ICT時代の今だからこそ使ってみよう、アナロググッズ~ゴム印のすすめ~

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マスターヨーダの喫茶室~楽しい教職サポートルーム~
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元山形県公立学校教頭

山田隆弘

ICT全盛の昨今ですが、手軽さにおいてはアナログ情報整理術もまだまだ負けてはいません。学校を離れ、自分時間を過ごすときはスローライフがいいと思っているアナタに、特にオススメです。「紙」と「ペン」だけで、記録ができますし、思考もできます。その際に活躍するのが、ゴム印です。教室では、児童のノートへの激励印などはまだまだ現役ですね。たぶん学校からゴム印はなくならないです。

【連載】マスターヨーダの喫茶室~楽しい教職サポートルーム~

1 ポンと一押し!

昭和から平成初期にかけて同期生や同僚、そして有志で研究サークルを運営していました。
レポートや学級通信、指導案などを持ち寄って学び合い、そしてたまにはメンバーと研修会に出かけたり、講師をお呼びしたりと、楽しんで学んでいました。
その記録をサークル通信にまとめて、全国の同志サークルに送付し、交流していました。何十通と送付するので、いちいち住所などを書いていれば、時間がいくらあっても足りません。
そこで、できるだけ省力化するために、「様」「緘」「郵便番号枠」などのスタンプを購入したり、「自分の住所」などのゴム印をはんこ屋さんで作ったりしました。

単なる連絡手段は、昨今電子メールやSNSに置き換わってしまった感がありますが、手書きは文化としてこれからも残っていくでしょう。お礼状や個人的なお知らせなどは、やはり手書きで送るほうが、心がこもっているように感じられると思います。

*緘(かん)=封緘。封筒のフタを貼り合わせた部分に印を付けて、第三者に開封されていないことを示すマナーです。「緘」の文字はビジネスなど格式が必要な場合。「〆」が一般的によく使われます。

<住所印> (画像は小学館「教育技術」編集部のものです)

また、私生活においては、ぜひ皆さんにも、アナログの良さを体験してほしいなぁ、と思います。スタンプと手書きを組み合わせると、知的活動の習慣付けになりやすいからです。
こんな使い方はどうでしょうか?

2 手作りの「知識データベース」を作ろう

わたしは、一時期新聞を3紙、購読していました。
気になる記事はスクラップして、大判のノートなどに貼っていました。これが後に、授業や講話に大変役立つのです。ぜひ、一度お試しください。
記事を切り取ってスクラップすると、当然、どの新聞のいつの記事なのかは分からなくなります。これでは後に引用をするときなどに困ります。そこで、 こんなゴム印を作りました。

<新聞印>

また、研究授業や実践記録などの、仕事上での調べ物をする際、参考文献や資料のコピーをとることはよくあると思います。これらを活用するときには、やはり出典を明らかにする必要があります。
そこで、こんなゴム印を作り、コピーをとる際に活用していました。

<月刊誌印>

電子化されていない資料をあたることは、まだ多いと思います。紙の資料をデータベース化して、後で活用しやすくするためにも、スタンプの活用はオススメです。

3 スケジュール帳に使う

① フォーマル用

手書きの週案簿をお使いなら、特にオススメです。また、スケジュール管理は手書きのノートで…という方も多くいらっしゃると思います。ゴム印を使うと、そんなノート作りが楽しくなりますよ。

<スケジュール印>

② お楽しみ用

100円ショップなどでよく売られているスタンプもオススメです。色を変えたりして、ノートにデザイン的な変化を盛り込んでみると、より楽しくなりますよ。

<市販のスケジュール印>

 おまけ 管理職用

管理職時代は、こんなゴム印が大活躍しました。紙の資料や配付物を取り扱う際に便利ですよ。

<管理職用ゴム印>
<市販の回転印>

以前勤務していた学校では、各教員の氏名印や「決裁」などの事務用印、児童の成績表に利用する評価印など、多種多様なスタンプをオーダーメイドで作り、活用していました。
デジタル化が進行した現在、こうした文化は消滅しつつあるようです。
しかし、どんなに時代が進んでも、児童は手書きのノートを使い続けるでしょうし、各種の掲示物なども手書きで作られていくでしょう。
そうした意味では、教員は手書き文化に最も近いところにいると思います。手書きをよく知った上でのデジタル。デジタルを使いこなした上での手書き。きっとそこに、仕事での利点が生まれてくると思います。
今回は紹介できませんでしたが、児童のノートに押してあげるスタンプもたくさんあり、学級経営に一役買っています。これらは、また別の機会に…。


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マスターヨーダの喫茶室は土曜日更新です。

山田隆弘先生

山田隆弘(ようだたかひろ)
1960年生まれ。姓は、珍しい読み方で「ようだ」と読みます。この呼び名は人名辞典などにもきちんと載っています。名前だけで目立ってしまいます。
公立小学校で37年間教職につき、管理職なども務め退職した後、再任用教職員として、教科指導、教育相談、初任者指導などにあたっています。
現職教員時代は、民間教育サークルでたくさんの人と出会い、様々な分野を学びました。
また、現職研修で大学院で教育経営学を学び、学級経営論や校内研究論などをまとめたり、教育月刊誌などで授業実践を発表したりしてきました。
『楽しく教員を続けていく』ということをライフワークにしています。
ここ数年ボランティアで、教員採用試験や管理職選考試験に挑む人たちを支援しています。興味のあるものが多岐にわたり、様々な資格にも挑戦しているところです。

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