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ゲーム要素を取り入れた九九アイディア指導【後編】

2019/9/22

かけ算九九を覚えるためには、何度も繰り返し唱えて練習するより他はありません。しかし、ただ単調に唱えるだけでは、子供にとって辛い苦行になってしまいます。後編では、目先をちょっと変えるだけで九九練習が楽しくなるアイディアを紹介します。楽しい活動が、子供の主体的な姿を生み出します。

執筆/富山県射水市公立小学校教諭・前田正秀

かけ算九九のイメージ

■ゲーム要素を取り入れた九九アイディア指導【前編】

九九修行の旅

〈やり方〉
①自分の席で5回九九を唱えて、ドアの前に移動する。
②ドアの前で5回九九を唱えて、廊下に移動する。
③廊下で5回唱えて・・・というように、移動しながら九九を唱えていく。

単に場所を移動しながら九九を唱えるだけなのですが、こうしたちょっとした目先の変化が子供には嬉しいようです。子供たちは夢中になって取り組みます。旅の途中に「先生の前で唱えてチェックする関門」を設けたり、「4×9→4×8→4×7・・・と下から唱える関門」を設けたりしても面白いでしょう。子供の実態に合わせていろいろな工夫を凝らすことができます。

九九相撲

九九相撲イメージ

〈やり方〉
①子供2人が向かい合う。
②行司(教師)が「はっけよい、のこった」のかけ声と共に、九九カードを見せる。
③早く答えた方が勝ち。

単に九九を素早く答える活動なのですが、「にぃしぃ、〇〇山~」「ひがぁしぃ、○○海~」「はっけよい」と、相撲っぽく演出するだけで、子供は盛り上がります。個人戦だけでなく、列ごとにチームをつくって団体戦を楽しむこともできます。ちなみに私は以前、授業参観で「大人vs子供」の対決をしたことがあります。子供も保護者も、すごく盛り上がりました。

九九ビンゴ

九九ビンゴのイメージ

〈やり方〉
①3×3マスのビンゴの枠をノートに書く。
②その日に学習した段の答えをマスに記入する。
③教師が式をランダムに読み上げる。
④子供が答えを言いながら、○を付けていく。
⑤縦か横か斜めの1列がそろえば、ビンゴ!

ビンゴをつくる際には「4の段のビンゴを20秒でつくりましょう」など、時間を制限するのもいいでしょう。9マス埋まらないと損をするので、子供たちは素早く書こうと必死になります。ビンゴをする際には、大きな声で答えを言いながら丸をつけさせます。声に出すことで、九九を覚えやすくなります。

九九パンパン

九九ぱんぱんで遊ぶこどもたち

〈やり方〉
①教師が九九の式を言う
②「せーの」で、子供が答えの数だけ手を叩く(十の位の数だけ拍手、一の位の数だけ机を叩く)。

例えば、7×8なら、答えが56なので、5回拍手をして、6回机を叩きます。クラス全員がぴったりそろうと気持ちいいものです。教室が何となくざわついた時に、このゲームをやると、ぐっと集中力が高まります。

九九表パズル

九九表パズル

〈やり方〉
①数字の書いていない九九の表の枠を用意する。
②九九表をパズルのようにばらばらに切ってピースを作る。
③数字の書いていない九九表の枠に、ピースを当てはめていく。

友達と一緒に遊べば「このピースは4ずつ増えてるから、4の段だ」など、楽しく対話しながら九九のきまりに目を向けていきます。

九九ぐるぐる

九九ぐるぐるイメージ

〈やり方〉
①九九を唱えながら、一の位の数を図のように順に線で結んでいく。例えば、4の段なら「4→8→2→6→0・・・」と結ぶ。
②素敵な模様ができ上がる。

素敵な形ができ上がると、子供から歓声があがります。九九の数の並びの美しさを実感することができるのです。全部の段を試すと「1と9の段、2と8の段、3と7の段、4と6の段は、同じ模様になる」というきまりが見つかります。九九の見方をちょっぴり変えて、「9の段は10進んで1戻る、8の段は10進んで2戻る」というふうに考えれば、同じ模様になる理由が分かります。

九九たんけん

九九たんけんイメージ

校内を探検して、九九で表して数えることができる場面を見つける活動です。掲示物の画鋲が4か所ずつ留めてあったり、水道の蛇口が六つずつ並んでいたりするのが見つかります。それらを九九を使って数えるのです。そのうちに、九九の範囲を越えるものも見つかります。例えば、縦に3個、横に14個並んだロッカーの数は、3×14となり、一見計算できないようにも見えます。しかし、これも、3×7+3×7と見れば、九九を使って求めることができます。

3×14は3×7を2回足せば求められる

教科書の世界を飛び出し、生活の場面を探検すれば、理想的に並んでいない物がいっぱいあります。それらを工夫して数える中で、かけ算を使える場面が拡張されていくのです。

チョコの数は?

一見かけ算で数えられなさそうな、菱形に並んだチョコレート

上図のような、一見かけ算を使えなさそうなチョコの数。しかし、提示の仕方を工夫すれば、子供は様々な数え方を工夫します。例えば、最初にちらっとだけ見せて「何個あった?」と尋ねます。そうすると、子供は素早く数えようとする中で、同じ数のかたまりに目を向けて、かけ算を使おうとしていきます。

菱形を斜めに見ると、かけ算できる配列が見つかる

例えば、端から、少しずつめくって提示します。そうすると、チョコが4個、3個、4個・・・と順番に見えていき、「7×4-3」といった発想が生まれます。例えば、チョコの色を、黒色と茶色のチョコにしておけば、「黒+茶色」で「4×4+3×3」という発想が生まれます。また、箱入りのチョコにすれば、チョコの入っていない所が強調され、「箱全体の数-食べた分」で「7×7-6×4」という発想が生まれます。

新幹線の乗り方は?

子供が大好きな新幹線。その座席は、上図のように2人がけと3人がけの席になっているタイプが多いです。実は、この座席にもかけ算が隠れています。みんなで旅行に行く時は、自分だけ一人ぼっちの席になったり、隣に知らない人が座ったりしたくないものです。そうならない座り方について考えていきます。

3人がけと2人がけがならぶ新幹線の席

例えば、25人で旅行に行くなら5人ずつ5列にすれば、うまく座ることができます。この座り方は「5×5」と、かけ算で表すことができます。座り方は、それだけではありません。中には、次の図のような座り方を思いつく子も出てくるでしょう。

大人数に対応しやすい新幹線の席

これらの座り方は、「3×3と2×8で25人」「3×7と2×2で25人」と表すことができます。さらに、25人ではなく、13人、17人など、他の人数ではどうでしょうか。調べてみると、どんな人数でも、必ずうまく座れる座り方が見つかります。

さすがは日本が世界に誇る新幹線。よく考えられた座席ですね。

イラスト/設樂みな子

『小二教育技術』2018年10月号より

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