小2国語/算数・コロナクライシスを乗り越える!脳を活性化する授業アイデア

特集
授業で使えるゲーム特集!かけ算「九九」を簡単に楽しく覚える

長引くコロナ禍により、クラスみんなでそろって学ぶ機会が減り、授業の遅れも気になる今年度。ここでは、脳を活性化する授業アイデアを紹介します。二学期前半までの復習を楽しく行いながら、後半にも役立つ工夫が満載です。

執筆/東京学芸大学附属小金井小学校教諭・富山正人

【小二国語・算数】コロナクライシスを乗り越える!とっておきの授業アイデア
写真AC

小二算数のとっておき授業アイデア

学習のポイント

二学期後半は、かけ算九九の総仕上げの時期です。まずは、数をまとまりで見る感覚が、しっかり身に付いているか確認しましょう。基本を押さえたうえで、ビンゴゲームなどを取り入れ、瞬時に計算できるようにしておきます。また、この時期に、楽しみながら文章問題にもどんどんチャレンジすることで、三年生のわり算で苦戦することも少なくなります。

かけ算九九「点の計算」

かけ算では、まず、点をまとまりとしてとらえることが大切です。例えば、左の図のような複雑な点の配列から、「3×2」「2×2」「7×2」「3×4」「2×4」など、点をまとまりとしてとらえる感覚を養いましょう。

かけ算九九「点の計算」
授業では黒板に点の配列を示し、24個の点をどのように分けて計算したか、子供たちに発表してもらいます。

かけ算九九「九九ビンゴ」

  1. 3×3マスのカードを用意。なんの段の九九を使ってビンゴをするかみんなで決めます。例えば5の段と決め、その答えを、3×3マスのカードに好きなように記入します。
  2. 先生が5の段の式をランダムに言います。
  3. 先生が5×5と言ったら、その答えに丸を付けます。先生が25と答えを言うので、正解なら塗りつぶします。縦・横・斜めのどれか一列が、早くそろった人が勝ちです。
かけ算九九「九九ビンゴ」

かけ算九九「新幹線の座り方」

  1. 先生が、「これからクラス21人(自分のクラスの人数)で、新幹線に乗って旅行に行きます」と、問題を出します。かけ算の文章問題も、実在の人物を思い浮かべながら、旅行気分で楽しく取り組むことが大切です。新幹線の座席は、2人掛けと3人掛けがあることに注目し、「必ず一人ぼっちが出ないように席を決めましょう」と、付け加えます。
  2. この問題では、答えは一つではなく数通り考えられますが、まずは先生が、「21は15と6だから……」というように解き方を一つ示します。
  3. その他の答えを、できた子供から発表してもらい、結果を黒板にまとめます。
  4. 自分のクラスの人数で座席を決められたら、隣のクラスも含めた数など、人数を変えて行います。20や30などの割りやすい数よりも、27や33などの割りにくい数のほうが難易度も上がります。「27は2×6=12と3×5=15」など、自然とかけ算を始めたり、「3、6、9、12……」など、自然に九九を唱えたりするような場面が、たくさん生まれるような数字を選ぶとよいでしょう。
「新幹線の座り方」

小二国語のとっておき授業アイデア

学習のポイント

算数でも文章問題が増えてくるこの時期は、文章を読み解く力を養いたいですね。そのためには、語彙力・漢字力・文章の構成力が重要です。日ごろから、それらを養うような学習を習慣付けましょう。楽しみながら語彙力を増やせる、自分だけの「言葉ノート作り」は、文章を書く際にもとても役立つのでおすすめです。

語彙力を付ける「言葉ノート作り」

「授業中に習った」「本に出てきた」など、気になった言葉とその意味を、その日のうちにノート( 10マスのリーダー付きのものがおすすめ)に書き留めます。見返すことで、文章を書く際にも大活躍します。

語彙力を付ける「言葉ノート作り」

漢字力を付ける「熟語作り」

漢字を覚える方法の一つとして、習った漢字を組み合わせ、「海」と「外」で「海外」などのように熟語作りに挑戦してみましょう。同じ漢字を何回も書いて練習するよりも、興味をもって覚えることができます。

また、漢字の学習のときは、辞書を常に机の上に置くようにしましょう。興味をもったらすぐに調べられる環境づくりも大切です。

作文力を付ける「身近な人に手紙を書こう!」

文章を書くことへのワクワク感をもつ

クラスみんながくじを引き、誰に手紙を書くかを決めます。くじを引いた子は、自分が誰に手紙を書くかを言ってはいけません。誰から手紙をもらうか分からないというワクワク感が、とてもよい刺激になります。

相手に伝えたいこと、相手のよい点を書く

先生は、子供たちに付箋を数枚配ります。
子供たちは、手紙を送る相手を思い浮かべ、付箋1枚につき一つ、相手のよいところ、相手に伝えてうれしいことなどを書き出します。

「はじめ・中・おわり」といった文のつながりを考えながら書く

この付箋は「はじめ」の部分に、この付箋は「おわり」の部分で伝えようなど、読み手に伝わりやすい順番を考え、付箋の場所を入れ替え終わったら、文章を書き始めます。文章のつながりが大切なので、書き出した付箋の内容を、無理に全部入れなくても大丈夫なことも伝えましょう。

文章を読み返し、間違いを正す

書き終わったら、文章を読み返し、間違いを正すように伝えます。送る相手を思い浮かべ、封筒を手作りしたり、折り紙の作品を作って入れたりしても楽しいですね。

作文力を付ける「身近な人に手紙を書こう!」

イラスト/浅羽ピピ

『教育技術 小一小二』2020年11月号より

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