「ギャングエイジ」とは?【知っておきたい教育用語】

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9歳以降の小学校高学年の時期は、「ギャングエイジ(gang age)」ともいわれます。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期ですが、発達の個人差も顕著になります(9歳の壁・小4の壁)。集団の規則を理解し、集団活動に主体的に関与し、遊びなどでは自分たちで決まりをつくり、ルールを守るようになりますが、閉鎖的な子どもの仲間集団が発生するなどの課題があります。

執筆/文京学院大学名誉教授・小泉博明

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小学校高学年における発達段階の特徴

文部科学省は、ギャングエイジともいわれる小学校高学年における発達段階の特徴を次のようにまとめています。なお、ギャング(gang)とは、「仲間」を意味します。

9歳以降の小学校高学年の時期には、幼児期を離れ、物事をある程度対象化して認識することができるようになる。対象との間に、距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となる。自分のことも客観的にとらえるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。

また、集団の規則を理解して、集団活動に主体的に関与し、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るようになる。一方、この時期は、ギャングエイジとも言われ、閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し、付和雷同的な行動が見られる。

文部科学省(ウェブサイト)「子どもの徳育の充実に向けた在り方について(報告)〉3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題

このようにギャングエイジは、仲間意識が強まり、保護者や教師への一方的な依存関係から脱却した先にある、より対等で、かつ相互的な人間関係や自発的な組織構成を求めるようになります。なお、マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』や江戸川乱歩『少年探偵団』シリーズなどは、ギャングエイジの物語ともいわれています。

小学校高学年の時期における子どもの発達において重視すべき課題

現代の子どもは、インターネットを通じた疑似的・間接的な体験が多くなり、人やもの、自然に直接触れる体験活動の機会が減少しています。それゆえ、子どもがギャングエイジになれなくなっている場合もあります。

この点を踏まえて、ギャングエイジに重視すべき課題として、文部科学省は次の項目を挙げています。

●抽象的な思考への適応や他者の視点に対する理解
●自己肯定感の育成
●自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養
●集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成
●体験活動の実施など実社会への興味・関心を持つきっかけづくり

そして、このような課題の解決に向けて、一人一人の子どもの発達に応じた対応が求められます。

ギャングエイジの子どもに対する保護者の対応

ギャングエイジは、集団による権威への反抗という形で逸脱することもあり、保護者や教師にとって気がかりとなります。保護者は感情的にならないで、長い目で見守ることが必要です。親として思い通りにならない子どもとの関わりを学ぶことは、その後の反抗期をうまく乗り切るための準備となります。

学校において、学級崩壊のような状況になった場合は、問題行動を起こす子どもや保護者を批判してもほとんど問題解決とはなりません。担任だけではなく学年主任、管理職などと相談する場をつくり、学校全体で前向きに話し合い、解決することが望まれます。場合によっては、地域の人たちと話し合うこともあるでしょう。

▼参考資料
文部科学省(ウェブサイト)「子どもの徳育の充実に向けた在り方について(報告)〉3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題
All About(ウェブサイト)「ギャングエイジとは? 時期や特徴、反抗期への対応」2022年8月8日
コトバンク(ウェブサイト)「日本大百科全書(ニッポニカ)『ギャング・エイジ』の意味・わかりやすい解説

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