• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

係活動と当番活動、どこが違う?

2019/3/26

学級経営・特別活動を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、教育現場で見て気になったことについて、ズバリと切り込みます。

文・稲垣孝章(元・埼玉県東松山市立公立小学校校長)

役割をもって動く子どものイメージ
イラスト/熊アート

クラス活動で必須の要素と言える、係活動と当番活動。学級内で子供たちが何らかの役割をもつこと、と言う点では同じですが、この二つには違う目的や狙いがあるのです。稲垣孝章先生に、詳しく教えていただきました。

係活動を会社方式で?

5年次教員の研修会で、次のような提案があり、その提案を参会者が感心して聞いている姿を見て驚きました。

「私のクラスの係活動は、会社方式を採用しています。各係に社長を置いて、定期的に社長を集めて株主総会をします。そこで、活動が活発でない係は倒産さ せ、倒産した係の子どもたちは、職を求めて他の係にアルバイトに行かせます。子どもたちは、自分たちの係が倒産しないように、競って活動に取り組み、目を 輝かせています」

この先生は、子どもの目の輝きの意味がわかっていないのだと思います。この子どもたちの目は、競争心をもった目の輝きなのです。競争することは教育において大切であり、否定するものではありません。しかし、そもそも係活動とは、責任を負わせ、競わせるものではないのです。足りないことがあれば、互いに支え合って活動するものであり、競争の原理ではなく、協働の原理に基づく活動なのです。今、とても心配な実践です。

「体育係」はありえない

「体育係は、なぜ係活動として望ましくないのですか」
と10年次研修会で質問を受けました。きっと基礎基本を学ぶ機会がなかった先生なのだろうと気の毒に感じた場面でした。
そもそも体育係の活動とは何なのでしょうか。もし、体育用具の準備をするのであれば、それは必要不可欠な仕事として当番活動になります。もし、準備運動の活動を行うのであれば、これは管理面からも指導事項として教師の行うべき仕事になります。そして、係活動は、学級生活が豊かになるように子どもたちが関わり合いながら、創意工夫して活動を展開するものであることから、名称に教科名をつけることは適切とは言えないのです。

会社方式や体育係、ベテランの先生方にもこのような実践をされている方を見受けます。また、子どもたちの係活動が停滞すると、担任の先生がチェックカードを作成して、厳しく指導されている姿もみました。

ここで質問です。

(問)
係活動と当番活動の特質とはどのようなものなのでしょうか。

係活動は「学級生活を向上・発展させるための活動」で、教育課程上、学級活動に位置づけられているものです。当番活動は「学級生活の円滑な運営を目指す活 動」で、教育課程には位置づいていませんが、学級経営上不可欠なものです。「係活動」は、豊かな学級生活を創造するため、子どもたちの創意工夫により活動が展開され、活動の成果にとらわれず、基本的には責任を問わない活動となります。「当番活動」は、学級生活を円滑に維持運営するため、全員が公平に交代し て仕事を行い、活動の成果を求め、責任を問う活動となります。


『小一~小六教育技術』2014年4月号~2016年2/3月号連載「正襟危座--伝えたい--耳に痛いかもしれないけれど、教室で大切な基礎基本」より

関連する記事

クラス記事一覧

子供同士のトラブル時の保護者対応ポイント

新学習指導要領で取り上げられたガイダンス機能の充実。子供が自らの考え方や学び方を主体的に確立していくことの支援を強化する目的があります。ここでは、子供同士がトラ…

子どもに助言をするとき、気を付けておくべきこととは?

学級経営・特別活動を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、教育現場で見て気になったことについて、ズバリと切り込みます。今回は、子どもへ助言をする上で心にとめて…

気になる子の月経や生理、どう支援する?~発達障害と思春期の子供の性

発達障害が気になる子の生理を理解して支援したいけれど、性の話は難しい。小学校高学年は思春期の入り口です。女性は男性に比べて、ホルモンの変化をきっかけとした 月経…

4年3組学級経営物語(13)

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。自分磨きの夏季休業を終え、ひと回り成長した渡来先生! 久しぶりの教室で、学級目標…

やってみよう!学級会の基本とコツ

子供たちが主体となって、議題について話し合い、折り合いをつけて意見をまとめたり、解決方法を決定していく・・・そんな学級会ができるようになるため、教師はどんな指導…

子供の心を伸ばす特別活動「キャリア教育」

二学期は成長の時期です。一学期のうちに固まってきた、それぞれの集団が十分に活動するときです。昨年度と同じ活動をするにしても、「何をするか」ではなく「どのようにす…

4年3組学級経営物語(12)

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。ダレている子、心が疲れた子、自信のない子…、先生はだれ一人見過ごさない。元気を出…

カリキュラム・マネジメントの観点で二学期を見通そう

二学期を充実した学期にするために、学習や行事を通して、子供たちに高学年としての力を付けていきたいものです。ここでは、カリキュラム・マネジメントに則した一覧の作成…

気になる子をセンスよく支援 トラブル対処編

日頃から教室で不適切な行動や事件が起こらないように気を付けていても、実際はトラブルが起こることもあります。今回は、トラブル対処法のヒントを解説します。正しい知識…

9月の「荒れない」学級づくり ~ケース別対応策~

夏休み明けは、生活リズムや学習習慣が崩れ、クラスが荒れやすいと言われます。ここでクラスをしっかり整えておくために、この時期にありがちな不安について、ケース別に対…

もっと見る