小5社会「世界における我が国の国土」指導アイデア

特集
【文部科学省教科調査官監修】1人1台端末時代の教科指導ヒントとアイデア
タイトル 小5社会「世界における我が国の国土」

執筆/北海道教育大学附属札幌小学校教諭・河原秀樹
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、北海道札幌市立山鼻小学校校長・佐野浩志

小五社会年間指導計画

目標

我が国の国土の様子について、世界の大陸と主な海洋、主な国の位置、海洋に囲まれて多数の島からなる国土の構成などに着目して、地図帳や地球儀、各種の資料で調べてまとめ、我が国の国土の様子を捉え、その特色を考え、表現することを通して、世界の中における我が国の国土の位置、国土の構成、領土の範囲などをおおまかに理解できるようにするとともに、主体的に学習問題を追究・解決しようとする態度を養う。

評価規準

知識・技能

①世界の大陸と主な海洋、主な国の位置、海洋に囲まれて多数の島からなる国土の構成などについて、地図帳や地球儀、各種の資料で調べて、必要な情報を集め、読み取り、我が国の国土の様子について理解している。
②調べたことを文などにまとめ、世界における我が国の国土の位置、国土の構成、領土の範囲などをおおまかに理解している。


思考・判断・表現

①世界の大陸と主な海洋、主な国の位置、海洋に囲まれて多数の島からなる国土の構成などに着目して、我が国の国土の様子を捉え、その特色を考え、表現している。
②我が国の国土の位置や形状、面積などの情報を総合してその特色を考え、表現している。


主体的に学習に取り組む態度
①我が国の国土の様子について、予想や学習計画を立て、学習を振り返ったり見直したりして、学習問題を追究し、解決しようとしている。

学習の流れ(5時間扱い)

問題をつくる 2時間

  • 世界地図や地球儀などを使って、日本や世界の国々、大陸、海洋について自由に調べ、地図と地球儀のそれぞれの特徴について話し合う。
  • 世界地図や地球儀を活用して、世界の大陸と主な海洋、主な国の名称と位置を確かめる。
  • 日本と世界の国々との位置関係を地球儀で調べる。

(学習問題)
世界の中で、日本の国土は、どのように広がっているのだろう。


追究する 2時間

  • 日本の国土の位置や形、東西南北の端やまわりの国々の名称、国旗などを地図資料や写真から読み取り、国土の範囲について調べる。
  • 日本の領土や領海、排他的経済水域の広がり、領土をめぐる諸課題について、地図資料や写真を読み取って調べる。

まとめる 1時間

  • 日本の国土の位置や構成、広がりについて、さまざまな表現を考えて短文で書き表し、発表し合う。

問題をつくる

地図と地球儀の違いを読み取り、国・大陸・海洋の視点で比較する。(1/5時間)
国や大陸、海洋を理解し、日本の国土の範囲について調べようとする。(2/5時間)

導入のくふう

3、4年生での地域や都道府県での学習を終えて、日本や世界へと目を向けていく5年生の社会科の始まりの時間である。どの子供も世界の国々や日本に興味をもって追究していけるように、「世界旅行計画」を通して楽しい雰囲気をつくりながら、単元の学習問題につなげるようにする。

1時間目 世界地図と地球儀の違いを話し合い、それぞれの特徴を理解する。

地球儀

地図と地球儀を比べると、どのような違いがあるでしょうか。

地図だと、世界全体を一度に見渡すことができます。

地球儀だと、いろいろな方向から世界をながめることができます。

オーストラリア大陸とグリーンランドはどちらが大きいですか?

日本とブラジルの位置を同時に指で指してみましょう。

世界地図

地図で見ると、グリーンランドのほうが大きく見えるのに、地球儀だと、オーストラリアのほうが大きく見えるわ。

地球儀だと、日本の反対側にブラジルがあるように感じるよ。

地球儀は、地球の形を縮めたものだから、面積を正しく表せるんだね。地図は、一度に見えるよさがあるね。

2時間目 世界旅行を計画する活動を通して、国や大陸、海洋を理解する。日本の国土についての学習問題をつくり、調べる計画を立てる。

国名、有名な観光地、遺跡など
国名、有名な観光地、遺跡など

日本を出発して、世界一周旅行を計画してみましょう。

世界一周旅行計画書

太平洋を渡ってアメリカで野球を見てから、大西洋を渡ってエジプトのピラミッドに行く旅行にしたいな。

地球儀を使ってルートを決めたいわ。東から回ったり、西から回ったりできそうね。

緯度が同じ国だと、移動しやすそうだわ。

緯度や経度を見ていくと、日本の東の端が南鳥島と書いてあるよ。ここまでが日本の範囲なのかな?

