• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

通信簿を渡すときの言葉がけ、ちょっとした気遣いで変わります

2019/6/1

学級経営・特別活動を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、教育現場で見て気になったことについて、ズバリと切り込みます。

文・稲垣孝章(元・埼玉県東松山市立公立小学校校長)

どちらの方が印象に残る?

次の二つは、同じ内容のことを伝えています。しかし、その伝わり方はどうでしょうか。

「この問題は難しいけれど、あなたなら大丈夫」
「あなたなら大丈夫だけど、この問題は難しい」
 
①②ともに同じ内容のことを伝えていますが、言葉の遣い方の順序を入れ替えると、聞いている人には同じようには受け取れないようです。実は、後で言われた言葉の方が心に残りやすい(残存効果)ということがあるのです。

通信簿を渡す時の教師の言葉がけ、また保護者が家で通信簿を見た時に子どもに語りかける言葉がけ等、ちょっとした言葉の遣い方の順序を入れ替えてみると、子どもの受け止め方も変わってくるのです

通信簿を手渡す時は?

初任者研修中の新採用教員が学期末に通信簿を手渡している場面をみました。

子ども一人ひとりを順番に教卓に呼び、「○○さん、よくがんばったね」とひとこと言葉を添えて通信簿を手渡しています。さて、このことについて、どのように考えますか。

決して間違っているということではありません。しかし、望まれる手渡し方は、少し違います。

「通信簿の仕上げは言葉がけ」という名言があります。可能なら、教師のそばに一人ひとりの子どもを呼び、脇に座らせて、「今学期、どこをどのように頑張ったことがよかったのか、そして来学期には何を期待しているのか」等について具体的に言葉をかけることが求められます。その時間、他の子どもへの指示としては、読書や作文等が考えられますが、子どもから「担任 への通信簿」と題して手紙を書かせることも効果的です。

イラスト/熊アート

課題のある子の所見は?

「集中して授業に臨むことが課題です」「忘れ物が多く、…」と所見欄に書きたくなる子が存在するのが現状だと思います。

しかし、その子なりのよさを見取るという観点から、現実的には通信簿にこのような所見を書くことは望ましくありません。

例えば「集中して授業に臨む態度がみられるようになり、本来の力が…」「忘れ物を解消しようとする姿勢がみられるようになり、学習意欲も…」などと、課題を踏まえつつも成長の様子を記載していくようにすると、肯定的な所見になります。


『小一~小六教育技術』2014年4月号~2016年2/3月号連載「正襟危座--伝えたい--耳に痛いかもしれないけれど、教室で大切な基礎基本」より

★小学館『みんなの教育技術』Webサイトでは小学校の先生に役立つ情報を毎日発信中★ぜひお気に入り登録して最新記事をチェックしてください!
↓↓↓
『みんなの教育技術』トップへ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

関連する記事

『クラス運営のヒント』の記事一覧

新任教師必見!子どもの問題行動の予防と対応【♯三行教育技術】

新任教師の最初の壁の一つは、子どもの喧嘩やトラブルへの対応ではないでしょうか。予防するための指導から、起こってしまってからのフロー、教師も子どもも気持ちが楽にな…

発達心理学の専門家が教える 低学年の特性と伸ばし方

不安と期待でいっぱいの新学期。低学年の子供たちが、いきいきと学校生活を送るためには、教師が子供たちの特性をしっかりと把握することが大切です。発達心理学の専門家・…

面白い!元気が出る!突撃!となりの学級通信【♯三行教育技術】

学級通信、書く派の先生も、書かない派の先生も、他の先生がどのように学級通信のタイトルをつけているのか、のぞいてみませんか? クラスや先生のキャラクター、学級経営…

小学生が座ったまま行えるレクまとめ【新型コロナ対策】

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から子どもたちの密接な交流を避けながらも、学級内で楽しい雰囲気を作れる「自分の席に座ったままでも楽しめる」学級レクをまとめま…

ストレス
学校再開時の子どものストレスと受け止め方【新型コロナ対策】

地域差はあるものの、さまざまな形で小学校も学校再開となっています。子ども達が休校期間中に受けた不安やストレスと教師はどう向き合い対処していく必要があるのか、児童…

話合い活動「文殊の知恵」で自主性・協調性・寛容性を育む!

将来、社会で生きる力につなげたいという思いから生まれた特別活動「文殊の知恵」。学級会で折り合いをつける話合いを通して、自主的、実践的な子供の育成を目指します。平…

新学期の準備は大丈夫?チェックリストで確認しよう

新学期のスタートに向けて、計画的に準備を進めていきましょう! 頭の中で考えるだけでなく、やるべきことをリストアップしておけば、安心して新学期をスタートできますね…

スーパー保育士×小学校長対談「ポジティブな言葉と笑顔を教室にあふれさせよう」

新採教員であっても、子どもたちの前に笑顔で立つことと、一人一人をできるだけほめる努力をすることは可能です。「笑育」を掲げて実践を重ねる俵原正仁校長と、元保育士の…

最初の挨拶で保護者の信頼を勝ち取るには話題を2つに絞るべし

いよいよ新年度。若い先生が特に緊張してしまうのが、保護者への挨拶ではないでしょうか。伝えたい思いはたくさんあるのに、あれもこれも伝えようとして結局何も伝わらなか…

「気になる子は前列」をやめてみる!席替えの活用法

学校の先生をしていると悩むことの一つに「席替え」があるのではないでしょうか。毎月のように席替えをするクラスもあれば、学期に一回だけのクラスもあります。今年度は特…

もっと見る