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フリースクールの6年生女子インタビュー~不登校の新入生たちを学校に迎え入れる秘訣

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2026年9月1日、小・中学生が通う「花メン」に、27名の新入生がやってきました。花メンとは、花まるエレメンタリースクール(小学生部門)と花まるミドルスクール(中学生部門)の総称・略称で、不登校を経験した子どもたちが通うフリースクールです。前日のPBLでは、「新入生と、誰がどのようにつながるのか?」を子どもたち自身が考えました。誰もが一度は経験したことがある「花メン初日」。自分自身の経験を手がかりに、「だったら、今の自分に何ができる?」と考えた子どもたち。さて、実際の9月1日は、どんな一日になったのでしょうか。

この記事は、「不登校の子どもたちの受け入れ方を、在校生も一緒に考える! フリースクール入学初日に大切な5つのこと」の続きです。

「大人が迎える」から、「みんなで迎える」へ

2026年9月1日の朝、「駅組」の子どもたちは、スタッフと一緒に最寄り駅へ新入生を迎えに行きました。ここで、1年半前の「駅組」の様子と今回の「駅組」の様子を、写真で比べてみましょう。

2026年9月の駅組

20269月の「駅組」の写真
先生と子どもたちでお迎えに行く

2025年4月の駅組

2025年4月の「駅組」の写真
この時は先生が4人だけ

こうして2枚の写真を並べてみると、継続的に花メンの取材を続けている筆者としては、なかなか感慨深いものがあります。2025年4月には、スタッフだけで新入生を迎えていた「駅組」。それが1年半後の今回は、在校生たちがごく自然に「迎える側」に加わっています。

大人が新入生を迎えるのではなく、花メンのみんなで新しい仲間を迎える――。この1年半で、「チーム花メン」の布陣はずいぶん厚くなったようです。

そして、最寄り駅に到着。

筆者は、2025年4月に撮影した下の写真のような新入生との「出会いの瞬間」を撮るべく、スマホのカメラを構えて待っていました。

2025年4月の「出会いの瞬間」

2025年4月の駅組「出会いの瞬間」の写真

ところが――。

この日、あまりにも自然に、子ども同士が溶け合ってしまったのです。「え? どの子が新入生?」。
在校生と新入生を見分けることすら困難でした。今回の画期的な「出会いの瞬間」を撮ろうとしていた筆者としては拍子抜け。でも、それ以上に、なんだか嬉しくなりました。

「駅組」の出会いはスムーズでしたが、当然ながら新入生全員がそうだったわけではありません。
花メンに戻ってみると、別ルートでやってきた新入生の中に、どうしてもお母さんと離れられず、泣いている子がいました。その子のそばで、根気強く話しかけていたのが、ソラとツムツム、二人の6年生でした。

あれだけ泣いている子に、どうして気負いなく、ごく自然に話しかけ続けられるんだろう? これって、実はすごい「技術」なんじゃないか? 放課後、二人に直接話を聞いてみました。

秘訣その1 「泣いていること」は、拾わない。

まず、ソラに聞きました。

ソラ : 6年生。2024年9月、4年生で花メンへ。大勢の場が苦手の人見知り。当初は、花メン環境にも馴染めず帽子を深くかぶっていた。5年生になった頃から花メンが楽しくなってきたそう。

―― あれだけギャン泣きしている子を前にして、心が折れたりしないの?

泣いてること自体には、そんなに大きな意味はないというか…。花メンでは、ギャン泣きしている子なんて、日常茶飯事だし。

「泣いていること」そのものには注目せず、別の話題で話しかけるのだと言います。

違う話題で話しかけていると、泣いていても、ちょっとずつ、こっちの話も入っていく…みたいな? 

実際、この日の朝もそうでした。泣いていることを「どうにかしよう」とするのではなく、その子が興味を持ちそうなこと――この日の場合はサッカーでした――を、淡々と話す。しばらくすると、教室内でサッカーボールを使って遊んでいる子どもたちに、その子の目が向き始めました。少しずつ表情も落ち着いていきます。そして、その後は終日、ごく普通に「花メン生」として過ごしていました。

―― その技術は、どうやって身につけたの?

え? 先生たちがやっているのを見てた

あっさりした答えでした。先生たちは、「泣いている子には、こう対応しましょう」と、子どもたちに教えたわけではありません。ただ、過去に先生たち自身がそうしていた。ソラは、それを見ていたのです。

じつは、ソラ自身、最初から花メンに馴染めた子ではありませんでした。花メン初日について尋ねると、「地獄だった」という言葉が返ってきました。家に帰って親御さんに「合わないかもしれない」と話したそうです。

―― 何が辛かったの?

みんながうるさい。子どもが大勢いる。スケジュールが厳しい。先生たちの(陽キャ)ノリが無理。

「当初、花メンを苦手だと思っていた部分」を、バババッと立て続けに羅列されて、筆者は面食らいました。え! そんなに嫌だったんだ……。筆者が二の句を継げずにいると、「とりあえず花メンには通っていたけれど、半年ほどつらい時期が続いた」と言います。

友達と目を合わせずにメッセージ(通知表のようなもの)を受け取りに行く、4年生最後の日のソラ
友達と目を合わせずにメッセージ(通知表のようなもの)を受け取りに行く、4年生最後の日のソラ

さらに、「花メンが嫌で、一度は元の学校に戻ったこともある」とも言いました。それでも最終的に花メンを選択して戻ってきたのは、「こっちでできた友達のほうが心を許せると感じたから」。
そんなソラですが、今では、全員の前でPBLの司会進行を担当する立場です。

今では花メン全体を引っ張っていく立場になったソラ。
今では花メン全体を引っ張っていく立場に

ー この変わりようは、何?

花メンの上級生が格好よかったから。上級生でリーダーをやっている子に憧れて、私も、ああなりたいって思うようになった。

そして2026年9月1日。6年生になったソラが、新しくやってきた子の隣にいました。
泣いていることにはあえて注目も言及もしない。「大丈夫?」を繰り返すのでもない。ただ別の話をしながら、その子の世界が少しずつ広がっていくのを待つ。「かつては地獄だった」と語った場所で、淡々と、飄々と、ソラは新入生を迎え入れていました。

秘訣その2 「届いていないようで、届いている」ことを知る

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