失敗しない新学年スタート「1日目」の完全シナリオ《2時間目》

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始業式からはじまる新年度の学年開き「1日目」の具体的な流れと方法を、授業の流れに沿ってわかりやすく解説する連続記事の2回目《2時間目》です。初日から子供たちと良好な関係を築くコツ、効果的な進行の組み立て方など、すぐに実践できるテクニックが盛りだくさん。新任の先生はもちろん、ベテランの先生も、今年の新学期はこの記事を参考に、最高のスタートを目指しましょう!

執筆/埼玉県公立小学校教諭・紺野悟

photoAC

初日《1時間目》の振り返り

新学期の初日に私が「何を」「どの順番で」「どのように」取り組んでいるのかを具体的に紹介しています。前回の記事では《1時間目》の授業について、以下のように進めてきました。

・まずは、始業式!
・場所の確認
*これらが終わった後、教室に移動してから授業がスタートします。主なメニューは以下の通り。

では次《2時間目》に行きます!

前回記事はこちら!
失敗しない新学年スタート「1日目」の完全シナリオ《1時間目》 – 紺野悟

①アクティビティ:リレー体験(10分)

1時間目で諸々の作業が終わった後、いよいよ2時間目が始まります。ここですぐに先生の自己紹介を始めずに、少しだけアクティビティをしてから自己紹介へ進めます。

1.拍手リレー

【説明しながらスライド1提示】

スライド1

「ではこれから拍手リレーをします。拍手リレーって知っていますか? みんなで拍手をリレーのように繋げていく活動です。

まず教室の全員で拍手を繋げていきます。次に何秒でできるかタイムを測っていきます。ここにいる〇〇さんから始めて、最後は△△さんまで繋げていきます。質問はありますか? それでは始めます。よ〜いスタート!」

子供たちのやろうという気持ちの高まりと合わせて、先生も少しテンションを上げていきます。

2.挨拶リレー

【説明しながらスライド2を提示】

スライド2

「続いて、挨拶リレーをします。同じようにリレーをしていきます。目を見て、挨拶をしてくださいね。そして挨拶をするときは、お辞儀をしましょう。「お」をはっきり言うんですよ。すると、はっきり発音できます。こんな風に(と言ってモデルを示す)

はい、最後に先生が「4年1組」と言いますので、全員で「おはようございます」と言ってください。では、やってみましょう」

「4年1組!」

子供たち「おはようございます。」

*参考文献:杉渕鐵良『完全燃焼!奇跡の子どもたち4月編』(2011年、日本標準)

3.食べ物リレー

【説明しながらスライド3を提示】

スライド3

「はい、では次は食べ物リレーです! 手拍子でパンパン〇〇!のリズムで続けていきます。目を見て伝えてくださいね。

まずは好きな食べ物を言っていきます。もし「何を言ったらいいの?」と迷ったら、「白米」と言ってくださいね。お辞儀はしなくていいですよ。

そして最後は「4年1組」と先生が言いますので、「〇〇!」と自分が言った食べ物を言ってください。それでは始めます!」

以上3つのアクティビティは、学級の様子によって拍手リレーだけにすることもあります。まだまだ緊張感が感じられる時、拍手リレーで笑顔になっていなければ、後に回しても良いと判断することもあります。

先生紹介(10分)

先生ってどんな人?

【スライド4を提示】

スライド4

「さて、よ〜く見てください。意味わかりますか? Aペアと考えてみてください。

正解は、ひまわりなので、「ひ」のまわりに「こんのさとるです」と書かれています」

これは蜂谷太朗先生に教えていただきました。

先生ってこんな人!

