ぬまっち流「席替え」の決め方|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

連載
沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭

沼田晶弘

「ダンシング掃除」や「プロジェクト制」など、子供たちの自主性を引き出す斬新でユニークな実践が話題の「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生 。今回は「ぬまっち先生は、席替えをするときどのように決めていますか? 先生が決めるというやり方についてどう思いますか?」という質問に答えていただきました。

沼田晶弘先生

長い二学期こそ「席替え」を効果的に使いたい

席替えには、子供同士の関係のマンネリ化を防いだり、席をシャッフルして新鮮な気持ちで学習に向わせたりするなど、いろいろなメリットがある。

とくに長い二学期は、席替えを効果的に使い、学習環境に変化を与えてリフレッシュさせつつ、子供同士の交流を促したいもの。

しかし、席の決め方に悩んだり、より効果的な席替えの方法を模索したりしている先生も多いと思う。子供たちにとっても保護者にとっても席替えは大きな関心事だから、確かに悩ましい。

とはいえ、行事も多く多忙な二学期にはあまり席替えのために時間を取れないのも事実だ。

席は「クジ引き」で決める

ボクがこれまで採用してきた席替えの方法は、「クジ引き」。

クジ引きには誰の意図も入らないから、公平性が保たれるので不満が出ない。

それにクジ引きによる偶然性によって、担任が想像もしないような新たな子供同士の関係性が生まれたりすることもあるし、思わぬ成長が垣間見られたりすることもある。

クジ引きを作る際に工夫していたのは、クジの数をクラスの人数分+αで作ること。

例えば35人のクラスだったら、40個のクジを作る。

つまり5つくらいはずれのクジを用意しておく。もしはずれのクジを引いた子はもう一度クジを引くことができるのだけど、この時に、視力が悪いなど身体的な理由で前の席に座りたい子は余っている席で調整する。

クジなので、当然教師としては席を離したいと思う子同士が隣の席になってしまうこともある。そういう時は、日々注意を払いながら子供たちを見守るしかない。

でも経験上、たとえ席を離しても問題が起きる時は起きるし、あえて近い場所にいることで自然にトラブルが減っていくということもあるから面白い

「担任が席を決める」という方法について

「先生が決める」という方法もあるよね。

その場合、席が近くなるとトラブルが起きそうな子供同士は意図的に席を離したり、フォローが必要な子の近くにしっかり者の子の席を配置したりするなど、教師の意図を反映しやすいというメリットはあるだろう。

でもボクは、教師が本当にクラスの子供全員の人間関係を完璧に把握できているのか、というとそこにはちょっと懐疑的な見方をしているんだよね。

先入観や思い込みもあるかもしれないし、子供たちは日々成長し、その関係性も変化しているはずだ。

何よりも、先生が勝手に席を決めると納得がいかず不満を持つ子も出てくるし、そうした不満は必ず班活動やグループ活動にも影響してしまうと思う。学級崩壊も、こうした小さな不満が積み重なって起こることもある。

だから席が固定化されず、人間関係の流動性が確保されるのであれば、できるだけ子供の意思を尊重しつつ、教師の手がかからない方法を選ぶのが無難だと思っている。

クジ引きはゲーム感覚で盛り上がるし、リフレッシュにつながるので、長くマンネリ化しがちな二学期には取り入れてみるのもよいと思うよ。

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沼田晶弘先生
沼田晶弘先生

沼田晶弘(ぬまたあきひろ)●1975年東京都生まれ。国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院にて修士課程を修了。2006年から現職。著書に『板書で分かる世界一のクラスの作り方 ぬまっちの1年生奮闘記 』(中央公論新社)他。 沼田先生のオンラインサロンはこちら>> https://lounge.dmm.com/detail/2955/

取材・構成・文/出浦文絵 

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