小6[B親切、思いやり]相手の立場に立った親切をするにはどうすればよいかを考える授業【文部科学省教科調査官同行監修】動画・道徳科実践レポート

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動画・道徳科実践レポート【前文部科学省教科調査官・浅見哲也先生同行監修】
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前文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官/十文字学園女子大学教育人文学部児童教育学科 教授

浅見哲也
文部科学省教科調査官同行監修 動画・道徳科実践レポート

今回は小6の内容項目[B 親切、思いやり]、主題名「相手の立場に立った親切」の授業レポートをお届けします。世の中が不安定になっている時代だからこそ、特に道徳性を養う道徳科の授業が重要視されています。道徳教育の研究に取り組んでいる小学校に、浅見哲也教科調査官とともに伺い、調査官からのアドバイスを受けつつ、授業実践を動画で分かりやすく紹介します。調査官と授業者とのミニ対談の動画もご覧ください。

授業者/埼玉県公立小学校教諭・髙野明秀

小6[B 親切、思いやり]相手の立場に立った親切をするにはどうすればよいかを考える授業

主題名:相手の立場に立った親切 [B 親切、思いやり]
教材名:「思いをのせたランドセル」 (埼玉県教育委員会)
本時のねらい:親切を行うことの大切さや難しさなどを多面的・多角的に理解し、ランドセルを磨いている昌平に共感することを通して、相手の立場に立って親切をしようとする心情を育てる。

「思いをのせたランドセル」のあらすじ

3.11東日本大震災から数日後、主人公(昌平)の住んでいる町は、避難する人を受け入れることになった。父から「昌平のできることをやってみるといいよ」と言われ、自分のできることが何かを考えた。そして、「新しい人に使ってもらおう」と思い、おじいさんからプレゼントされたランドセルを磨いた。

導入

1 見通しをもつ
3.11東日本大震災を題材にした話を通し、親切とはどんなことかを考え、主題や教材への関心をもてるようにする。

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展開

2 学習課題について話し合う
震災を受けた人々のことを考え、親切を行動に移すことの難しさや大切さを考え、相手の立場に立って親切にするにはどうすればよいかを考える。


震災で学用品がなくなった子供の様子を知って、昌平はどんなことを考えたのでしょうか。

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おとうさんの「できることを見つけてやってみるといい」という言葉を聞いたとき、昌平はどんなことを思ったのでしょうか。

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校長先生の「何か役に立てないかと思いながら、やらなければならないことをしっかりと考えて生活しましょう」という話を聞いたとき、昌平はどんなことを思ったのでしょうか。

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なぜ、昌平はランドセルを磨くことを決意したのでしょうか。

となりの人と話合いをする。

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昌平はどんなことを考えながら、ランドセルを磨いているのでしょうか。

となりの人と話合いをする。

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3 授業で学んだことをふり返る
タブレットに本時の授業のふり返りを書き、その後、意見を発表して、みんなで共有する。


どんな思いがあれば、親切ができると思いますか。また、親切について、今までの自分の生活をふり返ってみましょう。

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終末

4 説話
渋沢栄一翁に関わる話をし、親切をすることのよさや大切さを実感できるようにする。

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本時の授業の板書
本時の授業の板書


私は、親切が必ず一つとは限らないと思いました。そして、東日本大震災で自分の大切なものを奪われた気持ちは誰もカバーしてあげることはできないと思うけれど、自分にできることを最優先に考えて行動したいと思いました。
親切をすると自分もよい気持ちになるし、何よりもよくしてもらった人たちがとっても嬉しい気持ちになると思いました。また、「困っている人を助けよう」と思って行動することが大切だと思いました。

文部科学省教科調査官・浅見哲也先生からのアドバイス

授業者・髙野明秀先生とのミニ対談はこちら

浅見哲也先生の解説する道徳科の目標、評価、指導についての動画もご覧ください。
「道徳科の目標の理解」はこちら>>
「道徳科の評価の理解」はこちら>>
「道徳科の指導の明確な意図」はこちら>>
「道徳科の主体的・対話的で深い学びとは? 授業づくりQ&A」はこちら>>

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プロフィール
浅見哲也(あさみてつや)
文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官/1967年埼玉県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、1990年より埼玉県熊谷市及び深谷市内公立小学校教諭、埼玉県教育局指導主事、深谷市教育委員会指導主事、深谷市内公立学校教頭、小学校校長兼幼稚園長を経て、2017年より現職。どの立場でも道徳の授業をやり続け、今なお子供との対話を楽しむ道徳授業を追究中。

取材・文・構成/浅原孝子 撮影/北村瑞斗

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