【話に合わせてスライド5を提示】

スライド5

「先生の自己紹介をします。先生の名前、この学校で何年目か、これまで何年生を担任してきたかを説明します」

私の場合、実際の例はこんな感じです。

1:先生の名前は紺野悟です。
2:〇〇〇〇小学校に赴任してきて6年目です。
3:これまで45636、44534年生を担任してきました。今年は皆さんと2年連続の4年生です。
4:先生は社会、国語、体育が好きです。この中に体育が好きな人はいますか??
5:旅行が好きです。これまでに旅行に行った県は……。
6:好きな食べ物は……これ、読めますか? 漢字で書いたけど読める人!…… そう、「ぎょうざ」です。ではこれは?「うなぎ!」です。じゃあこれは?「みそしる」と読みます。

効き目を知ろう!(10分)

話は目で聞く

【スライド6提示】

スライド6

「さて、今みなさんが先生の目を見てくれたように、話は目で聞く! これが大切です。言ってみましょう。さんはい!」

「話は目で聞く!」

*参考文献〈P.20〉話は目で聞く/佐々木潤『一日一笑!教室に信頼・安心が生まれる魔法のネタ』(学事出版、2011年)

わさびは鼻に効く

【話に合わせてスライド7a,bを順番に提示】

スライド7a

「話は目で聞くけど、わさびは?(笑)そう、鼻に効きます。さんはい!

「わさびは鼻に効く!」

スライド7b

じゃあ、薬は? 風邪に効きます。さんはい!」

「薬は風邪に効く!」

そして『わからなければ、紺野に聞く!』なにかあったら聞いてくださいね」

友達には共通点を聞く

【スライド8提示】

スライド8

「続いてこれです。さんはい!

「友達には共通点を聞く!」

「ということで、友達に共通点を聞いてみましょう。Aペアと共通点を見つけてみましょう。みんな人間だとか、このクラス全員に共通することはダメです。先生が右手を挙げたら終わりです。先生の方に目を向けてください。それでは始めましょう」

拍手リレー2

【スライド1を再度提示】

スライド1

「もう一度拍手リレーをしましょう。さっきより何秒ぐらい時間を縮めることができそうですか?(子供たちに聞いてみる)では、5秒縮めてみましょう。じゃあ立ってやってみる? 全員起立!」

先生のこと聞いてみた(10分)

  【スライド9を提示】

スライド9

「はい、そしてもう一度『わからなければ、紺野に聞く!

これまで担任してくれた子供たちが描いてくれた先生の紹介です。どれが似ていますかね? そして、こんなことを言ってくれています」

・社会科がすきになりました!
・教室がとっても綺麗で心地よかったです。
・なんかパーマかけてる?
・ずっと掃除している!
・綺麗すぎなので、ゴミ落とさないように気をつけましょう。(笑)
・たまには、いじってあげたほうが先生の良さがわかりますよ。

などの子供たちの手紙を使って、紹介します。本来はここで実際の手紙を提示するのですが、名前が入っているのでここでは割愛します!

  【スライド10を提示】

スライド10

「たくさん笑って、たくさん考えて、ああ、あっという間だったな、と思える一年間にしたいです。4年1組、たのしく笑おうね!」

④振り返り(5分)

  【スライド11を提示】

スライド11

「2時間目もこれで終わりです。Aのペアと『もしもこの噂が本当なら、紺野先生はどんな人かな?』お話ししてみましょう。Bのペアと『どんな1年になりそうですか?』お話ししてみましょう。Cのペアと『拍手リレー、あとどれくらい縮められそうかな?』って話してみましょう。はい、ではこれで2時間目を終わります。(挨拶をして終了)」


いかがでしたでしょうか。このように2時間目では、1時間目よりも意図的に先生と子供たちとのやり取りを増やしていきます。すでに1時間目で作業を通して子供たちと関わっているからこそ、自然な形で先生の紹介が入っていきます。そしてクイズなどの活動を通して、ちょっとずつ学級を作り始めていきます。これらの活動を通して子供たちと少しだけ繋がり始め、子供たちの目が先生の方に向くようになってくれたら、この時間は成功です。

挨拶リレーを数回散りばめていますが、これを一緒に楽しんでいけるようなムードになれば、今後も何回もチャレンジすることで、喜びを子供たちと共有することができます。

次回は《3時間目》です。お楽しみに!(続く)


今回ご紹介した2時間目のパワーポイントのテンプレートを共有します。
画像やクラス名などを差し替えてお使いください!
↓↓↓


執筆者:紺野悟(こんの・さとる)
埼玉の教育サークル clover 代表。イベントを数多く企画・運営し、価値ある教育情報を拡散する教育界きってのインフルエンサー。共著『全単元・全時間の流れが一目でわかる!社会科 6 年 365 日の板書型指導案』(明治図書)他多数。

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