低学年の子供たちが楽しめる学級会づくりのポイント

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低学年の子供たちが、みんなで話し合って決めたことを実践する楽しさを実感できるような学級会にするポイントを紹介します。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・源 憲一

低学年の学級会のポイント

楽しさを実感できるように

学級のみんなと話し合って決めたことを学級のみんなで実践していくことは、子供たちにとってとても魅力的なものです。低学年ではこのことを実感することも、とても大切なポイントです。

低学年の学級会の指導では、何を話し合うのか、何を決めるのかについて、どの子も理解できることを意識しましょう。自分は今何について考えているのか、友達はなんのことを言っているのかをきちんと理解して話し合い、決まったことを実践します。

「みんなで話し合って決めたことを実践したら楽しかった」「学級会を開くと、こんなよいことがあるんだ」という楽しさを実感できるようにしましょう。

学級会の様子

学級会オリエンテーションをしよう

学級会とはどんなものか、何ができるのか、どんなことをするのかを低学年の子供に分かるように、オリエンテーションをしましょう。

「学級の歌の歌詞を決めよう」「学級の旗のデザインを決めよう」など、具体的な例を挙げてどんなことを話し合って決めるのかを伝えるのもよいでしょう。

学級会で話し合うことの例

  • 学級の合言葉(学級目標)づくり
  • 学級の歌の歌詞を決める
  • 学級の旗のデザインを決める
  • 雨の日に教室でする遊び  など

また、学級会には進め方や役割があることも教えます。いきなり司会や副司会の進め方マニュアルをつくる必要はありません。大まかな進め方の掲示物があれば十分です。はじめは教師が司会をして、大まかな進め方が分かるようにしましょう。

学級会の経験を積んだ頃に、黒板記録や発言者の指名などの役割を部分的に任せるようにしていくとよいでしょう。

学級会で話し合って決めることも大切ですが、実践することもとても大切です。「みんなで話し合って決めたことを実践すると、とても楽しいんだよ」ということを伝えておきましょう。

子供がその楽しさを実感するのは、まさに実践を通してということになりますが、「なぜ学級会をするのか」ということに触れておき、実践を通して、集団の一員としての見方や考え方を育てていきましょう。

歌う子どもたち

学級会グッズを作ろう

学級会のための環境づくりも大切です。学級会グッズがあることで「これから学級会だ」という雰囲気をつくることもできます。年度はじめにまとめて作っておくとよいでしょう。

黒板に貼るもの

黒板に貼るもの

司会グループグッズ

司会グループグッズ

考えを書く短冊

短冊

短冊は、ラミネートした画用紙やホワイトボードペーパーなどを用いると繰り返し使えます。短冊に考えを書いて、黒板に貼ったり、移動して配置を変えたりすると、何を話し合っているかが分かりやすくなります。

一年生の学級会では

入学してすぐの一年生も、幼稚園や保育園で話し合う経験をしています。小学校では、その経験を生かしつつ、少しずつ自分たちの力で話し合うことができるようにしていきましょう。

一年生の学級会では、「みんなで取り組むことはミニ学級会で相談」と意識しましょう。すぐに1時間の学級会を行わなければならないということではありません。学級会のオリエンテーションを基に、日常の生活や学習から生まれる問題や課題について、簡単に話し合う経験を多く積むことができるようにしましょう。

例えば、「今日の中休み、みんなでなんの遊びをするか決めよう」のように、話し合う内容によっては、45分間の学級会ではない話合い活動に取り組むのもよいでしょう。ミニ学級会を繰り返すことが大切です。

子「今日の遊びを決めよう!」

二年生の学級会では

二年生では、一年生の学級会の経験を生かします。一年生の学級会ではどんなことを話し合ってきたのか、子供たちの経験を知り、引き出すことから始めましょう。

そして、教師は、「自分たちの力で話し合って決めたことに取り組むことはとても楽しい」という経験を積むことができるようにしましょう。学級会そのものだけでなく、実践とふり返りをていねいに行い、次の活動へとつなげていくことが大切です。活動と活動をつないで、子供たちを育てていきましょう。

子「みんなで話し合って決めたクラスの旗だね」

「聞き合える」学級をつくろう
互いの話を聞き合える学級は、互いに言いたいことを言える学級です。日頃から教師が子供の話を共感的に受け止め、そのよさを見付け、学級のみんなに広めていくことが大切です。「自分のクラスは自分の意見も友達の意見もしっかり聞いてもらえる」と子供自身が思える学級にしたいですね。

イラスト/佐藤雅枝

『教育技術 小一小二』2020年6月号より

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