3密を避けた当番活動の工夫
3密(密閉、密集、密接)を避けるためには、どのように当番活動を進めていくのがよいか、各学校でも対策されていることと思います。大変さもありますが、「これはできない」「あれもだめ」と考えるより、「今だからこそできる」という発想で楽しみましょう。ここでもいくつかの活動を紹介します。学校や学年、学級の実態に合わせてみてください。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・木村綾子
目次
給食
全員が前を向いて食べるということは、どの子からも黒板が見えるということです。黒板を利用して、こんな取り組みはいかがでしょうか。
栄養献立
給食当番のなかに、「栄養献立係」をつくります。黒板を栄養の「赤」「黄」「緑」に区切り、給食で使っている食材が書かれている紙を貼っておきます(低学年は、イラストにしておくとさらに楽しさや分かりやすさが増します)。
全部の食材のマグネットを貼ったり、いくつか残しておいて、食事中にどの色のところに貼るかをクイズにしたりしてもよいでしょう。
その場合は、「○○だと思う人」という聞き方をして、子供は手を挙げて答えられるようにしましょう。
衛生面上、給食時間はチョークを使用することは避けます。係の子だけでなく、学級全員にしっかりと指導しておきましょう。
掃除
人数配置
学級人数にもよりますが、これまでの分担場所を学級全員で行うのは難しい場合もあります。ほうきなど清掃道具の共用や、一つのバケツで数人が雑巾を洗うことは難しいので、掃除当番を交替で行ったり、一人一役にしたり、掃除の方法を新しく考え直す必要があります。
当番でない子たちの過ごし方の約束は、学年・学校できちんと共有しておきましょう。
友達の掃除のしかたで上手にできていたところを見付けて、クラスで「おそうじ名人」をめざすこともできるでしょう。
やり方の工夫
- ビニールテープなどで分担場所を区切り、自分の担当の場所の掃除をする。
- ほうき時間をつくり、ほうき担当を輪番にして担当の子供だけが教室内に入り、清掃をする。 など
空気の入れ替えをしっかりと行うためにも、教室内を常に換気しておくことは大切です。
また、給食の前後や掃除の後の手洗いは、必ず行うように声をかけましょう。
当番活動だけに限りませんが、低学年でも、3密にならないように自分たちで考えた行動がとれるようにしていきたいものです。そのために、当番活動の新しいやり方を示すとともに、子供たちと一緒に考える時間をとっていくことが必要でしょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年9月号より