いじめの未然防止~学級担任としてできること~

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いじめの未然防止をするためには、子供と学級担任、子供同士がよりよい関係を築き、温かい雰囲気の学級をつくっていくことが大切です。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・杉本竜太

いじめの未然防止~学級担任としてできること~

子供たちの実態を把握する

子供たちが安心して学校生活を送ることができるよう、学級担任は一人ひとりの実態をしっかりと把握することが大切です。例えば、クラスに下の絵のような様子が見られる子供はいませんか。

一人でいる子ども

その他にも……

  • 教室に入りたがらない。
  • 学習への意欲を急に失う。
  • 給食を食べ残すことが多くなる。
  • 視線を合わせない。
  • 遅刻・欠席が増える。

このような様子が見られる子供に対しては、担任が積極的に関わっていく必要があります。その学級担任との関わりのなかで、子供たちは「先生が自分のことを分かってくれている」という安心感をもって生活することができるようになります。

一人でいる子供と積極的にかかわる教師

また、学級担任が一人ひとりの子供を大切にすることが、子供たちが学級の友達を思いやる姿勢を育んでいきます。

分かりやすい授業づくり

子供たちが「分かる」「楽しい」と感じる授業づくりも、よりよい関係を築くために重要なことです。授業のなかで、子供たちの個性を生かした展開ができるとよいですね。

子供をほめる教師

また、子供たち同士も授業のなかで認め合いができるようになることが、子供たちの相互理解につながります。

子供たち同志が授業のなかで認め合う様子

授業のなかで、子供たちがよりよい関係を築いていくためには、授業中のルールを確認し、安心して授業に取り組むことができるようにすることが大切です。ルールには、次のようなことなどがあります。

授業中のルール

  •  話している人に体を向ける。
  •  自分の考えがあるときには、手を挙げて、名前を呼ばれてから話す。
  •  みんなのほうを向いて話す。
  •  友達の話を最後まで聞く。
  •  友達の意見に反応する(うなずく、同意する)。

集会活動

子供たちが自主的に取り組むことができる集会活動。その活動のなかで、同じグループの友達と協力したり、助け合って活動を進めたりすることが、子供たちの関係をよりよいものにしていくきっかけになります。

話し合う子供たち

準備をしていくなかで、子供たち同士が認め合うことができるよう、学級担任が一人ひとりの活動の様子を把握し、その都度称賛をしていきましょう。

称賛する教師

集会活動後にも、子供たちの活動を教師が価値付けることによって、子供たちは楽しく活動ができ、友達とがんばって準備をしてきてよかったなと感じることができます。また、学級のみんなと楽しい活動をしたいという思いが芽生え、次の活動への意欲につながっていきます。

子供たちの活動を価値づける教師

話合い活動

集会活動などを行う際に、学級全員で決めなければならないことが出てきたときに行う話合い活動。互いの意見を尊重し、話合いを進めることで、子供たち同士の関係を深めることができます。

話合い活動

日記指導

子供とつながり、一人ひとりの生活の様子を把握する手段として、日記指導があります。今、子供たちがどんなことに夢中になっているのか、家に帰ってからどんなことをしているのかなど、学校外の子供たちの様子を知り、児童理解をす ることも、いじめの未然防止をするために、学級担任としてできることの一つです。

イラスト/佐藤雅枝

『教育技術 小一小二』2021年1月号より

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