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『ドラえもん』で授業を! 漫画を教材として活用しよう

2019/8/15

「漫画は、授業の教材として魅力がある」――そう語るのは、漫画を活用した授業実践で注目され、「ドラえもん名作選」の監修者でもある、早稲田大学系属早稲田実業学校初等部の岸圭介先生。漫画の教材として魅力や、授業展開の工夫について、お話をお聞きすることができたのでご紹介します。

岸圭介
早稲田大学系属 早稲田実業学校初等部教諭 岸 圭介さん

漫画『ドラえもん』は、学習のきっかけになる教育的教材

―新刊「学年別ドラえもん名作選」では、『ドラえもん』を教材に使った授業実践をもとに、3年生版の解説を執筆されました。本シリーズの教育的教材としての魅力は何ですか?

 「ドラえもん名作選」シリーズでは、各教科の学習のきっかけになる楽しいお話をセレクトして、学年ごとにまとめました。

1年生版にはコマ番号がふってあり、漫画を初めて読む子や慣れていない子でも安心です。『ドラえもん』は、多くの話がひみつ道具を起点に進み、オチが「ひみつ道具がうまくいくか、いかないか」というわかりやすい展開になっているため、話の流れがつかみやすいのも特徴です。

一般的な学習漫画は、学習の意図やテーマが設定されていますが、「学年別ドラえもん名作選」シリーズの強みは、漫画の中に既習事項との関連や学習を、自由に見出せることです。学年別になっていますが、1年生の本でも、学習のねらいと合えば、高学年でも使うことができるでしょう。

漫画は、単元の間の接続的な教材として利用する

―実際の授業では、どのような使い方ができますか?

 単元の間に、接続的な役割で漫画を使うと効果的です。例えば、「登場人物における心情の変化をつかむこと」がめあてであれば、物語教材の間に入れるのもよいでしょう。漫画は、主に絵やコマを用いた表現形式です。「物語」という大きな枠組みの中では、共通する要素も見られます。

いずれにせよ、日々の単元との接点をいかに見出すかがポイントです。国語科では「物語の枠組み」、社会科では「社会の出来事」など、普段の授業と漫画のストーリーの中に接点を見つけられると、授業で使いやすくなるはずです。

漫画を深く読み考えることで、感性や創造性を育む

―「漫画を読んで楽しかった」という感想で終わらないためには、どのような工夫が必要でしょうか?

岸 ともすると子どもたちは、ただ内容を知りたいばかりに、漫画を「流し読み」しがちです。しかし、漫画にも作者が意図して盛り込んだ様々な表現が隠されています。そうした細部に気づく力こそ、活字読書にもつながる育成するべき力です。

例えば、コマの順番を入れ換えたり、切り離したりして、書き手がその場所にどのような意味をもたせたのかを問い、考えさせます。より深く読まざるを得ない状況をつくることで、今までの自分の読み方を変えることにつながるでしょう。

このような学習は、授業者の「ねらい」が大切になるでしょう。例えば、最後のコマを空けてオチを当ててみようという活動では、「正確さ」を求めるのか、「想像力」を求めるのかという2つの方法が考えられます。正確さを求めるなら、学習のねらいは「論理性」となり、オチの根拠が必要です。想像力を求めるなら、ねらいは「感性や創造性」となり、自由に発表させます。評価をする場合も、ねらいに沿っているかどうかを基準にするとよいでしょう。

「学年別ドラえもん名作選」特設サイト


学年別ドラえもん名作選「ドラえもん一年生」~「ドラえもん六年生」

学年別ドラえもん名作選「ドラえもん一年生」「ドラえもん六年生」
著/藤子・F・不二雄
定価:750~800円+税/小学館

各学年向けに描かれた「ドラえもん」を厳選!
藤子・F・不二雄先生が読者の成長の段階に合わせて丁寧に表現してきた「ドラえもん」を、その本来の姿に戻した初の「学年別」ベストセレクション。各話に、どの授業でどのような教材として使えるかなどの解説があります。
●岸圭介先生が解説を執筆した「ドラえもん三年生」の試し読みはこちら

取材/大和信治、福原英信、辻千夏(EDUPEDIA)
撮影/北村瑞斗
まとめ/出浦文絵

『教育技術』2019年9月号より
●これと関連したインタビュー記事が「EDUPEDIA」でも配信されます。

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