小1算数「大きい かず」指導アイデア
執筆/東京都公立小学校主任教諭・渡辺五大
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、東京都公立小学校校長・長谷豊
目次
本時のねらいと評価規準(本時7/14時)
ねらい
数表から並び方の規則性を捉え、数の規則性や構成を説明することができる。
評価規準
位の数字に着目して、数表の数の並び方のきまりを考え、説明している。
もんだい
しかくに はいる すうじは なにかな。

数表がばらばらになってしまいました。しかも、虫に食われています。
たいへんです。
虫に食われて分からなくなってしまった数字はいくつでしょう。
上の●は 13 です。
真ん中の●は 22 です。
どうして、みんなは分かるのかな。
数が、順序よく並んでいるからです。
学習のねらい
かずの ならびかたには どんな きまりが あるかな。
見通し
どんなきまりがあるのかな。
左から右に、数が増えている。
上から下にも、数が……。
自力解決の様子
A 素朴に解いている子
答えは言えるが、わけが書けない。
B ねらい通りに解いている子
表を横に見ると、1ずつ増えていることに気付いている。
C ねらい通りに解いている子
表を縦に見ると、10ずつ数が増えていて、縦の列は一の位の数が同じになっている。
きまりが見付けられない子供には、11.12.●だけに着目させ、数の並び方を考えさせます。
次に、隣同士で自分の考えを説明し合い、それぞれの考え方の共有化を図り、全体で虫食いの数字の答えを「13」「22」と確かめます。
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
数字の並び方や大小に着目したときの気付きから、数表のどの数でもそれについて言えるかどうか、発表のなかで確かめていきます。
一の位が2の数に着目してみると、縦に見ることができ、10 ずつ大きくなるという並び方や、数の大きさに気付かせることができます。十の位が6の数についても、横に見ると1ずつ大きくなっているというように気付かせて、だんだんと自由な見方で数表を見させるようにします。
そこで確かになったことを「きまり」としてまとめていきましょう。デジタル教科書がある場合は、子供の発表に数表を使用すると、視覚的にも見付けた「きまり」の共通点が分かりやすくなります。
ノート例
どんなきまりが見付かったかな。
縦に見ると、数が10ずつ増えたり減ったりしています。
横に見ると、十の位の数が同じで、縦に見ると、一の位の数が同じです。
学習のまとめ
上の関連付けた共通点が、学習のまとめになります。ここで見付けたきまりをほかの場面でも使っていくことで、学んだことのよさを実感することができます。
評価問題には、バラバラになったほかの数表を提示し、「きまり」が使えるかどうかを確かめる機会をつくりましょう。
- 横に見ると、数が1ずつ増えています。
- 横に見ると、十の位の数が同じです。
- 縦に見ると、数が10 ずつ増えています。
- 縦に見ると、一の位の数が同じです。
評価問題
みつけた きまりを つかって、しかくに はいる すうじを あてよう。

子供に期待する解答の具体例
- 35 → ● → 55 だから、縦のきまりで、45 です。
- 45 → ● → 47 だから、横のきまりで、46 です。
- 36 → 46 → ● だから、縦のきまりで、56 です。
- 55 → ● → 57 だから、横のきまりで、56 です。
イラスト/横井智美
『教育技術 小一小二』2021年12/1月号より