支援学級? 通常の学級? 進級に悩む保護者への寄り添い方|特別支援教育のケーススタディ
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- 特別支援学級の学級経営
特別支援学級に配属されたものの、学級経営に悩む若手の先生方が多くいると聞きます。実際に学級内ではどのようなことが起こりがちなのでしょうか。ここでは、兵庫県公立小学校校長・公認心理師・特別支援教育士スーパーバイザーの関田聖和先生が、特別支援教育のケーススタディを指南。特別支援学級だけではなく通常学級での特別支援にもお役立てください。
構成・執筆/兵庫県公立小学校校長・公認心理師・特別支援教育士スーパーバイザー 関田聖和

目次
わが子の進級について保護者から相談が増える12月
この時期がやってきましたね。今年はもう少し丁寧なお話ができるといいなと思っています。
そうね! 保護者の方は、様々な不安や心配を抱えて学校に相談へ来られるものね。
保護者が学校へ相談しに来る場合、どのような心持ちで相談に乗ればいいですか?
それなら専門家の意見を聞いてみましょう!
12月から1月にかけたこの時期は、「来年度、通常の学級か特別支援学級へ在籍するかを迷っています」といった保護者からの相談が増えてきます。
保護者が「通常の学級」または「特別支援学級」で悩む背景には、いくつかの典型的な不安や葛藤が考えられます。想像できるポイントを整理すると、次のようになります。
保護者が抱える不安や悩みを受け止める
1.子どもの学びや成長に関する不安
【保護者からの相談】
支援学級へ行った場合、授業はうちの子にあわせてくれるのかしら……
まずは、学習面の適応についての不安です。その中で保護者から寄せられる声には、「通常の学級で授業についていけるのか」「支援学級なら個別に見てもらえるが、学習内容はどうなるのか」などがあります。
これらは、子どもの実態に応じて変わります。しかしおおむね、「子どもの実態に合わせてカリキュラムを計画する」ことがベースになります。例えば、知的障害などの診断があり、療育手帳(自治体によっては呼び名が変わります)を取得しているときは、低学年の学習も組み込んで自立活動とあわせて学習を計画します。
一方、知的な遅れはなく、コミュニケーションなどの課題が大きく、個別の学習に取り組んだほうが良いなどのケースは、自立活動を中心に、教科との関連性も視野に入れながら取り組むことができるように計画していきます。
どちらも、本人や保護者と相談しながら進めていくことが前提なので、不安や心配ごとを受け入れながら、計画を立てていくようにしましょう。
また、「支援学級に入ると中学校や高校でどうなるのか」「進学や就職に不利にならないか」など、将来の学力や進路への影響について問われることもあるかと思います。そのようなときは18歳の姿を想像することをお伝えしています。そこに向かってのビジョンを共有したいものです。それぞれの自治体での事例などを踏まえ、話すことができるといいですね。特別支援のセンター的機能として特別支援学校のコーディネーターがいます。相談すると、詳しいことを教えてくれたり、資料をもらえたりすることができるかもしれません。
なるほど、お母さんも不安ですよね。とくに支援学級では、本人や保護者の方と相談しながら、お子さんの実態に合わせて自立活動をベースに、カリキュラムを計画していきます。またその日の調子も観察していきながら、学習を進めていきます。入級の際には、担任や特別支援教育コーディネーター、時には管理職も入って計画していきます。
2.社会性や人間関係に関する悩み
【保護者からの相談】
うちの子、支援学級でお友達ができるのかしら……
いかがでしたか。学校へ相談に行くだけでも、保護者の方はかなりの勇気を必要とします。そしてそれだけ不安も大きいということです。精いっぱい、丸ごと受け止めて、一緒によりよい進路を模索したいものです。
イラスト/terumi
