【相談募集中】教育評価の基準について共通理解するには?

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「全国教育交流会」代表

中野敏治

教育評価において、定期テストの評定の割合については共通理解をしておくべきではないかと考えている先生からの相談が、「みん教相談室」に届きました。ここでは、元中学校校長、「全国教育交流会」代表の中野敏治先生からのアドバイスをお届けします。

Q.教育評価の基準について共通理解するにはどうしたらよいでしょうか

中学校の教員です。教育評価の担当になったのですが、定期テストの評定における割合をある程度共通理解しておいた方がいいのではと考えています。自分は定期テストとその他の評価資料(授業での発表・単元テスト・提出物の評価等)を半々にしていたのですが、他の先生に聞いてみると定期テストの割合が75%ぐらいという先生が多かったのです。皆さんはどうなさっているのでしょうか。

(テニス部顧問先生・50代男性 中学校 1年国語)

A.近隣の学校の状況についての資料を根拠として職員会議で提案し、共通理解を進めましょう

学校では校務分掌として、すべての先生が学校運営に参画する形となっています。数人で行える活動もある一方、先生のように先生全体をまとめていかなければならない活動もあります。先生の分掌は、さまざまな教育観のある先生方をまとめる活動ですので大変な苦労をされていることと思います。

さて、先生のご質問ですが、「目標に準拠した評価」の在り方については、各先生方はすでに理解をされていると思います。先生が悩まれているのは、その評価をするにあたっての、それぞれの観点別の比重の在り方ですね。

これは悩まれると思います。自分の教科の評価には説明責任もあるので、それぞれの先生がさまざまな評価資料を基に自信を持ってつけていると思います。また、「前任校では」「私の教科では」と、さまざまな意見が出てくると思います。そして、定期テストの問題も観点別に作られて、最終的にはさまざまな資料を基に、その観点別に評価をし、評定が出されていると思います。

しかし、各教科によって定期テストの割合がまちまちなのでは、「あの教科は定期テストの割合が◯%で、あの教科は△%なんだよね?」などという話が保護者から出ても、不思議ではありません。

「目標に準拠した評価」はすでに定着をしていると思いますが、詳細はそれぞれの学校などで違いがあることは事実です。ただ、「目標に準拠した評価」の、その目標は他校とそんなに変わることはないと思います。

そこでまず、近隣の学校の状況を把握してはどうでしょうか。先生方に説明する場合、その根拠となる資料が必要です。その資料を基に管理職と相談をしながら、教科主任等で構成する検討委員会を開き、検討してはどうでしょうか。その後、職員会議で提案し、共通理解へと進めていけるのではと思います。

先生方で評価についての共通理解ができましたら、(すでに行なっているとは思いますが)年度はじめの保護者会の時に、評価についての説明をしていきましょう。当然、学校としての評価の在り方ですから、校長の責任の下に説明会を行うこととなります。評価については、生徒も保護者もとても気になるところです。事前に保護者へ「うちの学校はこうして評価をしていきます」と提示することが大切です。

苦労の多い分掌ですが、学校を動かす大切な分掌だと思います。また、「評価は生徒のためにある」ということ、「評価は教師が生徒をジャッジするためだけのものではない」ということなど、評価の基本を忘れずに、学校の全先生方が共通理解し、子供たちのためにより良い評価となることを願っています。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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