学びを自分ごと化し、自らやる子に育てるコツ

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沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」
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国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭

沼田晶弘

子供たちの自主性を引き出す斬新でユニークな実践が話題の「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生 。今回は「学びを自分ごと化し、自分からやる子に育てるにはどうしたらよいか」という質問に答えていただきました。

沼田晶弘先生

「自分ごと化」させれば意欲を引き出せる

自分からやる子に育てるにはどうしたらよいか。
学習に対して子供のやる気を引き出すにはどうしたらよいか。

これは、先生や保護者の方からよく寄せられる質問だ。

確かに先生が宿題を出したり、授業中に時間を設けて無理やり子供たちに学習に取り組ませたりすることで、ある程度学びを習慣化させることはできるかもしれない。

でも、意欲的に取り組んでいなければ、自分からやる子には育たないだろう。

なぜ意欲的になれないのかと言えば、その勉強をいまやらなければならない理由がよくわからないし、やっていても楽しくないからだ。

もし、教科書に書いていることが自分にとって大事だと感じたら、学びの効率はグッと上がるだろう。この学びが自分にって役立つと分かれば、勉強は楽しくなり、自ら学び続けられようになる

つまり意欲を引き出すためには、その学びを自分ごと化できるかどうかにかかっていると思う。

なぜ結婚式前のダイエットは成功しやすいのか

ただ、大人でも「自分ごと化」することは意外に難しいよね。

例えば、食事は栄養のバランスが大切ということは知っていても、独身で、太る心配もなく、病気になる心配もない、という時はあまり栄養バランスを考えず、ラーメンやパンばかり食べたり、偏ったメニューになってしまったりすることが多い。

でも、自分に子供ができると自然に栄養のバランスを考え料理を作るようになることもあるよね。

また病気になると、健康的な生活についてより真剣に考えるようになる。

つまり、「子供を育てる」「病気を治す」という目的があるから、バランスのよい食事や健康について自分ごと化し、自分でよく調べて深く学ぼうとするし、積極的に日々の生活に取り入れようとする

また、ダイエットが成功しないという人の場合、その主な原因は目的が曖昧だからだ。

でも、結婚式前のダイエットは成功しやすいと言われるよね。
結婚式前のダイエットが成功する理由は、結婚式で、より美しい姿をみんなにお披露目し、その姿を写真に残すという目的があるから。そのために必死で努力するし、我慢することも厭わない

ボクも最近太ってきたなと気になるけれど瘦せられない。ただし、数か月後にエクササイズ本の表紙に上半身裸姿で掲載されると決まったら、今から死ぬ気でトレーニングしてバキバキの体にするだろう(笑)。

学びの目的・ゴールを明確にすることが重要

つまり、自分ごと化させるためには、頑張る理由や目的がはっきりしていて、自分はこうなりたいとイメージさせることが重要

さらに、その目的に対する努力が、自分からやりたいと感じてやるのか、誰かにやらされているのかで、結果は全く違ってくる。

だから、子供たちが「面白そうだな」とか「もっと頑張りたいな」と思わせるようなゴールを与えることが大切

子供たちに見せるゴールは、本来の目的とは違う「アナザーゴール」でもOK。

本来の目的とは違うように見えても、まずは子供たちが面白そうだなと思うような「別のミッション」を与えてみる。それを自分ごと化して一生懸命取り組んでいるうちに、本来伸ばしたかった能力が身についているということもある。

やる気を継続させるためには、ゲーム化するのがポイント

ゴールはあまりにも遠いところに設定してしまうと、最初からあきらめてしまったり、途中で疲れて意欲を失ってしまったりすることもあるから、スモールステップで段階的に設定しよう。

すぐに達成しそうなアナザーゴールを追いかけていたら、気がついたらゴールをしていた、というのが理想だ。

そして、子供たちのやる気を継続的に引き出すためには、「課題」「報酬」「制限」の3つを意識し、ゲーム化させることがポイント。

ミッション(課題)を与え、それをクリアすると、どんな嬉しいことや楽しいことが待っているのかご褒美(報酬)を提示する。さらに、時間制限や守るべき条件(制限)を与えると、子供たちのやる気に火が付き夢中で取り組むようになる。

「子供たちがワクワクすることは何だろう」と考え、子供たちが学びを自分ごと化し目標達成に向けて楽しみながら取り組めるシステムを考えてみよう。

この連載は、今回をもって終了となります。お読みいただいた皆様、ありがとうございました。
今後も、沼田先生に聞きたいテーマなどありましたらぜひ編集部までお寄せください。

沼田晶弘先生
沼田晶弘先生

沼田晶弘(ぬまたあきひろ)●1975年東京都生まれ。国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院にて修士課程を修了。2006年から現職。著書に『板書で分かる世界一のクラスの作り方 ぬまっちの1年生奮闘記 』(中央公論新社)他。 沼田先生のオンラインサロンはこちら>> https://lounge.dmm.com/detail/2955/

取材・構成・文/出浦文絵

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