
1から順番に数えると、いくつあるのかがわかる。
評価問題
教室から、5より大きい数を見つけよう。
期待する子供の姿
5よりも大きい数であっても、具体物と数詞を1対1対応させながら、正確にものの個数を数えることができている。
子供の感想例
順番に1つひとつ数えていくと、間違えないで数えることができました。
自分の家にあるものの数も数えてみたいです。
教育課程調査官からのアドバイス
国立教育政策研究所 教育課程調査官・笠井健一
本単元は、第一学年の数と計算の最初の部分を担うもので、ものとものとを対応させて、ものの個数を比べる活動から始め、ものの個数を正しく数えたり、個数を数字で表したりすることができるようにしていきます。
「10 までのかず」は、身の回りのものの個数を数える学習です。こうした「身の回りから数を見いだす数学的活動」は、低学年で特に充実させる必要があります。友達との交流によって、教室の中にはいろいろな数のものがあることに気付かせましょう。
また、教室の中にとどまらず、「教室の外」「自分の家」のように、数を見いだす場面を広げることを促すことも大切です。
イラスト/佐藤雅枝 横井智美
『小一教育技術』2018年4月号より