ぬまっち流「学年末のふり返り」おすすめ活動アイデア|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

子供の自主性を引き出す、斬新でユニークな授業・実践に注目が集まるカリスマ教師「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生。
今回は 、1年間も終わりに近づいた学年末にお薦めの「ふり返りの活動」をアドバイス。1年間の自分の成長に気付かせ、来年度を迎えることが楽しみになるような活動を紹介していただきました。

目次
4月に撮影した自分の写真と、今の写真を比較させる
子供たちに1年間のふり返りをさせる時は、まずは1年前の自分と今の自分を視覚的に見比べさせる。
例えば、ボクのクラスでは、4月の始業式に一人ずつ写真を撮る。さらに三学期にも一人ひとり、全員分の写真を撮る。そして3月に1年間のふり返りをするときに、4月の写真と今の自分の写真を比べてみる。
たったこれだけのことだけれど、子供の成長は早く、パッと見て違いが分かるので、誰でも自分の成長に気付くことができる。
自分だけでなく、他者目線でもふり返り、成長を価値付けする
またボクから、「君は、最初はこんなふうだったけど、今はすごく成長したね」などと言って、以前と比べてよくなったところを取り上げ、価値付けしたりもする。
時には、昔の悪かったところと今の状態を比べて、以前の悪かったところを笑い話にしたりもする。なぜならそれは今がよくなっているから。今がよくなったということを認識させた上で、以前の自分と比較し、ふり返りをさせるのがポイントなんだ。
「人って変わるもんだよな。今はぜんぜん目立たなくなっているけど、4月の段階では君のことやんちゃだなと思っていた子がいっぱいいたと思うよ」などとボクが言うと、数名の子が手を挙げて「私も〇さんがなんか怖かったな。今は全然大丈夫だけど」と言ってくれたりする。
こんなふうに、今がよいことをちゃんと分かった上で、悪かった自分をふり返らせたりする。
ちょっとやり過ぎに思えるかもしれないけれど、大人でも「私、悪いことばっかりしてたんですよ」「私、成績が悪かったんですよ」って言う人がいるよね。なぜそんなことが言えるかと言えば、今は悪くないという自信があるはずなんだ。
つまり、今の自分に自信があるから、悪かった昔をふり返られるんじゃないかな。
だからまずはよくなったところ、できるようになった今を認めてから、「以前はできないことがあったんだね。でも努力してこんなに変わったよね」という話をすることは、その子に自信を与えることにもつながると思っている。
さらに、自分だけで自分をふり返るのではなく、誰かが価値付けしてあげることで、周りの人は自分のどんな点に注目し、認めてくれたのか、他者の視点に目を向けるきっかけにもなるだろう。