「ポジティブ行動支援」とは?【知っておきたい教育用語】
ポジティブ行動支援とは、その名の通り、ポジティブな行動をポジティブに支援することであり、様々なフィールドで用いられる枠組みです。今回は、学校教育分野におけるポジティブ行動支援について解説します。
執筆/「みんなの教育技術」用語解説プロジェクトチーム

目次
学校教育におけるポジティブ行動支援
【ポジティブ行動支援】
支援対象者のポジティブな行動をポジティブに支援するための枠組みのこと。もともとは、知的障がいや発達障がいのある方々を対象とした枠組みとして誕生し、学校教育や障がい福祉、家族支援などを主なフィールドとする。
ポジティブ行動支援は、「PBS(Positive Behavior Supportの略称)」とも呼ばれます。1990年代のアメリカにおいて、障がいのある方々の行動の問題に対する「罰的・嫌悪的な方法」に反対する運動を背景として生み出されました。現在では、広く学校教育にも適用され、子どもたちの行動支援へとつながっています。
学校教育におけるポジティブ行動支援は、子どもたちのポジティブな行動(その子にとって、よりよい生活や、価値が感じられる成果につながる行動)を教師がポジティブに(罰的な方法ではない、肯定的で教育的、かつ予防的な方法で)支援するというものです。
また、支援は当事者の子どもだけでなく、クラスメイトや保護者といった周囲の人々も対象とし、環境や状況に応じて持続的な成果を生み出すための仕組みづくりを目指します。
ポジティブ行動支援で用いられる応用行動分析学
ポジティブ行動支援は、応用行動分析学という科学的に理論化された学問を基に、行動の理由を明らかにしたうえで、その理由に基づいた支援計画を立てることが重視されます。
具体的に説明すると、子どもたちの行動のきっかけや状況を先行事象(Antecedence)と位置づけ、どうしてその行動(Behavior)をするのかという理由、その行動後に起こる結果(Consequence)を検証します。このプロセスは、それぞれの頭文字をとって「ABCフレーム」と呼ばれています。
A(先行事象)⇒行動をとるきっかけや状況
(例:「朝は元気なあいさつをしよう」と教師に呼びかけられる)
B(行動)⇒ポジティブな行動
(例:子どもが大きな声であいさつを行う)
C(結果)⇒ポジティブな行動が繰り返されやすくなる出来事
(例:教師に「元気で気持ちのよいあいさつだね」とほめられる
子どもが起こしたポジティブな行動を教師がほめたり、認めたりすることで、子どもはポジティブな行動を繰り返し、それが定着するようになります。裏を返せば、子どものポジティブな行動を引き出すためには、教師の声かけが何よりも重要であるということです。