日本と世界の国の位置関係が見えてきましたね。次回は、日本の国土の範囲を調べてみましょう。

《対話的な学びのポイント》
グループやペアで旅行を計画することで、位置関係を確認し合うことが大切です。



世界の中で、日本の国土は、どのように広がっているのだろうか。

追究する

日本の国土の様子について、地図資料や写真から読み取ったり、タブレット型端末を活用してインターネットで調べたりする活動を通して、国土の位置や構成、領土の範囲について理解する。(3、4/5時間)

調べ方のくふう

「日本の国土は、どこからどこまでなのだろう」という問いを解決するために各種資料を適切に活用しながら調べていくことができるようにする。一人一人が地図や地球儀、インターネット等の資料で調べる活動に加え、黒板に地図を用意して全体で確認したり、地球儀で実際に確かめてみたりするなど、言葉としての知識だけにならないよう、実感を伴った理解につながるように工夫する。

3時間目 日本の東西南北の端や国土を形成する島々に着目し、日本の国土をおおまかに捉える。

日本の国土の範囲はどこからどこまででしょうか?

インターネット等の各種資料による調べ活動
地図帳や地球儀、インターネット等の各種資料による調べ活動

【GoogleEarthのURL】
https://www.google.co.jp/intl/ja/earth

与那国島は台湾のすぐ近くなんだね。東西南北の端を線で囲んでみると、日本の範囲がわかりそうだよ。

北海道、本州、四国、九州だけだと思っていたけれど、他にも島がたくさんあるんだ。

日本のまわりには、大韓民国や中華人民共和国、ロシア連邦などの国があるわ。

北の端の択捉島から南の端の沖ノ鳥島までは、約3000kmもあるんだって。

日本のまわりには、太平洋、日本海、オホーツク海、東シナ海があり、海に囲まれている。

日本には島がいっぱいあるわ。インターネットで調べたら6800以上の島があるみたい。地図で確認してみよう。

4時間目 日本の領土や領海、排他的経済水域の広がり、領土をめぐる諸課題について理解する。

日本の領土、領海、排他的経済水域
日本の領土、領海、排他的経済水域

尖閣諸島や竹島、北方領土の名前は、ニュースでも聞いたことがあるわ。不法に占拠されている領土もあるんだ。平和的に課題が解決されるといいな。

領土を守りつつ、近くの国と仲良くしていきたいな。

領土だけでなく、領海も入れると、日本の範囲って広いのね。

沖ノ鳥島があることは、漁業にとって重要なことだわ。

日本は細長くて島がたくさんあるから、領海や排他的経済水域が広いんだね。

《調べ方のポイント》
一人一人が地図上を指さしたり、地球儀に触れて調べたりすることを通して、国土の位置関係や構成、領土の範囲などを実感的に捉えることが大切です。例えば、国土の形であれば、日本地図をなぞってみる活動を取り入れることで、地形が複雑な形になっていることがわかりますし、領土の範囲であれば、6800以上もある島々を地図帳で見つけてみたり、GoogleEarth等を活用して実際に見たりする活動を通して調べることで、その多さを感じ取ることができます。

まとめる

日本の国土について説明をし合う活動を通して、単元を通して追究してきた知識を用いながら表現し、国土への理解を深める。(5/5時間)

まとめ方のくふう

単元を通して調べてきた知識を活用して日本の国土の様子を表現できるように、「日本の国土を説明し合おう」という活動の内容を工夫する。いくつかの「説明カード」を用意し、グループで活動を行うことで、「地図資料の読み取り方」「国土の位置関係」「国土の構成」「領土の範囲」「まわりの国々」に着目しながら国土の様子ついての理解が深まるようにまとめるようにする。

5時間目 日本の国土の様子を説明する活動を通して、単元の学びを振り返り、理解を深める。

日本の国土の様子について説明し合い、単元の学習をまとめましょう。

国土の位置関係に着目できる説明カード

同じカードでも、いろいろな表現で国土の様子が表せそうだ。

選んだ説明カードを使って、日本の国土の様子について説明し合ってみましょう。いろいろな表現ができそうですね。

タブレット型端末を活用して、自分の説明の仕方を考えてまとめ、記録しておきましょう。

地図資料の読み取り方が確認できる説明カード

日本の領海と排他的経済水域は地図(地球儀)のだいたいこの辺りだ。

国土の構成や領土の範囲に着目できる説明カード

このカードを使って説明してみたいな。

タブレット型端末でみんなのカードが見られて、わかりやすかったわ。

グループで説明カードをクイズのようにしても楽しく振り返られそうだね。

《深い学びにつながるまとめ方のポイント》
グループで日本の国土の様子について説明し合う中で、多様な表現方法で国土について説明できることに気付かせていくことができます。教師は、単元の目標を達成したかを見取るために、説明カードを準備するとともに、活動を通した子供の姿から国土への理解の様子を見取ることができます。タブレット型端末を活用し、カードに記入したものをデータとして記録することも可能です。

イラスト/高橋正輝、横井智美

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